事業ドメイン(Business Domain)
- 事業の現状の定義。事業の基本コンセプト。
- Who(誰に)、What(何を)、How(どのように)。すなわち、顧客、製品、技術の3面から、自社事業を定義する。
ヴィジョンと具体的戦略の橋渡しをするためのもの。ヴィジョンを、端的な事業のかたちとして表現する。
関連ワード
- ミッション・ヴィジョン・パーパス
- アンゾフのマトリックス
- STP
事業ドメインとは
自社は何をしている会社なのか。その端的な定義が事業ドメインです。ヴィジョンでは壮大な展望を描くことになりますし、それを土台として作られる戦略もまた詳細な計画になります。そんな中で、ブレない自社の軸を明確にするために、シンプルな表現で描かれるものなのです。
■Who:顧客は誰か。誰のために、我々は存在しているのか。
What:何を。社会に、いかなる価値を提供している会社なのか。
How:どのように。提供の具体的方法。自社の個性が出る部分。
■Howの部分の選択の幅が広く、ここをどう定義するかが、自社をどう定めるかの特徴になります。ファストフードのマクドナルドであれば(ハンバーガーを)「スピーディに、安価に、気軽に、安心に」であろうし、カシオであれば(腕時計を)「極限の環境でも信頼できる技術力で」、成城石井なら(食品を)「厳選された品々を、生活の彩りに」でしょう。会社の経営の特徴、経営陣がこの会社をどういう方向に育てたいかが出るのが、Howの問いなのです。
事例紹介
カシオ Gショック/プロトレック
■カシオの経営は、ブレることなく一貫した事業ドメインのもとで行われています。
■アウトドア好き、あるいはガジェット好きな、主として男性中年に(Who)、頑丈で多機能なデジタル時計を(What)、極限の環境でも信頼できる技術力で(How)提供しています。
■この事業ドメインが明確であるからこそ、どういう技術開発をすればよいか、どういうものづくりをすればよいか、どうブランディングすればよいか、どう営業・販売すればよいか、各部門のメンバーが迷うことなく行動できるのです。一貫した方針で全社が動いていくことができ、技術から営業まで一貫した価値づくりが行われ、顧客の高い支持を得ることができています。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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