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MBAプログラムにかかる学費は?相場や形態ごとの違いを解説

MBA(経営学修士)を取得すれば、転職やキャリアアップの選択肢や可能性が広がります。MBAでは、経営やマーケティング、組織論、財務、情報システムなど企業経営に必要な知識が学べるため、次世代リーダーとしての土台作りとして有効です。

ただし気になるのが学費です。この記事では、4つのパターンに分けて必要な費用について解説します。奨学金や学ぶ先を選ぶ基準などもご紹介するので参考にしてください。

目次

MBAプログラムの4つの種類と費用相場

MBAプログラムは大きく分けて4種類のタイプがあります。それが次のとおりです。

  • 海外フルタイムMBA
  • 国内フルタイムMBA
  • 国内パートタイムMBA
  • オンラインMBA

それぞれの費用相場についてみていきましょう。

海外フルタイムMBA

海外のビジネススクールは、世界中から優秀な学生が集まってきます。進学のためには4年制大学を卒業していること、GMATやTOEFLなど合格ライン以上のスコアを取得すること、英語エッセイ(志望動機)の提出、推薦状などクリアすべき条件がいくつかあります。

海外フルタイムMBAの魅力は、世界中の優秀なビジネスパーソンとの交流、英語力やディスカッション能力の向上など。世界で活躍したいと考えている方にはおすすめです。

ただし進学のためには休職もしくは退職する必要があります。一番メジャーな留学先がアメリカ、ついでイギリス・カナダ・オーストラリアなどです。費用相場は年間7~8万ドル(1000万~1100万円/1ドル140円で計算)と高額です。それに加え、引越や住居の準備費用に100万円、テキスト代(20万円)や生活費(300万円)がかかるので、1年間で1500万円近く見積っておく必要があります。

国内フルタイムMBA

国内フルタイムMBAは、国立か私立かで費用が違います。代表的な大学院を例に学費の相場を見てみましょう。

私立大学学費目安
早稲田大学大学院経営管理研究科372.6万円(2年間)
慶應義塾大学大学院経営管理研究科443.3万円(2年間)

慶應義塾大学大学院には、Executive MBA(EMBA)というトップマネジメント・トップリーダーを育成するコースもあります。入学条件として15年以上の勤務経験が必要で、土日を中心とした授業をおこなっています。EMBAの授業料は2年間で730万円と高額です。

国立大学学費目安
京都大学経営管理大学院137万円(2年間・検定料込)
一橋大学大学院経営管理研修科137万円(2年間・検定料込)

国立大学は、入学金・授業料ともに一律。私立大学と比較すると学費は半額以下となっており、海外MBAと比べても学費の安さは断トツです。

入試に必要な科目は、小論文・出願書類・面接の3つです。出願書類には志望理由や研究計画などを記入します。小論文のような筆記試験がない大学院もあるので、事前に調べておきましょう。

国内パートタイムMBA

国内パートタイムMBAは、仕事をつづけながら国内大学院の夜間制・フレックス制で学べます。学費は夜間制であっても全日制とほぼ同じです。

私立大学学費目安
早稲田大学大学院経営管理研究科夜間336.6万円(2年間)
青山学院大学大学院 国際マネジメント研究科研究科 イブニングコース331.6万円(2年間)

夜間や土日で学べるMBAは限られているので、通える範囲に夜間でMBAを取得できる大学があるかチェックする必要があります。

国立大学学費目安
筑波大学社会人大学院国際社会科学経営学135.3万円(2年間)
横浜国立大学大学院国際社会科学府社会人専修コース135.3万円(2年間)

国立大学は、全日制と同じく費用が一律です。入学金282,000円、半期授業料267,900円となっています。私立と同じく夜間コースがある大学院は限られているので、希望の大学に夜間コースがあるか調べておきましょう。

オンラインMBA

オンライン制のビジネススクールは、仕事を続けながら学習でき、場所を選ばないのがメリットです。国内と海外それぞれオンラインで学べるMBAコースがあります。海外オンラインMBAはアメリカやイギリス以外にも、スペイン、オーストラリアなど各国さまざまなビジネススクールがあります。ここでは一例をご紹介します。

海外オンラインMBA学費目安
ウォーリック・ビジネススクール(英)5万ポンド(800万円~10,000万円)1年間で終了
フロリダ大学ウォリントン・カレッジ・オブ・ビジネス(米)5,800ドル(800万円/1ドル140円換算)2年間

国内でもオンラインでMBAが取得できるビジネススクールがあります。

国内オンラインMBA学費目安
SBI大学院大学MBA本科262万円(2年間)
ビジネス・ブレークスルー大学大学院307.5万円(2年間)
グロービス経営大学院307.8万円(2年間)

グロービス経営大学院は、土日や夜間で学べるパートタイムMBAも可能です。私立大学の全日や夜間にくらべて若干費用は抑えられます。

MBAに通うための予備校の費用相場

MBAの試験は、小論文と面接があるケースがほとんどです。その対策や準備は独学では難しいことも。試験がない場合も研究計画書の提出などが課されている場合がほとんどです。

