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やってみよう!ドラッカーの組織構造論【ドラッカー31 35】

やってみよう!ドラッカーの組織構造論【ドラッカー31 35】

中川先生と読む、ドラッカーのマネジメント。いよいよ、もうあと何回かでこの本も最後になりますので、ぜひ最後までご一緒いただけたらと思います。本日取り扱う内容は、ドラッカーが組織構造について論じた、ドラッカーなりの組織論です。このセクション、読むとめちゃくちゃ難しいので、解説として参考にしてもらえたらと思います。

正直、何書いてんだかよくわかんないというようなセクションです。けれども、ドラッカーの基本的精神は、ビジネス、マネジメントを、なるべくシンプルに簡単にして把握することであることを踏まえ、非常に複雑怪奇なこのセクションを、とにかく中心部のエッセンスだけ、すっとわかるようにして皆さんにお届けしたいと思います。

目次

自分で実践する

このセクションは、ドラッカーなりに、当時の知見を全部ひとまとめにしながら、組織というものの形をどうデザインすればいいのか、これについて論じたものです。すなわち、どういう部門を作って、どういうふうに繋ぎ合わせていくのが正解なのか、に関するドラッカーなりの答え。

これはちょうどドラッカーが生きて活躍していたその時代に隆盛であった、組織構造論(マクロ組織論)という分野の学問成果として、次第にまとまりつつあったものを、ドラッカーなりに解釈し直して、自分はこのように考える、と披露したのがこのセクションなんです。

ですからそこには、当時のアカデミアで議論されていた、いろんな要素が混ざってきているから、妙に読みにくくなっている。

しかし、シンプルに言ってるんです。ドラッカーは、基本的な部分は、ものすごくシンプルに語っていて、そこのところは、なるほどと、この順番で考えていけば、確かに使えるな、というものとなっております。ですので、ここのセクションの読み方のポイントは、自分なりに、実際に組織を作ってみる、あなたの会社を所属している会社の組織を、どういうふうに作ったら上手く組織ができるだろうか、と実践的に考えていくと、途端に「なるほどな」と腹落ちできるものです。

ぼんやり読んでる/聞いてるだけだと、「まあそうなのかな」とフワっと通り過ぎてしまうセクションなので、だからこそ、自分ごととして実際に組織を作ってみるつもりで、組織を作り直してみるつもりで、ここからの内容を聞いてみてください。

シンプルにすることが大事

そう、ポイントはとにかく単純にシンプルにするということです。複雑にした瞬間、組織というのは機能しなくなる、いろんな情報のやりとりだとか非常に凝った組織の形にした瞬間に機能しにくくなる。人間の組織というのはなるべくシンプルがいい、単純がいい。なぜなら、結局そこで働いてる人の、自由をこそ作らなきゃいけないからです。

目標を明確に与えて、その目標に向かって、その個人が自ら意思をもってその目標達成に向かえるようにする。そのためには、複雑な構造にしたら、その個人がやらなきゃいけないこと自体が複雑になってしまう。なるべく個人にそう自由を与え、やる気を与え、目標を持てるようにするためには、シンプルな組織構造がいいんだと言ったわけです。

いいですか、とにかくこの点、強調しておきます。

複雑にしないということ。

組織の基本単位を作る

そんなわけで、ドラッカーなりにどうやったらものすごく組織をシンプルに作れるのか、という実例として、ここではあえて最新のビジネスの形として、Eコマースを軸とした輸入小売業を考えてみたいと思います。海外から物品を買ってきて、それをEコマースで販売しているような会社。20人くらいでそれなりに大きく営んでいるとする。これを、自分で組織を作るのだというイメージで聞いてくださいね。 

この会社の組織を作ろうとしたら、どうするか。最初にやるべきこととしては、自社がお客様に貢献するために、必ずやらなければいけない、俗に【ライン】と言われるものをデザインする。価値が作り出されて、お客様の手元に届くまでの一連のフロー。どういう仕事が必要ですか、その必要な仕事の単位で、素直に組織をまとめていく。

