PEST分析
PEST analysis
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- 企業の外部状況分析のうちで、もっとも外側の大構造(マクロ構造)を分析するもの
- Policy(政治・政策・法律・制度など)、Economy(国内経済・世界経済・消費動向・生産動向・投資動向など)、Society(社会・文化・トレンド・社会課題など)、Technology(業界内の技術動向、産業界全体の技術動向)、の4つの視点で自社をとりまく社会情勢を整理する。
今どうなっているかも大切だが、「これからどうなるか」という予測の視座も欠かせない。
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PEST分析とは
直接競合しているライバルや、顧客の市場トレンドのみならず、もっと大きな社会構造も、企業経営の方針を立てる上では大切となります。今後、どのように社会が変わってくるのかという大局的な視座をもつことを狙った手法です。
Policyでは、自社産業に関する規制がどう変わるのかや、国際政治情勢の影響などに目を光らせます。Economyでは、どのようなことに金が流れているのかや、景気が今後どうなるのかを検討します。Societyでは、どういったことが自社産業で社会的課題となるかなどが大切になります。Technologyでは、今後利用可能になる技術に注目します。
戦略を構想する場合のPESTは、現状把握よりも未来予測において力を発揮しますが、単に「予測する」という態度だけでなく、未来をこのように変えていく、という自社からの働きかけで未来を創る姿勢も大切になります。
事例紹介
ライザップ 2か月50万円の超高級サービスが成功した理由
■ライザップの成功はまさに大きな社会変動をとらえたものだったと言えます。ライザップが躍進した2000年代は、健康保険料の増大など、政府が健康分野について自己責任の割合を高めた時期でした(Policy)。他方で、アイドルが全盛となり、kawaiiなどの言葉も生まれるなど、外観的魅力に興味関心が向くようになり(Society)、国民全体が美容・健康に意識が高まった時代でした。
■他方で、経済情勢をみると、格差社会がキーワードとなるなど、経済力に大きな差が生じるようになり始めました。それはつまり、国民の中に一定割合は莫大な所得をもつ人が顕れているということでもありました(Economy)。
■インターネットの時代となり、人々はオンラインで何でも無料で楽しむようになりました。そんな中で、人が情緒的・肉体的に行うサービスがむしろ価値の高いものとなったのです(Technology)。こうした時代背景からすれば、パーソナルトレーニングで美容にコミットするライザップの成功は、ある意味必然であったともいえます。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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