マネジメント・コントロール
Management control
- マネジメント・コントロールとは組織を動かすためのアプローチのことを指す。
- フォーマル・コントロールは、数値目標、マニュアル、ルール。業務の具体的な遂行方法を明瞭に説明する。
- インフォーマル・コントロールは、ヴィジョンや規範を共有することで、皆が自発的に望ましい行動をすることを促す。
末端まで行動を統一したい時にはハードコントロール、臨機応変な行動を促したい場合にはソフトコントロールが効果的
関連ワード
マネジメント・コントロールとは
組織を操作するハンドルこそがマネジメント・コントロールです。経営者は2つのハンドルを持っています。第一がフォーマル・コントロールで、数値目標やマニュアルを与えていくことで現場に指示を出します。
第2がインフォーマル・コントロールで、価値観とヴィジョンを共有することで、詳細な命令を出さなくとも、現場が判断して動けるようになります。
ただし、時にはハンドルを握る手を「弱める」ことも大切です。現場に考えさせるのです。あえて数値目標やマニュアルを出さずに自分たちで考えさせたり、あえて価値観を強くは共有せず、現場なりの考え方を尊重することによっても、むしろ狙った結果が得られる場合もあります。現場を、ひとりひとりの個人を尊重することに繋がるからです。
事例紹介
ヤクルト
■独自の販売モデルを世界にも展開しているヤクルトのヤクルトレディ。この販売モデルは、数値目標やマニュアル面を共有するフォーマル・コントロールのみならず、価値観・ヴィジョンの部分までしっかり共有するインフォーマル・コントロールに支えられています。
■全世界で約8万人にも上るヤクルトレディは「なぜこのような販売方式を採用しているのか」「シロタ株が人々の健康にどう寄与するのか」など、ヤクルトの企業精神の部分から商品知識まで現地で徹底的に教え込まれています。このような教育がヤクルトレディと購入者との信頼関係の構築を可能にし、迷いなく働けるようにするのです。
■近年では、ヨーグルトなどで有名なダノンがグラミン銀行と始めた「ダノンレディ」も、ヤクルトレディを踏襲した内容となっており、ヤクルトレディは新興国・貧困国ビジネスの一つの模範例となっています。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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