皆さんが輸入小売業をEコマースでやろうと思うなら、どういう仕事が必要と考えるか。そしてそれを、どういう順序でつなぐか。まずは、輸入ですよね、その物品を輸入するという仕事をコンスタントに海外から物品を買い集めてくる。この仕事が大切になってくるわけで、仮にこれを貿易と呼ぶことにしましょうか。

という形でこの貿易を担うチームを作る必要があるわけです。そこに例えば、3人、4人、5人と個人をあてがっていくわけですね。これが第1の仕事。

第2にはどんな仕事が必要かと言えば、それを出荷していく方の仕事ですよね。ひとまず、買ってきて、国内のお客様にさばいていく貿易業務と出荷業務があるんだよねと。この二つがこの会社の基本組織構造ということになるわけです。

で、他に何が必要かといえば、Eコマースの会社なわけですから、Webサイトを作って、この商品がずらっと魅力的に並ぶというこのWebコマース、Webサイトの維持、管理、運営が必要なわけで、ここも会社の主力になってくるわけです。また、単にこのEコマースのWebサイトが出来上がってればよく売れていくわけではない。上手にSEO対策をしたり、例えばSNSを活用してみたり、あるいはオンラインモールで検索にうまく引っかかって上位に表示されるようにしたりというような、そうしたマーケティング活動も必要になってくる。これらの四つぐらいがあれば、基本的な組織の機能は成り立っていくはずだということで、例えばこの四つぐらいの形で組織の基本形を作ってみる。

ここらで、皆さんとしては、もっとこういう活動も必要じゃないかな、というアイデアも出てきていると思います。それらを、組織構造として作り込むのも大切です。ただ、いくらでも浮かんでくるそれらの細かい仕事を全部組織にしてしまっていては、最初の基準【複雑にしない】が満たされなくなってしまうリスクがある。

ぐちゃぐちゃといろんな人が、専業でそれぞれの仕事をやり、それらを全部ボスが調整しようと思ったら、めちゃくちゃに難しくなってしまう、その意味では細かく切れば切るほど組織は良くなるわけではないのです。ある程度わかりやすい単位で大きくまとめて、管理が容易な形にしておいたうえで、機動的に細かい仕事にあたるというのも、組織づくりとして大切なことです。

支援活動を整える

それで、この基本的な活動【ライン】が整ったら、次には、支援活動というものを揃えていく必要があります。ここまで述べた事業活動があれば、会社がうまくいくわけじゃないのは、皆さんもお気づきですね。

続いては、支援のための組織づくり。まず、お金の流れを整理するために、経理部門が必要でしょう。あるいは人事部門。それぞれの部門で働いている人にお給料をあげたり、評価をしたりと、こういった活動も必要になってくるわけです。俗にこれを当時の組織論の言葉で、【スタッフ】部門という言い方をします。

ラインとスタッフという区別があるわけなんですけれども、このいわゆるスタッフ部門と呼ばれるもの、お客様に価値を届けるフローではないけど、会社としての業務を成り立たせるために、諸々の社内の管理業務をやる必要があって、それらを揃えていく必要があるわけです。ここも発想は同じです。

複雑にしすぎないこと、考えれば考えるほど、こういうのがあっていいじゃないか、こういうのもあっていいんじゃないか。

どんどん増えてきますが、増えれば増えるほど、仕事の専門家、細分化が進んでいって、上で管理する人の管理限界を迎えてしまいかねないということで言うと、やはりこれも大きな職務は何なのかということで捉えて、大きくくくっていくとがやはり大切になってきます。

意思決定機関を整える

このような形で、お客様の手元に価値が届くまでのいわゆるライン部門と呼ばれるような主要活動、基本活動のフローを作り、それを支えるスタッフ部門、会社としての基本的な管理を担っている部門を作ったならば、これで完成か。

