オープンイノベーション
Open innovation
- オープンイノベーションとは、企業や大学、その他の団体などが持っている独自の技術や事業アイディア、ノウハウやデータなどを相互に見せ合い活用することで、革新的な新事業や新技術などを生み出そうとする動き。
- グローバル化や技術の高度化に伴い、自社内の経営資源だけではイノベーションを起こすことが難しくなった。その結果として、近年はオープンイノベーションを活用する傾向が増した。
目標の明確化や他社との信頼関係の構築、ネットワークの拡大、社内に残すものの見極めが重要になる
関連ワード
- 交渉学、win-win
- M&A
- 魔の川 死の谷 ダーウィンの海
オープンイノベーションとは
イノベーションのプロセスの中では、多くの新技術やアイデアが埋もれたままとなってしまいます。会社から出せるのは、ごく少数のアイデア・技術だけ。そのデッドストックとなった技術・アイデアは、他社にとっての課題解決になるかもしれません。ならば、デッドストックの技術・アイデアを企業間で融通し合うようにすれば、イノベーションは加速するはずだ、というのがオープン・イノベーションの基本発想です。
他者から技術・アイデアを入手する「インバウンド・オープンイノベーション」と、他者に技術・アイデアを提供する「アウトバウンド・オープンイノベーション」に大別されます。また、両社がお互いに技術・アイデアを出し合って、それを組み合わせる複合型も存在します。
技術・アイデア自体の売買や、企業のM&Aのほか、共同研究・共同開発というアプローチもあります。他社との交流を通じて自社の考え方の変革にも有効です。
事例紹介
P&G
■外部の意見を積極的に取り入れて成功しているのがP&Gです。同社は、2000年代前半に自社の開発体制に限界を感じ、協業を中心とした「コネクト&ディベロップ戦略」を開始。自社に必要NA技術を世界中の企業に求め始めました。
■同社はオーラルケアや美容などNOカテゴリ別に求めている技術の情報を、ウェブサイトで公開しました。そこに応募してきた企業の技術を調査し、可能性があれば共同開発に進むようにしたのです。
■そうした取り組みから生まれたヒット商品も多くあります。キッチン洗浄用スポンジ「ミスター・クリーン マジックイレイサー」の技術はドイツの化学メーカー、バスフ(BASF)が開発したものです。P&Gは、応募してきた同社の技術を精査したのち緊密な協力体制のもと新製品開発に至りました。本製品は、子どもがつけた壁のシミや床の汚れなど、硬い表面についた汚れなら全て落とせる画期的な製品となり大ヒットしました。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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