SWOT分析 (SWOT analysis)
- 企業が置かれている状況を、内部要因か外部要因か、良い要因か悪い要因かという2軸4象限に整理する
- 内部の良い要因=強み(Strength)、内部の悪い要因=弱み(Weakness)、外部の良い要因=機会(Oppoerunity)、外部の悪い要因=脅威(Threat)。この4語の頭文字を並べて、SWOT(スウォット)と呼ぶ
偏りのない客観的・中立的な視座から企業の今を捉えるための方法であり、思考の基本姿勢でもある。
関連ワード
- ポーターの5要因分析
- バリューチェーン分析
- VRIO分析
SWOT分析とは
経営戦略を立てる際の「分析」における基本的手法、視座になります。バランスよく、内側・外側の要因と、良い・悪い要因それぞれに目配せをして、偏りなく現状をみます。
カジュアルに使えることが魅力の手法です。自分一人で、グループで。今置かれている現状をパッと確認するうえで非常に便利な方法として知られます。
これは良い要因なのか悪い要因なのか、内側か外側か…に気を配る必要はあまりありません。大切なのは分類を上手く行うことではなく、そこから戦略を立てることです。その意味で、表をきれいにまとめることよりも、表に書き出されたものを土台に、いま何をすべきかを考えることに重点を置くと効果が上がりやすいです。
内部分析をより深められるバリューチェーン分析やVRIO分析、外部分析を深めるためのポーターの5要因分析などをまず行い、それをSWOTに落とし込むことで精緻な分析が可能となるのです。
事例紹介
アサヒスーパードライ ビール産業での大逆転
■1980年代まで長らく日本ではキリンビールが圧倒的首位でした。そこを切り崩したのが、1987年から登場したアサヒスーパードライです。この成功によりアサヒビールは2002年に歴史的な首位逆転を実現します。
■アサヒビールは、他社にない強み(S)として純度の高いドライビール技術を確立していました。一方、ブランド力や酒屋への流通チャネルが弱い(W)Wという弱点を抱えていました。外を見れば、スーパー・コンビニなどの新しい流通が登場してきており(O)、一方で若者のビール離れという問題も生じていました(T)。
■こうした状況分析を踏まえ、アサヒスーパードライは、旧来のオジサンが飲む苦い飲料というイメージを刷新し、若者向けに「キレ」を強調した味で、スーパー・コンビニを中心に販売していく戦略を採用し、弱点を克服、強みを生かした戦い方で成功を収めたのです。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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