バリューチェーン分析
Value chain analysis
- 企業の内部の事業活動を要素ごとに切り分け、強み・弱点をチェックするための手段。
- 価値創造を担う「主活動」(調達、生産、物流、販売・マーケティング、サービス)と、それを補佐える「支援活動」(財務&全般管理、人事、技術開発)に分けられる。
安定して高い成果を上げられる会社は、全ての内部活動が均質に優れている会社。
関連ワード
バリューチェーン分析とは
経営戦略の、長年の実証研究で明らかになっているのは、企業が長期にわたって反映するためには、内部資源が育っていることが大切だということです。
内部資源を分析するための第1の手法が、戦略論者マイケル・ポーターによるバリューチェーン分析です。顧客に価値が届くまでの流れを、主活動と支援活動のフローとして書き出します。
「内部資源がよく育っている」という観点からは、自社の弱点を見つけることこそが肝要です。自社のどこに問題があり、早期に手を打つべきかを検討します。もちろん、強みがどこにあるのかを知る上でも有用です。
左図は製造業企業を想定した、あくまで一例です。実際の企業の形は千差万別なので、実際は、自社のかたちに合わせたバリューチェーンをまず描いたうえで、それぞれの活動の強み・弱みを分析していきます。
事例紹介
トヨタ自動車 実力を磨くことに組織が集中している、カイゼンの鬼
■自動車は総合力が要求される産業です。3万点からなる部品の全ての品質にこだわり、それらをすりあわせて性能よく、壊れにくく、安全なクルマをつくります。マーケティングやディーラー組織の競争力も求められるし、環境配慮なども大切になります。
■トヨタ自動車がこの産業で長らくリーディングカンパニーであることに不思議はありません。同社のものづくりが、積み上げられたカイゼンの産物であることは周知の事実ですが、マーケティング、ディーラー網、スタッフ部門に至るまで、徹底的に能力構築活動が行われています。
■内部の実力を磨くためには、現場こそが大切になります。トップの立てる高度な戦略で成功を収めたとしても、現場の力がついてこなければ、製品やサービスの質や価格でジリ貧になってしまいます。トップの戦略構想と、現場の実力強化、その両輪が大切なのです。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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