感性工学(秋山 正晴・感性AI株式会社)
企業側の思惑と消費者の感性は必ずしも一致するとは限りません。ただ、科学的手法を用いることで、消費者の「いいね」に近づくことができます。
手に取りたいパッケージ、質感のよい素材、居心地のよい空間など日々の生活においてふれるさまざまなものに感性を活かせるフィールドが広がっています。
講師プロフィール
1974年生まれ。1997年都市銀行に入行。都内店舗で窓口・融資業務を担当後、システム部門でダイレクトバンキング(インターネット・電話・モバイル)などの開発に従事。2005年京王電鉄に入社。経営企画部門(グループIT戦略、グループ事業計画立案、M&A)を経験。京王電鉄バスに出向後、高速貸切バス事業やMaaS(Mobility as a Service) 企画・推進などを担当。2022年6月より 感性AI株式会社 代表取締役社長CEOに就任。消費者の共感を得られるものづくりやマーケティングを目指す企業の支援を行う。趣味は温泉巡り。
科目概要
昨今の市場環境は変化が早く厳しい競争環境にさらされており、価格や機能だけは他社との差別化が難しい状況にあります。そのような中、商品やサービスの陳腐化や価格競争を避けるための新しい付加価値として感性に着目する企業が増えています。感性を客観的なデータとして取得・分析してビジネスに活かすこと、これが感性工学の根底です。
本プログラムでは、数学的な説明は極力行わず、ビジネスシーンでの活用事例に重点を置きながら、感性工学の概要について解説させていただきます。
ライブ
中川との対談!
2025年1月8日(水)20:00~
消費者の感性を知ろう~消費者行動は感性に左右されます~
今回は、「感性をビジネスに役立ててみませんか?」ということがテーマです。工学というと数学・物理をイメージして特に文系の方は「げっ!!」と思うかもしれませんが、今回は、感性という分野に興味を持ってもらうことを目的にしていますので、数式を使わず、分かりやすく全体像を説明したいと思っています。(私も文系です)
オンデマンド講義
第1回 イントロダクション
2025年1月6日(月)12:00~
・授業計画の全容
・感性工学を学ぶ意義
・感性工学とは(定義,歴史(成立背景)、全体像)
第2回 感性とは
2025年1月8日(水)12:00~
・感性の定義
・人間の情報処理のプロセス(知覚・認知・感情)
・五感の役割
・ゲシュタルト心理学
第3回 五感に着目しよう①(視覚)
2025年1月13日(月)12:00~
・光の物理的特性
・視覚の仕組み
・色の特性と感性
・視覚×感性の活用事例
第4回 五感に着目しよう②(聴覚)
2025年1月15日(水)12:00~
・音の特性 (周波数解析)
・聴覚の仕組み
・カクテルパーティー効果
・音韻と感性(ブーバ・キキ)
・聴覚×感性の活用事例
第5回 五感に着目しよう③(触覚・嗅覚・味覚)
2025年1月20日(月)12:00~
(1)触覚
・触覚の仕組み
・触覚の発展形:熱さ、痛み、かゆみ
・触感の再現(最新の技術)
・触覚×感性の活用事例
(2)嗅覚
・においの特性
・嗅覚の仕組み
・嗅覚×感性の活用事例
(3)味覚
・味の特性
・味覚の仕組み
・味覚×感性の活用事例
第6回 感性を把握しよう① ~感性の測定と分析~
2025年1月22日(水)12:00~
・感性可視化のスキーム(全体像)
・感性の測定方法
・感性データの分析方法
・分析のイメージ
第7回 感性を把握しよう② ~一連の流れをつかむ~
2025年1月27日(月)12:00~
・実施プロセス
・コンセプト・テーマの設定
・感応評価・感性評価
・分析⇒対応⇒評価
第8回 感性を活用しよう
2025年1月29日(水)12:00~
・感性に訴えかける商品開発
・感性を活用したマーケティング
さらなるアウトプットをしたい方へ
アドバンスドなチャレンジをしたい方向けに、特別な問題を用意しています。
学長からフィードバックいたしますので、ぜひ挑戦してみてください。
あわせて学長との面談を活用して、疑問質問など追加の質問もしてみてください!
参考テキスト
【概略】今回の講義内容に沿って全体をもう一歩掘り下げたい
「感性工学への招待」篠原昭・清水義雄・坂本博 森北出版 →絶版 (図書館などで確認してください)
【理論】オノマトペをはじめとした心理学的手法を中心に概念・理論を深掘りしたい
「感性情報学」 坂本真樹 コロナ社 (2,600円+税)
【事例・手法】感性工学の活用事例と手法を徹底的に網羅したい
「感性工学ハンドブック~感性をきわめる七つ道具~」 椎塚久雄 朝倉書店 (16,000円+別)
【実践】実際にやってみたい、アンケートの取得と統計的な分析手法の具体的な中身を知りたい
「人間工学ガイド – 感性を科学する方法」 福田忠彦研究室 サイエンティスト社 (3,300円+税)