QCD（品質・費用・納期）
Quality, cost, and delivery
- 品質（Quality）、費用（Cost）、納期（Delivery）の3要素のことで、古くから生産管理分野における基本指標となっている。
- 今日では、製品開発や、ビジネスモデル全体の設計においても、QCDを最善のバランスに整えることが成功の鍵となっている。
品質ばかりを重視しない。同様に、コストや、納期など特定の1つに固執せずバランスよく見る。
関連ワード
QCDとは
もともとは製造現場の概念で、互いにぶつかり合いやすい品質・費用・納期の3要素のバランスをとった生産活動が望ましいとされました。今日ではQCDの概念は幅広く製品開発や新事業構想にも応用され、気がつけばバランス感覚を失いがちな中で、全体最適を考えることの大切さが説かれます。
たとえば映画やゲーム制作ではこだわりの強い専門人材が揃う中で、品質ばかり高め過ぎないで、うまく予算内に収めることや、納期に収めることも求められます。あるいはファストフードのオペレーションにおいてはとにかく安く、早く提供することばかり考え、品質を犠牲にしては顧客が離れてしまいます。
顧客にとっての最適点探しが大切となります。そしてそれは、日々、変わり続けていくため、常に顧客の声をチェックしていくことが大切となるのです。
事例紹介
オービック
■オービックは「弥生会計」や「奉行シリーズ」などでおなじみの総合業務ソフトウェアの老舗ですが、独自の経営を行っている企業です。
■業務ソフト業界では、ソフトをクライアント向けにフルカスタマイズすることが一般的です。しかしフルカスタマイズは品質こそ望んだ通りのものが得られるかもしれませんが、非常に時間もかかり、またその分のコストもかかってしまうのがネックとなります。
■そういった業界の中であえてパッケージで提供することがオービックの経営の特徴です。既に確立されたパッケージを土台とし、顧客向けには若干のカスタマイズを行います。それにより、品質を安定させ、コストを抑えるとともに、業界でも異例の短納期を実現しています。競合に突出するQCDパフォーマンスで、システムインテグレーション業界では圧倒的に高い利益率76％を誇っています。
著者・監修者
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1982年生。経営学者／やさしいビジネススクール学長／YouTuber／東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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