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【実態調査】若者の半数が「裏アカ」を使っていた!SNSが暴く、Z世代の本音とは?

目次

Z世代:約半数の学生が「裏アカ」を保有

スマートフォンやSNSが当たり前の環境で育ったZ世代の若者たち。彼らのSNS利用実態を探るべく、関東と関西の私立大学に通う学生581名を対象に調査を実施したレポートを発表いたしました。

調査の結果、驚くべき事実が明らかになりました。

なんと、調査に参加した学生の約半数が、「裏アカ」を保有していたのです。裏アカとは、本名や素性を隠して利用する、いわゆる「隠れアカウント」のこと。多くの若者が、メインアカウントとは別に、匿名で自由に発信できる「裏アカ」を持っていました。

裏アカあり裏アカなし
279人302人

裏アカ利用者の特徴は、人生満足度が低く、悲観的、就職に不安

裏アカ利用者の特徴は、人生満足度が低い・悲観的である・大企業志向・就職が心配・仕事か趣味かで言えば趣味重視

さらに、裏アカを利用している学生の特徴を分析したところ、人生満足度が低く、悲観的で、就職に不安を感じている傾向が見られました。SNSの利用実態が、若者の本音を暴いているようです。

裏アカ利用者ってどんな人?

スクロールできます
有意確率裏垢なし裏垢あり
あなたは自分の人生にどれくらい満足していますか。10点満点で答えてください。0.016.746.28
あなたは悲観的なほうですか。楽観的なほうですか。(とても楽観的だ=5,やや楽観的だ=4,どちらでもない=3,やや悲観的だ=2,とても悲観的だ=1)0.063.062.87
数千人規模の社歴の長い大企業と、数名程度の立ち上がったばかりのベンチャ ャー企業であれば,大企業のほうがいい 、(その他の条件は全て同じとします)(とてもそう思う=5,ややそう思う=4,どちらとも言えない=3,あまりそう思わない=2,まったくそう思わない=1)0.00 3.964.24
仕事がどれだけ忙しく,楽しく,やりがいがあっても,趣味の活動は続けたい(とてもそう思う=5,ややそう思う=4,どちらとも言えない=3,あまりそう思わない=2,まったくそう思わない=1)0.044.434.57

一体、なぜ若者は裏アカを使うのでしょうか?その理由と背景にある心理について、後ほど詳しく解説します。

SNSが若者の本音を暴く

SNSの普及により、若者たちは自分の感情や意見を自由に表現できる場を手に入れました。しかし、その自由さゆえに、本音を隠さざるを得ないジレンマを抱えているのも事実です。

今回の調査で明らかになったのは、約半数の学生が「裏アカ」を保有しているという衝撃的な事実でした。裏アカとは、本名や素性を隠して利用する匿名アカウントのこと。そこでは、メインアカウントでは言えない本音が吐露されています。

裏アカを利用している学生の特徴を分析したところ、人生満足度が低く、悲観的で、就職に不安を感じている傾向が見られました。彼らは、SNSを通じて自分の弱い部分や負の感情を表出しているのです。

SNSは、若者たちの本音を引き出す一方で、その本音と向き合うことの難しさも浮き彫りにしています。匿名だからこそ吐露できる本音と、現実世界での自分との乖離。SNSが映し出す若者の素顔には、複雑な心理が隠されているのかもしれません。

信頼されるインフルエンサーランキング

好感度調査
1.とても嫌い 2~3.どちらでもない 4~5.とても好き

Z世代の若者が最も信頼するインフルエンサーは、調査の結果、ひろゆきさんでした。ネット上で積極的に発言し、時には物議を醸すこともあるひろゆきさんが、若者から高い支持を得ているのは驚きの結果と言えるかもしれません。ひろゆきさんの独自の視点と論理的な語り口が、Z世代の心を掴んでいるようです。

一方で、政治家や知識人の評価は低い結果となりました。岸田首相や、メディアで話題の落合陽一さんなどは、若者からの支持は限定的のようです。Z世代が求めるインフルエンサー像とは、一体どのようなものなのでしょうか。

調査結果を分析したところ、インフルエンサーを信頼する学生には、いくつかの特徴が見られました。彼らは、自立した生活を送り、SNS上での情報リテラシーが高く、社会や他者への関心が高い傾向にあります。

