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「動機付け」ビジネス活用術:心理学と組織論で理解する

目次

動機付け

Motivation

  • 個人を動かす力、ひいては組織を動かす力の原点となるのは、心がそれを実行しようと思うこと。すなわち、動機:モチベーション。
  • 人間の基本的な動機は「お金がもらえるから」。ただし、人の複雑な心理を満たすためには、マズローの欲求段階説などに代表される、様々な動機を満たすことが大切になる。

動機付けの理論は数々あるが決定版はない。相手にとって適切かどうか考えながらきめ細やかに対応する必要がある

関連ワード

動機付けとは

 電気やガソリンが供給されれば動く機械とは違って、私たちはカロリーを摂取しただけでは行動できません。高度に発達した脳をもつ人間は、自ら意思決定しなければ行動できないのです。この意味で、個人の行動、ひいては組織の動作の起点となるのが、動機です。

 動機付け理論には様々なバージョンがあります。最も有名なものはマズローの欲求段階説でしょう。人間は動物的な生理的欲求、安全欲求からはじまり、関わり合いが欲しいという社会的欲求、認められたいという尊厳欲求へと進み、最後には自己実現したいと欲求をもつ、というものです。

 ただし、科学的な「決定版理論」は動機付け理論には存在していません。その重要な理由は「私たちは一人一人、違っているから」です。人によっては、お金を稼ぎたいが動機になるし、また別の人にとっては、楽しみたい、が動機になります。マズローの理論なども、「人間とはこういうものだ」と理解するよりも、「自分はどうかな?」と考えるための起点とすべきものです。

動機付けのビジネスへの影響(生産性、従業員満足度、離職率)。

動機付けは、ビジネス運営の核心的な要素と言えます。その影響力は特に、生産性、従業員満足度、そして離職率の3つの領域で明確に見られます。生産性とは、資源(時間、労力、資本など)をどれだけ効率的に利用して成果を上げるかという指標です。動機付けが高い場合、タスクは効率的に完了し、作業品質も向上、成果も短時間で実現します。これはビジネスの成長と成功に直接貢献します。

同様に、従業員の満足度は、高い動機付けと密接な関係があります。高いモラル、エンゲージメント、職場での積極性、そして協力的なチームワークが、従業員満足度の上昇として現れます。逆に、動機付けが低いと、職場の不満やストレスが高まり、満足度は低下します。

最後に、離職率という観点からも、動機付けは企業にとって非常に重要です。従業員が高い動機付けを持つと、彼らは仕事に対する熱意とチームに対する結束感を強く感じ、その結果として、離職率が低くなります。

総じて、動機付けを高める手法—明確な目標設定、フィードバック、成果への報酬、そして職場環境の改善—は、これら三つの領域でポジティブな影響をもたらし、ビジネス全体のパフォーマンス向上に寄与します。

チームメンバーが何を求めているか

動機付けとは、個人や組織を行動に移す原動力です。その根底には、人が何を実行しようとするのか、すなわち「モチベーション」があります。最も基本的な動機は「報酬」であり、多くの場合「お金」です。しかし、人間の心理は複雑で、単に報酬だけでなく、多面的な欲求が存在します。

マズローの欲求階層理論

ここで、マズローの欲求階層理論が参考になることが多いです。(この理論は多くの分野で応用されていますが、文化や個人差による影響も考慮する必要があります。)この理論によれば、人間は基本的な生理的欲求から自己実現に至るまで、複数レベルの欲求を持っています。

アブラハム・マズローが1954年に提唱したこの理論は、人間の動機付けのフレームワークとして広く用いられています。この理論は、人間の欲求や動機を5つの階層に分けています。

  • 基本的生理的欲求: 生存に直結する基本的な欲求(食事、睡眠、健康)。
  • 安全性の欲求: 生活の安定と安全(職の安定性、健康保険等)。
  • 社会的所属の欲求: 友情、愛情、コミュニティへの希望。
  • 承認の欲求: スキルや成果の評価と承認。
  • 自己実現の欲求: 個々の潜在能力を最大限に発揮。

ただし、動機付けに関する理論やフレームワークは多数存在し、決定版はありません。それぞれのチームメンバーが何を求めているのかを理解し、それに応じてきめ細やかに対応することが成功の鍵です。最終的には、どの動機がその人にとって最も影響力があるかを把握し、その上で適切な戦略を練ることが求められます。

