CSR/CSV
Corporate social responsibility/ Creating shared value
- 事業を長期的に成功させる最善の方法は社会との共存。
- 企業は社会から様々な資源を借りて成立している。社会に対して正しく財・サービス・適切な事業活動で還元していくことが求められる。
- 事業活動外での慈善活動も大切だが、事業活動そのものが社会にプラスのものであることが第一。
ビジョンから、具体的活動まで、一貫して社会とのよい関係を創り込んでいく
関連ワード
CSR/CSVとは
企業が優れた成果を上げるには、優れた人材、潤沢な資金、優れた部材、よき取引先、顧客との健全な関係、国や自治体との関わり合いも大切です。要するに、経営の成功には、あらゆる関係者(ステークホルダー)との良好な関係が欠かせないのです。
この事実に気づいた米国の経営学者ピーター・ドラッカーが提唱した概念がCSR(Corporate social responsibility:企業の社会的責任)です。全てのステークホルダーに対して責任ある行動をすべし、ということです。
日本でも同じ時期、松下幸之助が似たような思想に至り、日本社会に広くその哲学を唱えて回っています。
しかしその後、CSR活動は「企業のボランティア活動」のようになってしまいました。そうした慈善的な活動も大切ですが、本業の中でこそ責任ある経営が果たされる必要があります。そのため、「事業活動の中でステークホルダーとの共通の価値を追求すべし」と、マイケル・ポーターが改めて定義しなおした言葉が「CSV:Creating shared value」です。本来的には、2つは同じことを意味しています。
事例紹介
パタゴニア 製品技術・ものづくり力を活かす部久郷部品の提案能力
■ソーシャルに流れる人々を取り込み、大きな成功を収めたのがパタゴニアです。米国のアウトドアブランドであるパタゴニアは、様々な地球環境問題にフォーカスし、それらを解決するためのビジネス、投資、発信などを積極的に行っています。そのような姿勢が評価され、多くのファンに愛されるブランドへと成長しました。
■創業者シュイナード自身が有名な登山家であり、自らが愛した自然が失われていく過程を目の当たりにし、本業と慈善活動の両方で環境保全に取り組むことを決めます。例としては1% for the planet:売上の1%を地球環境のために使う、ミニマリズム推進:長く使えるよいものの提供、環境責任・社会責任あるサプライチェーンの構築などです。
■とくに現代は、「社会にとって良いこと」にお金も人材も流れる傾向があります。環境、社会、ガバナンスといったよき経営に資する「ESG投資」には、発足時点で132の金融機関が署名し、2020年2月時点で170にまで拡大。運用資産総額は、一時47兆米ドルにものぼりました。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/経済学博士/関東学院大学 特任教授/法政大学イノベーション・マネジメント研究センター 客員研究員
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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