心理的安全性
Psychological safety
- 心理的安全とは、メンバーが「チーム内で、対人関係におけるリスクをとっても大丈夫だ」と信じられる状態。
- 心理的安全があること、率直に改善案が言える、疑問点を質問できる、上司も指導を行いやすくなる。「率直に話せること」こそが心理的安全性。
- 仕事に求める基準が高くないと、単なるヌルい職場になる。
仕事に求める水準は高く、のんびりぬるま湯的な雰囲気を作ることとは異なる
関連ワード
- ダイアログ(対話)
- ダイバーシティ&インクルージョン
- 心理資本
心理的安全性とは
心理的安全とは、気楽に働ける職場、倒産のリスクがない職場、ではありません。「なんでも質問ができる、何でも意見ができる、それが場を壊さない職場」です。職場のパフォーマンスは結局これに尽きることが、研究ではたびたび検証されてきました。
重要な関連概念が、仕事に要求される基準です。仕事の要求基準が低ければ、どうしても「ヌルい職場」になりがちだからです。あくまで要求基準は高く、それを達成するためによく話ができ、誰にでも質問ができる場こそが、あるべき「学習する職場」となるのです。
心理的安全はちょっとしたことで低下しがちであることで知られます。いらいら不機嫌で働いている人がいる、嫌味を言われる、大声で怒鳴られる…そうしたことが「言い出しにくくなる」雰囲気を作ってしまうのです。だが、それを属人的な「●●さんの問題」にしないのも、心理的安全作りでは大切なことです。人と人は繋がり合っています。誰かが問題行動をとるのも、それを生み出す「場」の問題ととらえ、犯人探しをせず、場をよくするための方法を皆で考えることから、心理的安全は作られます。
事例紹介
■Googleは、総力をあげてパフォーマンスの高いチームの特徴を調べる調査を「プロジェクト・アリストテレス」を行なってきました。2012年より世界各国のマネージャーからチームメンバーの属性とチーム内の力学について情報収集を行ったのです。
■リサーチ進めていくうちにメンバーの属性ではなく、メンバー同士がどのように協力しているかがチームの生産性に関わっていることが判明しました。優秀なメンバーを集めただけでは生産性の高いチームは生まれず、協力の仕方にこそ鍵があったのです。
■生産性工場には5つのポイントがありました。「信頼性」「構造と明確さ」「インパクト」「仕事の意味」、そして「心理的安全性」です。メンバーに対して「無知」「無能」と思われる行動をしてしまってもこのチームならば問題ないと、メンバーが思えているチームでは積極的なアイデア出しや発言がなされ、また健全な衝突も発生しそれが生産性の向上を生むことがわかっています。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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