つまり、Z世代の若者は、自分たちの生活や価値観に寄り添い、社会的意義のある情報を発信するインフルエンサーに、信頼を寄せているのです。

SNSが変えた若者の価値観

部活・サークル離れ、アルバイトは減少

SNSの普及により、若者は部活やサークル、アルバイトといった従来の活動に費やす時間が減少しています。オンライン上での交流や情報収集が容易になったことで、リアルな場での活動の必要性が薄れてきているのです。

勉強時間は増加、でもSNSに費やす時間は1日2時間以上

一方で、勉強時間は1日あたり1時間以上と増加傾向にあります。SNSを通じて多様な情報に触れることで、学びへの意欲が高まっているのかもしれません。しかし、SNSに費やす時間は1日平均2時間以上。勉強とSNS、バランスを取ることが重要です。

SNS利用時間の長さがもたらす影響とは

SNS利用時間が長い学生ほど、ラグジュアリーブランドへの憧れが強いことが明らかになりました。インフルエンサーの影響で、若者の消費行動も変化しているのです。一方で、SNS利用時間の長さと、他の心理や価値観との関連性は見られませんでした。

SNSが若者に与える影響は、一面的ではないようです。

裏アカの利用目的と背景にある心理

SNSが若者の生活に欠かせない存在となった今、彼らの約半数が「裏アカ」を使用しているという事実は、大きな衝撃をもって受け止められました。なぜ若者は、本名や素性を隠した「隠れアカウント」を必要とするのでしょうか。

裏アカの利用目的を探ると、そこには若者たちの複雑な心理が見えてきます。

  • メインアカウントでは言えない本音を吐露する場
  • 将来への不安
  • 人生に対する不満

友人や家族には打ち明けられない弱い部分や負の感情を、匿名だからこそ表現できる場として、裏アカは機能しているのです。

自身の環境や感情と向き合う場を求める心情

また、裏アカを利用する学生は、メインアカウントでは他者の成功や幸福に囚われずに済む一方で、自身の環境や感情と向き合う場を求めているようです。SNSは、若者たちに自分と向き合う機会を与えていると同時に、その機会を必要とする彼らの心理的不安を浮き彫りにしているのです。

裏アカの利用実態は、若者たちの本音と向き合う勇気と、そこから逃避したい葛藤の表れなのかもしれません。SNSに映し出された若者の素顔には、現代社会を生きる彼らならではの心の闇が隠れているのです。

SNSが若者の心理的不安を助長している可能性

SNSの普及により、若者たちは常に他者とつながっている状態にあります。しかし、その一方で、SNSが若者の心理的不安を助長している可能性も指摘されています。

表20 基本的な価値観,職業観および将来の展望に関する回答結果
12345
あなたは悲観的なほうですか。楽観的なほうですか。(とても楽観的だ=5,やや楽観的だ=4,どちらでもない=3,やや悲観的だ=2,とても悲観的だ=1)621599915858
社会課題を解決できるが薄給の仕事と,社会的に良いとはされないが高給の仕事であれば,社会課題を解決する仕事のほうがしたい(とてもそう思う=5,ややそう思う=4,
どちらとも言えない=3,あまりそう思わない=2,まったくそう思わない=1)
3810416716265
高い収入を得られるならばハードな仕事でも頑張りたい(とてもそう思う=5,ややそう思う=4,どちらとも言えない=3,あまりそう思わない=2,まったくそう思わない=1)2410510721189
出世したり高い地位を得るよりも,社会的評価は気にせずやりたい仕事がしたい(とてもそう思う=5,ややそう思う=4,どちらとも言えない=3,あまりそう思わない=2,まったくそう思わない=1)1376118216113
一人でやり遂げられる仕事と,仲間とチームワークでやり遂げる仕事だったら,一人でやり遂げる仕事のほうが好きだ(とてもそう思う= 5.ややそう思う=4,どちらとも言えない=3.あまりそう思わない=2、まったくそう思わない=1)2813815114475
数千人規模の社歴の長い大企業と,数名程度の立ち上がったばかりのベンチャー企業であれば,大企業のほうがいい(その他の条件は全て同じとします)(とてもそう思う=5,ややそう思う=4,どちらとも言えない=3,あまりそう思わない=2,まったくそう思わない=1)1664136188132
老後がとても心配である(とてもそう思う=5,ややそう思う=4,どちらとも言えない=3,あまりそう思わない=2,まったくそう思わない=1)377893165163
よい会社に就職できるか, とても心配である(とてもそう思う=5,ややそう思う=4,どちらとも言えない=3,あまりそう思わない=2,まったくそう思わない=1)234039164270
将来的には,結婚など,パートナーと一緒にくらしたい(とてもそう思う=5,ややそう思う=4,どちらとも言えない=3,あまりそう思わない=2,まったくそう思わない=1)193658128295
仕事以外の社会活動にも積極参加したい(とてもそう思う=5,ややそう思う=4,どちらとも言えない=3,あまりそう思わない=2,まったくそう思わない=1)2610215918267
仕事がどれだけ忙しく,楽しく,やりがいがあっても,趣味の活動は続けたい(とてもそう思う=5,ややそう思う4,どちらとも言えない= 3,あまりそう思わない=2,まったくそう思わない=1)51229151339