違いますね。

あと何が必要かといえば、これらと全体の活動を調整、統合し、コントロールをしていくということ。管理部門、意思決定機関というものが必要になってきます。

要するに、部長さん、社長さん、会社全体の方針を決めて目標の数値を決めて戦略を立てて、という形で全体の活動を統合する方が必要になってくるわけです。ここも基本はなるべくシンプルに作っていく。

ライン部門のボスは必要ですよねということでライン部門のボスに事業部長さんを当てる。

一方、人事や経理といったこのバックヤードの方でのオフィス業務をしてくださっているスタッフ業務をしてくださっている人たち、ここをまとめる者、部門として例えば総務部長とか、そういった形の人を置くわけですね。どういう形で事業部長、総務部長で、それぞれの部門を統括して、さらにその上に社長を置くという形で、3名ぐらい。そこそこの規模の会社まではこれぐらいの管理職がいればいいんだということになりますね。

トップマネージャーが戦略を立て、今年の方針を立て、進捗状況を管理しながらその人がオペレーションを担う事業部長さんと、それから裏方の管理を担う総務部長さんとのこの3人の連携で会社全体を統御、統合していくという形。というわけで、この色分けした通りで、会社に必要な機能というものを大きく分ければ三つ、一般的な計画用語でライン部門と呼ばれる、ドラッカーの表現を使えば基本活動と呼ばれるこのブルーのお客さんに価値を売っていく流れです。

それから第2は、スタッフ部門、ドラッカーの言葉を使えば、支援活動と呼ばれるこの黄色のセクション、それから赤で書いたマネジメント部門、トップマネジメント、マネジメントと呼ばれる部門、この三つぐらいの構造で出来上がっているのが、組織の基本形態になってくるわけです。

複雑にしすぎないことが大切

とにかく今回は何度も言ってきましたけども、ポイントになってくるのは、複雑にしすぎないことです。階層が深く、深くなってくれば、その中でもうこの伝言ゲームがどんどんどんどん混乱をきたしていくわけですね。なるべく組織の構造はフラットな方がいいし、なんなら横での情報のやりとりで課題が解決できるに越したことはないんです。

しかし、それでも物理的に遠隔に離れた数十名のメンバーというのを調整、統合、管理していくのはとても難しい。そこで仕方なく縦の管理構造として、全ての人を管理していく管理職、管理部門、マネージャーという人を置く必要が出てくるわけです。

というわけで、なるべく簡単にしましょうと、なるべくなら現場の横のやりとりだけで課題が解決できるように、それが可能なように組織を作ってあげた上で、どうしてもそれができないときだけ、なるべく深くしない、浅い職層の中で管理職を置いていく。これが組織デザインの基本の発想になってくるわけです。

かくして、このような組織構造を実際にやってみるというのが皆さんにとって大切なことです。皆さんがマネージャーであったとしても、あるいはそうではなかったとしても学ばれている学生さんであったとしても、実際に自分なりにビジネスをするとしたら、あるいは今、実際に自分が所属している組織について、どういう形が望ましいのだろうか、考えてみましょう。

特に新規事業を起こそう、ベンチャーやろうなんて考えている方は、どういう部門が必要で、どういう組織構造にしたら物事が進むのか、ぜひ考えてみるべきです。

何度でも言います。複雑にして、漏れがないように上手に作りましたということを、組織の完成、成功とは言いません、組織構造というのはとにかくわかりやすい、一つ一つの部門、方向性を決めやすい、意思決定をしやすい、そしてそれぞれの部門が変化に容易に対応できる、そうであるためには、なるべく簡単な構造にしましょう。

今回は、ぜひ「やってみてもらいたい」回です。実践にすることで大切さがわかる回。組織構造を、複雑にしすぎないことを念頭に、あるべき形をゼロベースで考える。やってみると、いろいろ発見があるんじゃないかと思います。

著者・監修者

本気のMBA短期集中講座

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