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限定された合理性

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限定された合理性

Bounded rationality

  • 人は、その知識や計算能力に関する認知能力には限界があり、完全な合理性を持ちえないことを示した概念。
  • 昔の経済学は、人は完全に合理的な行動をすることを前提としていた。限定された合理性は、これに異を唱えたハーバート・サイモンが提唱。
  • 人は、お互いに足りない能力・知識を補って組織をつくる。人類が組織が必要とする理由、前提条件。

個人では足りない知見を補ってこその組織である

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限定された合理性とは

 人間の認知能力には限界があります。これは経営学、経済学、政治学などあらゆる人文・社会科学分野の、基本的前提です。特に経営学においては、人が組織をつくる理論的基礎となります。自分一人では全てのことを知ることはできず、判断能力にも限界があり、何よりも時間が足りません。だから、人は仕事を分担し、組織を作るのです。

 生産、販売、技術開発、人事、経理…それぞれに求められる専門性が異なります。それらの多様な仕事にこたえるため、人々はそれぞれの専門性・知識を持ち寄って、分担し合って組織として仕事をします。

 従って、組織を機能させるためには、組織に様々な専門性・知識をもった人々が集う必要があります。皆が同じ能力、同じ思考しかできないのでは、組織は機能しません。この意味で、組織は、私たちの限定合理性を乗り越えるためにこそ、認知・思考・能力の多様性:ダイバーシティを必要とするのです。

事例紹介

本田技研工業 本田宗一郎と藤沢武夫

■本田技研工業の創業者・本田宗一郎は技術力、未来洞察力、リーダーシップ、人間的魅力に溢れた人物でしたが、物を売るということにかけては当時のホンダは遅れをとっていました。

■しかし、創業から一年後、藤沢武夫が参画すると藤沢の組織構築力、財務能力により4年で従業員数は約60倍、売上高は約220倍に増えました。

■両者の足りないところを補い合えたことが「世界のホンダ」として知られる大企業にまで成長できた秘密です。

■ホンダ以外でも大きな企業の成功物語が、コンビの物語であることは偶然ではありません。ソニーの井深大と盛田昭夫、Googleのペイジとブリン、アップルのジョブズとウォズニアックなど足りない要素を補い合うことで、マネジメントは完成するのです。

著者・監修者

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