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学長・中川の研究が海外トップジャーナルに掲載されました。「クラウドファンディングを成功させるのは収益性と社会性の両立」

やさしいビジネススクール学長・中川です。

上智大・小阪玄次郎先生と共同で行った研究が、世界のイノベーション関連研究のトップジャーナル「Technovation」誌に掲載されました。私の研究の集大成です。一番実証したいことを、研究能力の全てを振り絞って解明・検証しました。すなわち、クラウドファンディングのような場において、【人々は商業性と社会性を両立している事業を支援する】ということです。

Nakagawa, K., & Kosaka, G. (2022). What social issues do people invest in? An examination based on the empathy–altruism hypothesis of prosocial crowdfunding platforms. Technovation, 102508.

1)クラファンデータの機械学習によって、案件が扱っている「イシュー」ごとの資金調達の成功確率を推定
2)人々へのアンケートから、人はどういう「イシュー」に、社会性や、収益性を感じるかを測定

独立に行ったこの2つの分析を結合し、ごく客観性を担保した形で、人々が社会性と収益性の両方を感じている件こそが、資金調達に成功していることを検証しました。

ソーシャルなことに、現代人は興味関心をもち、自分の人生や持てる資源をささげたいと感じるようになっている。ファンディングの現場でもそうなのではないのか…が当初の問題意識でしたが、小阪先生との共同研究の中で見えてきたのは、商業性もまた重要なファクターであったということ。人々は、経済的にサステイナブルな取り組みなのかどうかも重視していたのです。

商業性、社会性ともに単独では効果は見られず、2つが同時に存在しているときのみ、ファンディングの成功は統計的に有意に高まる。この発見に至れたことを、正直、とても誇らしく・嬉しく思っています。

これについては、自分を褒めたいと思っています。今年はTechnovation2本(イノベーション分野のトップジャーナル2本)の成果となりました。10年くらい、海外ジャーナル活動を行ってきましたが、その一区切りとなる成果を挙げることができました。

人生は次のステージへ。しばらくは、社会に経営学を普及していくこの「やさしいビジネススクール」の仕事にこそ、自分の力を使っていきたいと思います。

論文サイトへのリンクはこちらです。
https://doi.org/10.1016/j.technovation.2022.102508

著者・監修者

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