同調圧力
Peer Pressure
- 集団の一員となることで、自分では考えずに他の個体についていこうとする習性は多くの生物で見られる。グループシンク「集団思考」と呼ばれ、人間にも見られる特徴である。
- 人間の場合、さらに「場を乱さない」「相手の機嫌を害したくない」「悪者になりたくない」といった心理が働き、同じであることがいっそう集団的に強く求められることがある。これを同調圧力という。
和を重んじる文化ゆえ、日本では同調圧力が働きやすい
関連ワード
同調圧力とは
イワシの群れや、仲間が飛び込むのをみて自分も飛び込むペンギンのように、生き物には群れの他の個体の様子をみて自分の行動を決める習性が多くみられます。社会的動物と呼ばれる人間ではその傾向はより顕著になり、多少の異論があってもときには明確な反対意見があっても、他の人の意見に流されてしまうのです。
和が重んじられる社会文化や組織の中では、この傾向はより顕著になります。それは決して心の弱さでもなく悪しき慣習でもなありません。調和を重んじたいとする人の自然な心理ゆえなのです。
しかし、それが変化を阻むものとなるのは事実です。誤っていることを誤っていると言い出せなくさせることになってしまいます。私たちは生来、同調圧力を感じる生物であり、和が尊ばれるからこそそれが強化されることを知ったうえで異能、異論、変化を受け入れる姿勢が求められるのです。
事例紹介
NASA チャレンジャー号爆発事故
■1986年、アメリカ合衆国のスペースシャトル・チャレンジャーが打ち上げから73秒後に分解し7名の乗組員が全員死亡しました。
■事故の根本原因は、NASAの組織文化や意志決定過程にありました。NASAの幹部はすでに1977年の段階で機体に致命的な欠陥があることを知っていました。たびたび、欠陥部位について小さな事故が起こっていったことも知っていました。また、当日朝の異常な低温が打ち上げに及ぼす危険についても技術者たちから警告を受けていたのです。
■しかし、幹部の対面を重視したことで問題は握りつぶされました。誰もそれについて反対をすることもできませんでした。こうして発射既定路線として進めたことで重大な事故となってしまったのです。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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