今回の調査では、裏アカを利用している学生の特徴として、人生満足度が低く、悲観的で、就職に不安を感じている傾向が明らかになりました。これは、SNSが若者の自尊心や人間関係に影響を与えている可能性を示唆しています。

SNSでは、他者の成功や幸福を目にする機会が多くなります。友人や知り合いのハイライトシーンばかりが投稿される中で、自分の現実の生活と比較し、劣等感を抱いてしまう若者もいるのです。特に、自尊心の低い若者ほど、SNSでの他者との比較に敏感であり、心理的不安を感じやすいと言えます。

また、SNSでの人間関係は、広く浅いつながりになりがちです。多くの「友達」がいても、本当に心を開ける相手は限られています。オンライン上のコミュニケーションでは、表情やしぐさ、声のトーンなどの非言語的な情報が欠如するため、誤解が生じやすく、深い人間関係を築くことが難しいのです。

さらに、SNSでは、他者からの評価や反応が可視化されます。「いいね」の数や、フォロワー数など、数値化された指標が一人歩きし、若者たちのセルフイメージを左右してしまうのです。他者からの承認を過剰に求める傾向が、若者の心理的不安を高めている可能性があります。

SNSは、若者たちに自分と向き合う機会を与えていると同時に、他者との比較や承認欲求から生じる心理的不安を助長しているのかもしれません。裏アカの利用は、そうした不安から逃避したい気持ちの表れなのかもしれません。

SNSが若者の心理に与える影響について、より詳細な研究が求められています。同時に、若者たちがSNSと健全な関係を築くためには、メディアリテラシー教育の充実や、オフラインでの人間関係の大切さを再認識することが重要だと言えるでしょう。SNSに振り回されることなく、自分らしく生きるための処方箋が、今の若者たちには必要なのかもしれません。

Z世代の将来はどうなる?

  • 起業したい32%
  • 人気職種は、IT、公務員、金融、クリエイティブ

変化の激しい現代社会を生きるZ世代の若者たち。彼らの将来像は、従来の価値観とは大きく異なるものになりつつあります。

調査では、起業家精神を持つ学生が増加傾向にあることが明らかになりました。Z世代は、自分の可能性を信じ、新たな価値を生み出すことに積極的なのです。既存の枠組みにとらわれない発想力と行動力が、彼らの強みと言えるでしょう。

また、将来就きたい職業のランキングでは、IT、公務員、金融、クリエイティブが上位を占めました。安定よりもチャレンジを、組織よりも個人の力を重視する価値観が浮かび上がります。Z世代は、自分らしいキャリアを追求することに躊躇いがないのかもしれません。

Z世代が求めるワークスタイルは、フレキシビリティとオートノミーを重視するものだと言えます。固定された働き方ではなく、自分のペースで、自分の裁量で働くことを望んでいるのです。また、仕事とプライベートのバランスを大切にし、趣味や学びの時間を確保することも重要だと考えています。

価値観の面では、Z世代は社会課題の解決に関心が高く、社会的意義のある仕事をしたいと考える傾向があります。お金よりも、自己実現やワークライフバランスを優先するのです。また、多様性を尊重し、他者との協働を重んじる価値観も特徴的です。