労働と報酬のバランス

アダムスの公正理論(公平理論)の適用

労働と報酬のバランスは、経営者や人事担当者が直面する重要な問題です。ここで役立つのが、アダムスの公正理論。要するに、人は自分が何を「出して」(努力や時間)何を「もらっている」(給与や評価)かを他人と比べるものです。もしバランスが崩れると、その不平等感が問題を引き起こします。

たとえば、AさんとBさんがいて、Aさんが頑張っても報酬が少なく、Bさんは少しの努力でよく報酬をもらっている。そうなると、Aさんはモチベーションを失い、次第に仕事のパフォーマンスが低下する可能性があります。

労働と報酬このバランスを保つこと。具体的には、報酬や評価の体系を明確にしたり、透明性を高めたりします。しかし、注意点として、公正理論は万能ではありません。なぜなら、人それぞれ「公平」と感じるポイントが違うからです。この解決策の探求は、フィードバックや社員との対話を通じて行います。

より具体的なイメージをもてるようにグリーンバーグとフォルジャーの組織的公正の原則もお伝えしておきます。

グリーンバーグとフォルジャーの組織的公正の原則

企業や団体内での公正感が個々の行動や組織の健全性にどれだけ影響を与えるかを説明したグリーンバーグとフォルジャーの組織的公正の原則は、大きく「分配的公正」、「手続的公正」、「相互作用的公正」の3つに分かれます。

  1. 分配的公正(Distributive Justice): これは報酬やリソースが公平に分配されているかに関わります。つまり、同じ努力や貢献をした人々が等しく報酬を受けているかが重要です。
  2. 手続的公正(Procedural Justice): こちらは決定プロセスが公正であるか、すなわちルールや手続きが透明で一貫しているかが焦点です。従業員は、手続きが公正であれば、不利な結果にも納得する傾向があります。
  3. 相互作用的公正(Interactional Justice): これは人々が互いにどのように扱われているか、特に上司や同僚とのコミュニケーションが公正かどうかに関連します。

要点として、これらの原則は独立しているわけではなく、相互に影響を与え合います。組織内の公正感を高めるためには、これら3つの側面をバランスよく管理する必要があります。

「仕事が楽しい」と感じる環境作り

職場の雰囲気(ハーズバーグの二要因理論)

仕事が楽しいと感じる環境を作るためにフレデリック・ハーズバーグの二要因理論(動機付け・衛生理論)を理解していると良いヒントになるかもしれません。この理論は、満足と不満足は異なる要因に起因すると主張します。

具体的には、「動機付け要因」には仕事そのもの、達成、承認、責任、昇進が関わっています。これらが充足されると、従業員は仕事に満足し、より高い業績を目指します。一方で、不満足を防ぐ「衛生要因」には、給与、作業条件、会社の政策といった外部環境が該当します。衛生要因が不足すると不満足が生じるものの、これらが満たされても満足には繋がりません。

この理論に基づいて、たとえば「カフェテリア・プラン」や「フレックスタイム制」などが開発され、従業員の満足度向上に寄与しています。要点は、仕事の「楽しさ」は動機付け要因を高めることで引き出せる一方、不満足を防ぐには衛生要因を適切に管理する必要があるということです。この二つの要素をうまくバランスさせることが、仕事が楽しいと感じる環境作りの鍵となります。

※カフェテリアプランとは、企業が設定した福利厚生メニューの中から従業員が付与されたポイント内で好きなものを選択できる選択型の福利厚生制度です。
参考)https://corp.benefit-one.co.jp/service/bs/cafeteria_plan/

成長機会と自己決定論

仕事の楽しさを高めるためには、成長機会と自己決定理論の理解が欠かせません。これらは一見すると相反する概念かもしれませんが、実は非常に相補的です。

成長機会を提供することで、従業員は新しいスキルの習得や目標達成の喜びを感じ、仕事に対する自己効力感が高まります。ただし、挑戦が過度になるとストレスの原因ともなり得るので、そのバランスが大切です。

一方で、自己決定理論は、自主性、有能性、関連性といった人間の基本的なニーズに焦点を当てます。自主性が尊重される環境では、従業員は内発的なモチベーションを感じ、より積極的に仕事に取り組むことができます。しかし、自主性が過度に高いと、組織の方向性が失われかねません。

成功のカギは、成長機会と自己決定理論を統合することです。従業員が自分でその成長機会を選び、それに取り組むのであれば、その機会はより価値あるものとなり、持続可能な成長が期待できます。

