クロスファンクショナルチーム
Cross-functional team
- 全社的な課題を解決するために、部門の垣根を越えて人材を集結させたチーム。
- トップダウンの改革を推進する際に有効。
- 改革の意図を理解したリーダー、社内の複数の部署から選抜された専門性の高いメンバーによって構成される。
チームの目的の明確化、クロスファンクショナルチーム間での情報共有と議論推進のスキルが必須
関連ワード
クロスファンクショナルチームとは
イノベーションを実現するには、社内外の様々な技術・アイデアが結集されるのみならず、営業・マーケティング・製造など各部門の協力も必要となります。その意味で、関係各方面の人々を集めた機能横断チーム「クロスファンクショナルチーム」が、イノベーションを実現するときの鍵となります。縦割り組織のままでは、イノベーションはうまく世に出していくことはできないのです。
クロスファンクショナルチームが機能するかどうかのポイントは、このチームに十分な権限と資源が与えられるかどうかです。なるべく会社の上部のキーマンの庇護のもとに、自由に行動できる環境を作ることが望ましいです。組織づくりとは、人を集める事ではなく、権限と資源を適切に設計することなのです。
リーダーの役割も大切です。研究の中では、民主的なリーダーよりも、自分のヴィジョンや、作りたいものが明確にある、良い意味でのワガママさ、自分なりの強い信念あるリーダーのほうが望ましいことが明らかになっています。
事例紹介
日産
■1999年、経営危機に陥った日産はフランスのルノーの傘下に入りました。そして、日産の再建のため社長に就任したのがルノーの副社長カルロス・ゴーンでした。
■ゴーン改革では、日産の各部門から中堅どころの社員が集められ、クロスファンクショナルチームが作られました。それぞれの部門がこの先どうすべきかの案を、彼ら自身に出させゴーンはそれを承諾しました。チーム結成から2ヶ月後には「日産リバイバルプラン」が発表され結成前の目標を全て一年前倒しで達成してしまいました。
■こうした取り組みの効果として、部門の垣根を超えて人材を集結させることがそれまでにあまり接点のなかった社員同士のシナジーを生み問題解決のアイデアなどが出やすくなることが挙げられます。また、現場主導で問題解決にあたらせたことも自分たちで考え決めたことであるため社員自身も納得感を持ちやすかったようです。この改革により日産はゴーン就任より3年でのV字回復を成し遂げました。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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