SNSの利用が、若者のキャリア観にも影響を与えていることは間違いありません。情報の選択と発信に長けたZ世代は、SNSを通じて自分の可能性を広げ、新たなチャンスを掴もうとしているのです。

社会の変化に柔軟に適応し、自分の力で未来を切り拓こうとするZ世代。彼らの挑戦は、これからの社会を大きく変えていくことでしょう。一方で、彼らの価値観やワークスタイルは、従来の企業文化や雇用システムとは相容れない部分もあるかもしれません。Z世代の可能性を最大限に引き出すには、社会全体で彼らの価値観を理解し、受け入れていく必要があるのかもしれません。

専門家の見解

アテンションエコノミー時代の若者の情報選択

現代社会は、情報があふれるアテンションエコノミーの時代だと言われています。SNSには膨大な情報が氾濫し、若者はその中から自分に必要なものを選び取っていかなければなりません。限られた時間と認知リソースを活用し、効率的に情報を取得する力が求めら彼らなりに精一杯対応しているのです。

今回の調査結果から、若者がインフルエンサーを支持し、裏アカを利用する行動は、膨大な情報の中から、自分にとって価値のある情報を選択し、効果的に発信する。という合理的なアプローチの表れだと考えられます。それがZ世代の生存戦略なのかもしれません。

SNS利用行動の質的側面に注目すべき理由

SNSが若者の心理的不安を助長している可能性も指摘されていますが、SNS利用時間の長さと、ラグジュアリーブランドへの憧れとの関連性は明らかになりましたが、他の心理や価値観との関連性は見られませんでした。

このことは、SNS利用行動の影響を探るには、利用時間という量的な側面だけでは不十分であることを示唆しています。むしろ、若者がSNS上でどのような情報に触れ、どのような人々と交流しているのか、質的な側面に注目することが重要なのです。

今後、やさしいビジネス総研では、SNS利用行動の質的側面に着目し、若者の情報との付き合い方や、心の健康への影響を多角的に研究していく方針です。アテンションエコノミー時代を生きるZ世代の実態を明らかにすることで、彼らの可能性を最大限に引き出す方策を探ることができるはずです。

まとめ:SNSが映し出すZ世代の素顔と、これからの若者支援の在り方

SNSの利用実態が暴いた、Z世代の素顔。彼らの半数が利用する裏アカからは、将来への不安や、人生への不満が見えてきました。一方で、信頼されるインフルエンサーのランキングからは、Z世代が求める情報や価値観、社会への鋭い問題意識も浮かび上がりました。

Z世代のSNS利用行動は、現代社会の課題を浮き彫りにしていると言えるでしょう。情報過多の時代を生きる彼らは、膨大な情報の中から自分に必要なものを選び取り、発信していかなければなりません。その過程で、心理的な不安や葛藤を抱えている若者も少なくないのです。

しかし、Z世代の挑戦は、新たな時代を切り拓く原動力にもなり得ます。彼らのフレキシブルでオートノミーを重視するワークスタイルや、社会課題の解決に向けた価値観は、これからの社会に必要不可欠なものだと言えるでしょう。

これからの若者支援には、Z世代の価値観やSNS利用行動を深く理解することが求められます。彼らの声に耳を傾け、心理的な不安に寄り添いながら、その可能性を最大限に引き出していく必要があるのです。同時に、SNSと向き合う力を育むメディアリテラシー教育や、オフラインでのコミュニケーションの大切さを伝えていくことも重要です。

社会全体で、Z世代の多様な価値観を受け入れ、彼らの挑戦を支えていく体制を作ることが、これからの時代を生き抜くためには不可欠なのかもしれません。Z世代のSNS利用行動は、私たち一人一人に問いかけています。彼らと共に、これからの社会をどう作っていくのか。その答えを、私たちは真摯に探究していかなければならないのです。

Z世代の可能性を信じ、彼らとともに歩んでいく。それが、これからの若者支援の在り方だと、私は考えています。SNSが映し出したZ世代の素顔に、私たちは真摯に向き合っていきたいと思います。

著者・監修者

本気のMBA短期集中講座

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