交渉術、win-win
Harvard-style negotiation “win-win”
- 交渉の技術も理論化されている。そのうちの代表的なものがハーバードスタイルと呼ばれるもので、win-winの名前で知られる。双方にとってメリットのある着地を目指すべきだ、というもの。
- どちらかが勝ち、どちらかが負けるスタイルでは長期的にみて双方に悪影響が出る。交渉ではつねにwin-winを目指すことが最善手とされる。
双方のトレードオフがどこにあるかを明確にし、解決できる方法を考えることに集中する
関連ワード
交渉術、win-winとは
交渉を前向きに着地させることはビジネスでも日常でもきわめて大切なスキルとなります。そのスキルの基本部分が「win-winを見つける事」です。相手の利益をしっかり確保することで、交渉相手である自分の立場が尊重・評価され以後の交渉も容易になります。相手の利益を考えることで自分もしっかり利益を得ることができるようになるのです。
ただし、交渉は一回きりではないということが重要な前提となります。双方にメリットのある交渉結果が得られたならば、あなたと相手との関係は継続していくでしょう。こうして長期的な関係が継続されていくなかで双方はより大きな価値を獲得できます。関係の長期性とそのなかで交渉が繰り返されていくことを考えれば、win-winがもっとも価値の大きなものとなります。どちらかが損をする交渉では、相手との関係は継続されず大きな利益を取りこぼすことになります。
事例紹介
新大洲本田
■コピーバイクを作っていた中国最大手・新大洲と、世界のバイクメーカー本田の合弁企業。世界各国でトップシェアを得ていた本田ですが中国だけは地場のメーカーに苦戦していました。ディーラー網の整備や部品調達網の構築が非常に難しいこと、加えて地場のメーカーが想像以上によいものづくりをしている強力なライバルだったからです。
■新大洲は中国地場でもトップの競争力をもつバイクメーカーでしたが、歴史的経緯から海外モデルの模造品を設計・製造していました。
■本田と新大洲は、ここでwin-winとなる優れた交渉をまとめました。2社による合弁を作ることで双方の問題を解決したのです。本田は新大洲からディーラー網・部品調達網を手に入れ、新大洲は本田からの訴訟を受けることなく、本田の設計するバイクを生産できるようになりました。この合弁は大きな成功を収め、新大洲本田は中国市場でトップシェアを獲得しました。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/経済学博士/関東学院大学 特任教授/法政大学イノベーション・マネジメント研究センター 客員研究員
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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