このように、二つの要素をバランスよく組み合わせることで、従業員一人ひとりが「仕事が楽しい」と実感する文化を築くことが可能です。

仕事の意味(内発的動機付け)

特に重要なのが「仕事の意味」と「内発的動機付け」です。

仕事の意味を明確にすることで、従業員はただの「仕事」から一歩進んで、それを自分の「使命」として捉えるようになります。この変化は、従業員が仕事に高い満足度を感じ、生産性が向上する礎となります。

また、内発的動機付けは従業員が仕事に対して自発的なエンゲージメントを持つ鍵です。内発的な動機が高まれば、自然と努力や献身が増し、これもまた生産性の向上に寄与します。

重要なのは、これら二つの要素が相互に影響し合うことです。仕事に意味を感じると、内発的動機付けが高まり、逆もまた真です。この相乗効果を理解し、施策を講じることで、従業員と組織全体が「仕事が楽しい」と感じる職場環境を構築することができます。

意欲を高める目標設定とコミュニケーション

自己効力感とは、個々の社員が自分自身の能力を信じ、任務遂行に向けた自信を持つことです。つまり、自己効力感は、社員のパフォーマンスやモチベーションに大きな影響を与えます。具体的な手法としては、

  1. 明確な目標設定
  2. フィードバックの提供
  3. 成功体験の提供

があります。

自己効力感を高めるための手法として先に挙げた「明確な目標設定」「フィードバックの提供」「成功体験の提供」は、すべて意欲や動機付けにも密接に関連しています。

明確な目標設定: SMART(Specific、Measurable、Achievable、Relevant、Time-bound)な目標設定が効果的です。明確な目標は、社員が何に取り組むべきかを明瞭にし、それが自己効力感を高め、結果として意欲を高めます。

フィードバックの提供: ポジティブなフィードバックは、社員が成果に対して自信を持つことを助けます。しかし、フィードバックは批評も含むべきです。それが具体的かつ建設的であれば、改善の方向性が見え、社員は次へのステップにエネルギーを注ぐでしょう。

成功体験の提供: 小さな成功でもその価値は大きく、成功体験は自己効力感をさらに高めます。この成功体験が繰り返されれば、ポジティブな動機付けにつながります。

これらの要素を効果的に組み合わせることで、社員個々の意欲と全体のパフォーマンスを高めることが可能です。特に若い人事担当者や経営者は、これらの戦略を用いて、チームや組織にポジティブな影響を与えることができるでしょう。

SMART目標設定とやる気

自己肯定感を高め、ポジティブな動機付けを生むための具体的な手法として、SMARTという目標設定の方法があります。

SMARTは、Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant((経営目標との)関連性)、Time-bound(期限)の頭文字を取った目標設定のフレームワークです。曖昧な目標を明確な行動指針に変え、迷いなく自分ごととして捉えてもらうことで、従業員の自己肯定感と動機付けを高めることができます。

実務での具体的運用方法

  1. 具体的な目標の設定: 「売上を上げる」ではなく、「次の四半期に売上を前年同期比で10%増加させる」といった具体的な目標を設定します。状況によっては、週毎や日にち毎の単位にします。
  2. 測定可能な指標の確立: 目標達成のためのKPI(Key Performance Indicator)を設定し、定期的にチェックします。
  3. 達成可能なスコープ: 資源と時間を考慮して、現実的に達成可能な目標を設定します。
  4. 関連性の確認: 目標が組織やチームの優先事項と整合しているか確認します。
  5. 期限の設定: 目標達成に必要な期限を明確にします。

これらのステップを通じて、従業員は目標の明確化、その達成に向けてポジティブな動機付けが生まれ結果として、自己肯定感が高まり、組織全体の生産性や満足度も向上する可能性が高いです。

例えば

オンラインビジネスでの広報PR担当のためのSMART目標設定

目標1: ブランド認知度向上

  • Specific(具体的): 3ヶ月内に、企業ブログの月間訪問者数を20%増加させる。
  • Measurable(測定可能): Google Analyticsで月間訪問者数をトラッキング。
  • Achievable(達成可能): SEOの最適化とソーシャルメディアでの定期的な記事シェアで達成可能。
  • Relevant(関連性): ブログの訪問者数増加は、ブランド認知度向上に直結。
  • Time-bound(期限を設定): 3ヶ月後に結果を評価。

