官僚制
Bureaucracy
- 官僚制とは、組織を管理・支配するシステム。
- 厳密なルールと権限、属人性を排することで、権威やカリスマに依らずに組織をコントロールできる。
- 官僚制の元では、厳密なルールに沿って物事を進めるので効率が良い。権限の所在が明らかなので指揮命令系統が明確である。スキルがあれば誰であっても職務にあたることが可能である。
個人の判断に左右されることなく業務を遂行したいとき、秩序ある組織を作りたいとき、人間関係の摩擦を防止するときに有効
関連ワード
官僚制とは
現代社会のあらゆる組織の基本設計となっているものです。公務員組織などに限定されません。
中世までは、伝統・家柄や、あるいはカリスマ的個人崇拝が社会の基本支配手段でした。しかし、そこには支配の合理的根拠がありません。そうした状況を打破して、近代に生まれたのが合法的支配です。人々が、民主的にルールを作り、民主的にリーダーを決めて、自分たちで所属すべき組織を選び、選んだからにはそのルールとリーダーに従う…という仕組みです。
その近代組織の基本形こそが官僚制です。だからこそ、個人の専横を防ぐために属人性が排され、人々に平等な仕組みであるために、厳密なルールが設けられ、それぞれの役職に厳密な権限の範囲が設定されるのです。
正しく機能する限りにおいては、平等で民主的な仕組みですが、正しく機能しなくなるリスクは小さくありません。組織が硬直化したり、誰もが得をしない悪平等な仕組みになってしまうこともあります。
事例紹介
スターバックス
■スターバックスが世界中どこでも同じ味、同じサービスを提供できるのは徹底的な官僚制機構の運用の賜物です。
■全世界で安定したオペレーションを行うためには、マニュアル化と権限の明確化、属人性の排除が必要不可欠となります。
■スターバックスには世界共通の厳格なルールがあり各職位の役割が明確になっているため、店員・店舗に個性を発揮させません。結果として、世界中どこでも均質に高いサービスが実現できているのです。
■他にもマクドナルド、トヨタ、リッツ・カールトンなど、世界中で高い品質のサービスを提供している企業は軒並み厳格な官僚制機構が機能しています。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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