中川学長が、プレジデント・オンラインの取材に答えて、ジャニーズ事務所問題のガバナンス的側面と、責任ある経営としての今後の姿勢についてコメントをしました。
ジュリー社長が辞任するだけでは”喜多川一族の呪縛”は消えない…経営学者が指摘する本当の責任の取り方
https://president.jp/articles/-/73480
■中川学長コメント抜粋
ジャニーズ事務所は典型的な同族経営と言えます。ただ、経営者が株を全て保有しているのは、資金繰りなどが順調で、需要(外部に株を買ってもらう必要)がなかったということもあるでしょう。老舗企業が多く、また長らく銀行借り入れが資金調達の主力手段であった日本においては、創業者一族が多くの株式を持ったまま継承しているケースが多い。株主の分散が進みにくかったゆえに、同族経営のデメリットである『私物化』が起こりやすい構造になっていると思います
2023・09・02プレジデントオンライン
https://president.jp/articles/-/73480?page=3
やはり同族経営の最大のデメリットは、ガバナンス(公正な経営判断のための監視)が弱くなること。そして、マネジメント能力があるかないかに関わらず、トップが血縁で選ばれてしまうという弊害もあります
2023・09・02プレジデントオンライン
https://president.jp/articles/-/73480?page=4
社長が辞任したとしても、ジャニーズ事務所の株を100%保有している状態が変わらなければ、新しい代表取締役を指名できることになる。影響力を保ったままの形だけの退任には意味がありません。しかし、株式を手放して会社を去り『私はもう関係ありません』というスタンスを取るなら、それも責任放棄に等しいですよね。
2023・09・02プレジデントオンライン
ビッグモーターの問題もそうですが、ガバナンス不全に陥った組織が問題の根本解決や過去の清算を行わずに事業活動を続けている限り、責任を果たしたとは言いがたい。現社長がすべきなのは、辞任せずにきちんと会社の幕引きをすることだと思います。もちろん所属タレントやファンクラブ会員への対応も含めてということですが……。それはそこまで難しいことではなく、例えばアイドルは他の事務所に移籍してもいいし、グループごと独立して自分たちで会社を作ったっていいはずなんです
https://president.jp/articles/-/73480?page=5
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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