目標2: メディア露出拡大

  • Specific(具体的): 1ヶ月以内に、業界内の主要なオンラインメディア3社にプレスリリースを配信。
  • Measurable(測定可能): メディア露出の数とリーチを報告。
  • Achievable(達成可能): 既存のビジネスパートナーシップとネットワークを活用。
  • Relevant(関連性): メディア露出は企業の信頼性と認知度に寄与。
  • Time-bound(期限を設定): 1ヶ月後に成果を確認。

このようにSMART目標を設定することで、新人広報担当者は具体的な行動指針を持ち、結果を明確に測定する基盤を作ることができます。これは短期的な成功はもちろん、長期的なキャリア成長にも寄与します。

短期的なインセンティブ(外発的動機付け)

短期的なインセンティブは、即効性のある動機付け手段です。動機付け理論において、「外発的動機付け」の典型例です。

確かに短期的なインセンティブは、目標に対する集中力と生産性を一時的に向上させます。しかし、長期的なエンゲージメントを醸成するには限界があることを理解することが大切です。

実務での具体的運用方法

  1. 明確な目標設定: 期限やKPIを用いて、目標を明確にします。
  2. 報酬の設定: 成果に対する報酬(ボーナス、商品券、プロモーションなど)を事前に明示します。
  3. 透明性の確保: 目標と報酬の進行状況を定期的に共有することで公平性を保ちます。
  4. 成果の評価とフィードバック: 期限が来たら、成果を評価し、報酬を与えます。その後、従業員からのフィードバックを収集してプロセスを改善します。

短期的なインセンティブは、特定のタスクやプロジェクトで即時の成果を求める場合に有用です。しかし、動機付け理論に基づいて長期的なエンゲージメントや自発的な行動を促すには、内発的動機付けの要素も組み合わせる必要があります。このバランスが持続可能な成果につながります。

自己決定論と長期的なキャリアプラン

長期的なキャリアプランは、個々の成長と職業的な達成感を促進します。自己決定論に基づくと、自主性、有能性、そして関係性の三つの基本的なニーズを満たすことが内発的動機付けを高めます。長期プランはこれらのニーズに直接対応し、高いレベルのエンゲージメントと満足度を生み出す可能性があります。

実務での具体的運用方法

  1. 自己認識: 個々の強み、興味、価値観を明確にする。
  2. 目標設定: 長期的な職業目標を設定し、それに対する具体的なステップを計画する。
  3. スキルマッピング: 必要なスキルと研修計画を明確にする。
  4. 進捗の追跡と調整: キャリアプランに沿った進捗を定期的に評価し、必要に応じて調整を行う。

このような方法で長期的なキャリアプランを形成することにより、内発的動機付けが高まり、持続的な成果と高い満足度が得られる可能性が高くなります。特に若手の人事担当者や経営者にとって、このようなアプローチは組織全体のエンゲージメントと生産性を向上させる鍵となり得ます。

フィードバック(企業文化とコミュニケーション)

正確でタイムリーなフィードバックは、従業員の自己認識を高め、具体的な改善点を明示します。これが結果として、従業員の成長と継続的な改善を促進するため、動機付けに直結します。

具体的運用方法の例

  1. 定期的なレビュー: 一定の期間ごと(月次、四半期ごとなど)に従業員の業績を評価します。
  2. 360度フィードバック: 同僚、上司、部下からの評価も集め、多角的な視点でフィードバックを提供します。
  3. 具体性と明確性: フィードバックは具体的かつ明確に、どの行動がどの結果につながったのかを指摘します。
  4. 行動計画の作成: フィードバックを受けた後には、改善のための具体的な行動計画を作成します。

この一連のプロセスは企業文化にも影響を与えます。オープンなコミュニケーションとフィードバックの文化は、従業員が自分自身と他者とを高め合う環境を作り出します。したがって、フィードバックと動機付けは、単なる個々の業績評価以上の価値を持ち、企業全体の成長と文化形成に貢献します。このようにして、動機付けと企業文化は互いに影響し合い、総合的な成果を生むのです。

動機付け理論と実際のビジネスケース:成功と失敗の事例

イーロン・マスク

■電気自動車企業テスラや宇宙開発企業スペースXなどを創業した実業家。彼は既に世界の長者番付1位になるほどの莫大な資産を有しており、社会的な知名度も抜群、実績も十分で一般人からするともはや働く動機などないように思えます、しかしテスラの経営に関わり続けているのはもちろん、ツイッターの買収など様々に自分が正しいと信じて行動を続けています。

