フリーミアム
Freemium
- 無料版で人を集め、一部のコアユーザーから集金するビジネスモデルのこと。
- 一部機能を有料化するかたちや、「ガチャ」や「アイテム」に課金するかたち、広告モデルで稼ぐかたちなどがある。
無料にすることによる利用者のすそ野を広げることと、有料版への移行を促すことの2つを同時に行う
関連ワード
フリーミアムとは
「基本無料」の普及力は爆発的です。1円もかからないのであれば、誰しもがまずは手に取ってみようとするからです。この無料が持つ訴求力を武器に認知を広め、そのうちの数%を有料へと誘導することで、事業を成立させるのです。
2000年代頃から、オンライン空間上、特にゲーム等から広がりました。ユーザー数を集めるために基本無料で提供し、アイテムなどで課金します。今日では、ビジネス用ソフトでも基本無料のものが登場するようになっており、一般的なビジネスモデルとして定着しました。
FacebookやGoogle、YouTubeが広告料収入で大きな成功を収めていることはよく知られていますが、その成功があまりにも目を引くがゆえに、広告料モデルは儲かりやすいという誤解があります。現実には、長い期間にわたってユーザーを惹きつけ続け、十分なユーザー数を確保して広告収入を得られている事例は、思いのほか多くありません。Twitterですら十分な収益を上げられてはいないことを知っておきましょう。
事例紹介
食べログ
■飲食店専門のユーザー口コミ評価サイトである食べログは、2005年のサービス開始から基本的に無料です。現在では、近隣の美味しい店舗探しの標準ツールとして広く世の中に広まっており、月間利用者数は1億1000万人を誇ります。同様のサービスの中では圧倒的なシェアを獲得している人気のサービスです。
■そのうち有料会員は126万人です。有料会員になると無料会員では5位までしか見られなかったランキングがすべて見られるようになり、口コミ数や点数順などでソートもできるようになります。また、無料会員より割引率の高いクーポンが使えるなどのメリットもあります。さらにそうした機能が30日間無料で試せるというのも無料会員が有料会員になる心理的ハードルを下げる効果を担っています。
■基本無料にすることで広く世の中へ普及させること、そこからヘビーユーザーへ有料会員化の誘導をすること、その両方を上手にバランスしたフリーミアムモデルの好例といえるでしょう。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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