ペルソナ分析
Persona Analysis
- 具体的な顧客像を描き、それに合わせたマーケティング策を考えるための手法。
- ペルソナ(Persona)とは、人格、登場人物などの意味。「架空だけども、具体的な人物像」を描くものとして、この言葉が使われる。
- セグメントだけでは顧客イメージが浮かんでこないため、セグメントからより解像度を上げるために使う
直観的に作成してもよいが、可能ならばデータで裏付けをとる
関連ワード
ペルソナ分析とは
どういう製品を、どういう価格で、どんな流通チャネルで売るか。どんな広告をどういう媒体に出していくべきか。そうした具体的マーケティング策(4P)を立てていくうえで、具体的な顧客イメージは非常に助けになります。
特定の人物像を、詳細に設定していきます。高級時計ユーザーであれば、50代男性、安定した高い地位にあるお金持ちで、社会的成功者で、妻子持ち、一軒家に住み、モノに価値を置く人物で、趣味はゴルフ、など。
可能であれば、もちろんデータで裏付けをとります。だが、営業部門、販売部門の意見を聞けば、それだけでも概ね的確な顧客像が描けます。
必ずそこからマーケティング策まで立てるのが定石です。ペルソナ分析は策を立てるためのインプットであり、単独としてはほとんど意味をもちません。高級時計の例で言えば、男性的な見栄えの商品とし、価格はあえて100万円代、職人の技術で作ったことを売りにして、プロゴルフ大会に広告を出す、などになります。
事例紹介
カモ井加工紙 マスキングテープのヒット
■マスキングテープは、もともと、塗装箇所以外を汚さないようにするための保護用テープでした。はがすことを念頭にしているため、粘着力が弱いことが特徴で、仮止めなどにも用いられていました。
■マスキングテープ大手のカモ井加工紙は、2007年、3人の女性に会いました。彼女たちはマスキングテープでアートワークなどをしていたクリエーターたちでした。彼女たちの話をよくよく聞き、マスキングテープが、おしゃれ文具・雑貨としての可能性があることを見出しました。
■カモ井は、彼女たちに話を聴きながら、「雑貨好きで、自らもクリエイティブを行う女性」のペルソナを理解していきました。そうして、新ブランド「mt」の制定から、製品ライン、販売価格、流通チャネルまで、このペルソナに刺さるようにマーケティング策を定めていったのです。
■今ではマスキングテープは定番のおしゃれ文具となっており、その中心にはカモ井がいます。他のマスキングテープメーカーに先んじられたのは、一つには偶然的なクリエーター女性たちとの出会いであり、もう一つは新しい顧客像をそこからしっかり描くことができたことでしょう。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/経済学博士/関東学院大学 特任教授/法政大学イノベーション・マネジメント研究センター 客員研究員
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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