■彼の行動原理をマズローの段階欲求説で考えてみると、安全欲求でもなければ、社会的欲求、尊厳欲求でもなく、ひたすらに自己実現欲求であることがわかります。明け透けにいえば、自分の作りたいように世界を作り変える、という純粋な動機のもと、行動は常に一貫しています。そんな人間であるからこそ抜群の行動力で物事を実現していけるのです。働く動機とは何かについて考えさせられる事例であるといえます。

従業員のスキル成長を促進するためのプログラム

あるテック企業は、従業員のスキル成長を促進するためのプログラムを導入しました。このプログラムは、従業員が新しいスキルを習得するたびに報酬や昇進の機会が提供されるというものです。

成功事例:継続的フィードバックと目標設定

あるテック企業では、定期的な一対一のフィードバックセッションと個々の成長目標設定を組み合わせました。従業員が短期間で達成可能な目標に取り組み、達成するたびにスキルバッジを獲得できる仕組みです。この透明性と即時性が、従業員の内発的動機付けを高め、プロジェクトの品質とスピードが向上しました。

失敗事例:トップダウンのスキル設定

別のテック企業では、上層部が決定したスキルセットを全従業員に強制した結果、内発的動機付けが失われました。プログラム自体は高度で多機能であったものの、従業員の興味や強みと連動していなかったため、習得のモチベーションが低く、成長が停滞しました。

成功事例では、従業員の自主性と成長を重視した結果、動機付けが高まりました。一方で、失敗例ではトップダウンのアプローチが内発的動機付けを損ない、効果が出ませんでした。これにより、動機付け理論がどれだけ重要であるか、また、それをどのように具体的なプログラム設計に反映させるべきかがイメージできるのではないでしょうか?

まとめ

継続的な動機付けにはいくつかの要素が必須です。第一に、意味のある目標設定が不可欠です。SMART原則に基づく目標設定は、明確性と測定可能性を提供し、これが内発的および外発的動機付けに繋がります。

第二に、フィードバックとコミュニケーションが重要です。オルガニゼーショナルカルチャーがフィードバックを容易にするかどうかも、従業員の動機付けに影響を与えます。開かれたコミュニケーションがあれば、従業員は自分がどのようにパフォーマンスを向上させられるのか理解できます。

第三に、短期的なインセンティブと長期的なキャリアプランをバランスよく提供することで、外発的と内発的動機付けの両方を促します。短期的な報酬が即時の努力を報い、長期的なビジョンが持続可能な成長を促進します。

最後に、組織全体で公正な報酬と労働のバランスを維持することが不可欠です。アダムスの公正交換理論やマズローの欲求階層理論にも触れたように、不公平な報酬体系は従業員の動機を削減します。

これらの要素が揃って初めて、従業員は「仕事が楽しい」と感じ、継続的な動機付けが可能となります。それぞれの理論と戦術がどのように連動するのかを理解し、それを日々の経営に反映させることが、持続可能な成功への鍵です。

動機づけ理論は具体的に何を教えてくれますか?

Q1:

動機づけ理論は、個々の行動の背後にある心理的要因を解説してくれます。これにより、人々が特定の行動を取るか避けるかの理由、さらにその行動を持続するためのキー要素を明らかにします。これは経営者や人事担当者が従業員を効果的に管理するための戦略を構築する際に役立ちます。

自己決定理論とは何ですか?

自己決定理論は、外的報酬や強制ではなく、個人が内発的に感じる充足感や達成感が行動の主な推進力であると指摘します。この理論を理解することで、従業員が自発的に高いパフォーマンスを出す環境を整える方法が見えてきます。

目標設定とやる気の関連性は何ですか?

目標設定は行動の方向性を明確にし、その達成に向けた意欲やエネルギーを高める手段となります。特にSMART原則(特定的、測定可能、達成可能、関連性のある、時間指定のある)に基づいた目標は、その達成可能性と測定可能性によってやる気を継続的に高めます。

動機付けをマネジメントや採用に活用する方法は?

マネジメントにおいては、従業員の個々の興味やスキルを把握し、それに適した業務やプロジェクトを割り当てることが有効です。採用面では、応募者の内発的動機を理解し、それが企業文化やビジョンとどのように合致するかを明確にすることがキーとなります。

社員の意欲を高めるテクニックはありますか?

意欲を高めるためには、まず仕事の意義を明確にし、その上で短期的な達成目標を設定します。達成した際には正当な報酬や称賛を与えることで、外発的な動機づけも促します。このように内発的と外発的な動機づけをバランスよく組み合わせることが、持続的な意欲向上につながります。

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