カスタマーリテンション
Customer retention
- 顧客に自社製品・サービスの利用を継続してもらうことをカスタマーリテンションという。
- 顧客が製品を使うきっかけ「トリガー」を与える。その後に顧客が行う「アクション」を、価値があり不快感のないものにデザインする。アクションに対して「リワード」を与え、さらに顧客がその製品・サービスへの関与を深めてもらうための投資「インベストメント」をしてもらう。このサイクルはフックモデルと呼ばれる。
今どうなっているかも大切だが、「これからどうなるか」という予測の視座も欠かせない。
関連ワード
- カスタマージャーニー
- 顧客生涯価値(LTV)
- サブスクリプション
カスタマーリテンションとは
継続課金(サブスクリプション)型のサービスはもとより、製品売り切り型の事業であっても、顧客が自社製品を継続購買・継続使用してくれるかが事業の成功を左右します。現代では、購買後こそを、丁寧にデザインしなければいけません。
カスタマーリテンション率は、事実上、顧客満足度そのものを示すバロメーターです。企業はもっとも重視しなければいけない値です。
トリガー、アクション、リワード、インベストメントのサイクルからなるフックモデル(hooked model、フックドモデルとも)が、カスタマーリテンションの基本的考え方です。釣り針(フック)のような形になっていること、また「うまく針にかかってもらう」ことからこの名前になっています。人間の行動はどう習慣化されるか、という行動科学の理論に基づいたモデルです。
カスタマージャーニーは購買前までのための手法、購買後はこちらのカスタマーリテンションの手法となり、両方を組み合わせることで顧客へのマーケティングの形が出来上がります。
事例紹介
ツイッター
■SNSは、継続利用してくれるかどうかが事業の根幹をなします。ツイッターは、継続させるための仕掛けがよく練られた、我々へのヒントに溢れる事例です。
■Twitterは実に容易に、アプリを開かせます。短文であるため、一切の負担感なく、ちょっとした移動中や、休憩時間に確認できます(トリガー)。アクションも容易です。思ったことを一言呟けばよいのです(アクション)。それに対し、誰もが気軽に「いいね」や「リプ」「リツイート」をしてくれます(リワード)。そんな中で馴染みのアカウントができていき、仲間たちの輪を作っていきます(インベストメント)。
■使用継続、習慣化させるための特徴を一通り備えている非常に優れたアプリです。その中毒性は、自社のビジネスの参考にできる部分を積極的に模倣・応用すべきでしょう。
著者・監修者
-
1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
詳しい講師紹介はこちら website twitter facebook youtube tiktok researchmap J-Global Amazon
専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
コメント