NFT
Non-fungible Token
- 非代替性トークン。デジタル財に付けられる固有IDのこと。
- ブロックチェーン技術を使い、IDの複製を著しく困難にすることで、デジタル財の所有権を明確にできる。
- リアル空間であれば「誰のものであるか」は明確であった。それをデジタル空間でも可能にするという意味で、デジタル上でもリアルと同様の財取引を可能にした画期的技術。
何にどう応用するかの競争が起こっている
関連ワード
NFTとは
ブロックチェーンが生み出したもう1つの新技術が、NFTです。インターネット空間上の商取引が完全に技術的に保証されるなら、これまで不可能だったデジタル財の所有権を明確にすることが可能になります。
これまでインターネット上では容易に複製をすることが可能でした。どれだけ複雑なコピーコントロールを行おうとも、それが破られればいくらでも勝手に複製することができてしまいます。そのため、デジタル財の生産者は、対価を得ることが著しく困難になってしまいます。事実、ミュージシャンやイラストレーターはデジタル空間での複製で経済出来打撃を受けています。
しかし、NFTを用いればあるデータの所有権が、いま誰にあるのかを厳密に管理できます。その人が望めばネット空間上でそのデジタルデータの流通も止められます。もちろん、自由な複製を許可することもできます。リアル空間であれば当たり前であった「これは●●さんの持ち物」をインターネット上で実現せしめた画期的技術なのです。
事例紹介
NBA Top shot
■現時点でもっとも成功しているNFT事業のひとつ。2020年スタート。アメリカのプロバスケットボールNBAのプレーシーンのハイライトを切り取ったデータがカードとして販売されています。集めたカードの数量はそれぞれに決められており、レアカードは数千万円で取引されています。
■これまでであれば、NBAスタープレーヤーのプレーシーンはウェブに出回ればいくらでも複製できてしまうため、その価値を担保することができませんでした。しかし今後は、ウェブ上に出回る画像にトークンIDを付けることで、所有権者がデータの流通を制御できるのです。
■リアル空間では当たり前に行われる「カードを所有する」ということや、「売買する」ということ。この当たり前のことが、ようやくインターネットでも実現できるようになったのです。NBA Top Shotはすでに売買総額1000億円を超えており、新時代の幕開けを告げるものとなっています。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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