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バイアス

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バイアス

Bias

  • 偏見のこと。経済学や心理学の用語で、認知の歪みのこと。
  • 「人は見たいものしか見ない」という確証バイアスや、「これまでの経験から、与えられた情報をもとに推理を働かせてしまう」という代表制バイアスなど、心理学では有名なものでも数十にのぼるバイアスの存在が指摘されている。

人間は、思考を素早く、楽にするためにこそバイアスを作動させる。

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バイアスとは

たとえば、災害が発生した時、私たちの脳はそのショックに耐えるようつとめて日常が継続しているかのように思考します。これは「正常性バイアス」と呼ばれます。それが避難の遅れなどにつながりうるのです。

私たちの脳には固有のクセがあります。それがバイアスというもので、誰しもそれを逃れることはできません。思考能力の低さではありません。誰しもが陥る人類の脳のクセなのです。

だとすれば、判断を誤らせるバイアスから逃れるためのすべは、それらのバイアスが存在するということを知るほかにありません。知っていればあなたの脳は「人はこういうときに、こういう判断をしがちである」ということを意識的に処理しバイアスに陥らない判断ができるはずです。

逆も然りです。人々に望ましい行動をとってもらいたいならばバイアスの存在を積極活用して、人々を気づかぬうちに誘導してやればよいのです。こうした発想のことを「ナッジ」といいます。

事例紹介

シャープ

■人は見たいものしか見ようとしません。液晶テレビで一時は世界シェアの8割を得たシャープですが、「液晶一本足打法」と言われたその経営は次第に危うくなってきます。

■投資競争を仕掛けるサムスンなど海外企業に対しシャープは技術での差別化をはかりました。品質で秀でていれば顧客も自社製品を買ってくれるだろう、と。

■しかし、高度な技術が使われたシャープの製品の価格は高止まりし、ディスプレイの画質にこだわる高級品市場ではよく売れましたが、世界的には巨大な生産量を誇るサムスンやソニーの後塵を拝することになりました。

■その間もシャープは自社の液晶技術が世界一であり、技術で勝ち抜けると信じて疑いませんでした。結果、よいディスプレイを作っていれば必ず市場は取れると考え行った堺工場への5000億円の投資判断が大きな誤りとなりました。低価格品に流れた市場トレンドを読み間違えて2012年に倒産となってしまったのです。

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