顧客生涯価値(LTV)
Lifetime value
- 顧客生涯価値(Lifetime Value:LTV)とは、顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益の総額のこと。
- 顧客が製品・サービスに対して愛着(顧客ロイヤリティ)を持つほど、LTVは高まる。
- 一回の購入よりも、長期間にわたる関係を結ぶことを重視すべきだと考える。
今すぐ収益を上げるのではなく、ロイヤルカスタマーになってもらい生涯にわたって関わってもらう
関連ワード
- カスタマーリテンション
- カスタマージャーニー
- 1to1マーケティング
顧客生涯価値(LTV)とは
全体の2割の顧客が企業の売上の8割を支える、とする「パレートの法則」。これはあくまで経験則であり、必ずしも当てはまるわけではありませんが、ロイヤル顧客こそが企業にとって最も重要な顧客であることに変わりはありません。新規顧客の獲得同様に、ロイヤル顧客になってもらえるように工夫をすることが肝心です。
既存顧客に対して継続的な価値提供を行っていきます。その意味では、カスタマーリテンションと相性がよいです。追加的なサービスや、様々なコンテンツなどを提供して、顧客の自社への愛着を高めていくのです。
LTV改善のための施策の鍵は、ロイヤル顧客を調べることではなく、その前の「ミドル顧客で脱落する人」にあることが知られています。ミドル顧客から離脱する人こそが、不満を抱えているからです。その人の不満・悩みにこたえていくことで、ロイヤル顧客を増やしていくことができます。
事例紹介
AKB48
■秋元康氏が2005年にスタートさせた、膨大な人数によるアイドルグループ「AKB48」は、現代の日本のアイドルシステムに繋がる、アイドルのビジネスモデルの革新でした。革新の鍵は、「ロイヤルカスタマー化」が仕組みとして高度に構築されていること。浅く広くの国民的アイドルではなく、狭く深く「推しメン」にはまっていく仕組みが構築されています。
■ロイヤルカスタマー化の鍵は、カスタマー自身に行為させ、それに対して非金銭的報酬を与えていくことです。「会いに行ける」「握手券付きCD」といった仕掛けがその典型です。カスタマーが自らの意思で積極的に行動したとき、自分の「推し」から覚えてもらえる、視線を送ってもらえるという報酬が得られる。この仕組みがアイドルにハマる「沼」という現象を生み出していくのです。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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