その対策のためにMBA専門の予備校が存在します。通信講義で学べるものもあるので、無理なく学べる予備校を選びましょう。予備校の費用相場は、さまざまですが平均的な費用相場は次のとおりです。

科目費用相場
小論文対策約10万円
研究計画書対策約10万円
面接対策約4万円
総合対策約30~40万円

個別指導で週1回程度の受講で月額約5万円といった予備校もあります。対策期間は半年程度が平均なので、トータルで30万ほど必要なのは同じといえます。

予備校は、過去問や傾向の情報を持っており、独学で対策するよりも効率よく受験勉強ができるはずです。確実に合格したいと考えている方は、予備校も検討してみましょう。

MBAの学費を安くする方法

進学準備から卒業まで数百万円から2千万円も必要なMBA。すべて自己資金でまかなうには相当な資金力が必要です。そこで学費の負担を軽減できる方法を4つ紹介します。

  • 専門実践教育訓練給付金
  • 日本学生支援機構
  • 教育ローン
  • 学校独自の奨学金

順に見ていきましょう。

専門実践教育訓練給付金

キャリアアップを支援するため、厚生労働大臣の指定した教育訓練講義を受講した際の費用の一部を給付するのが「教育訓練給付金制度」です。そのなかでも労働者の中長期的なキャリアを支援するためのものが「専門実践教育訓練給付金」。

支給対象となるのは、受講開始日に同一の事業主に3年以上雇用実績がある、もしくは3年以上の雇用実績があり失業中の方です。支給額は教育訓練経費の50%(年間上限40万円)資格取得後1年以内に一般被保険者等として雇用された場合は、さらに教育訓練経費の20%分を追加受給できます。

参照:政府広報オンライン

日本学生支援機構

学業成績が優秀、かつ経済的な理由で就学が困難と学校が認めた学生は、日本学生支援機構の奨学金を受けられる場合も。奨学金には返済不要な給付型と返済が必要な貸与型があり、海外留学も対象です。

海外大学院へ留学する場合の奨学金

給付型奨学金の例月89,000円~148,000円授業料年250万円を上限とする実費額
貸与型奨学金の例月5万~15万円入学時特別増額貸与奨学金10万円~50万円

貸与の場合は無利子で借りられる第一種奨学金と利子が付く第二種奨学金があります。返済は卒業後7ヶ月目から。奨学金の申し込みには、世帯年収額による制限があり、条件に当てはまるか確認する必要があります。詳しくは「日本学生支援機構」のサイトでご確認ください。

このほか地方自治体や民間団体が設けている奨学金もあります。出願時に申請が必要なものもあるので、受験を決めたらすぐに利用できる奨学金があるか調べましょう。

教育ローン

日本政策金融公庫や民間銀行の教育ローンを利用する方法もあります。国が提供する教育ローンは、上限350万円(条件に該当したら450万円まで)の固定金利となっています。

民間銀行が提供する教育ローンは、上限額は500万円~2億円まで幅が大きいのが特徴です。どちらも審査に通過する必要があります。ローンを組む際は返済計画も立てておく必要があるでしょう。

学校独自の奨学金

学校によっては学校独自の奨学金を設定している場合があります。その一例をご紹介します。

東京大学エンデバー・ユナイテッド・ホールディングス奨学金(女性のみ)月8万円(貸与型)
神戸大学久研究奨学基金海外派遣学生費用援助・詳細問い合わせ

学校独自の奨学金は学部が指定されているものや女性のみを対象としているなど、さまざまな条件があります。申請から受給までは、ある程度の日数が必要なので、早めに検討するようにしましょう。

MBAの学費以外の選び方

MBAは学費以外にも以下の観点で探しましょう。

  • ビジネススクールの得意分野で決める
  • 在籍する講師や授業内容を見て決める
  • 授業が日本語か英語かで決める
  • 修士論文が必要かどうかで決める
  • 修了生の進路で決める
  • どこのMBA資格が取得できるかで決める
  • 学び続けられるかどうかで決める

なにを優先するかを決め、自分に合った進学先を選びましょう。

ビジネススクールの得意分野で決める

大学院によって、それぞれ強みが違います。一般的には経営戦略・マーケティング・会計・財務・人事・組織など経営の主要科目は、どのビジネススクールでも学びます。選ぶ際には、それ以外の部分に注目してみましょう。ヒューマンスキルやアントレプレナーシップに特化していたり、MOT(技術経営)やファイナンスに特化していたりなど。各ビジネススクールの得意分野があるはずです。その得意分野と自分が学びたいことが合致しているか、今後のキャリアのプラスになるのかを見極めましょう。

在籍する講師や授業内容を見て決める

在籍する講師や授業内容を見て決めるのもひとつの方法です。大学によっては著名人を講師に迎えている場合もあります。あこがれの実業家のもとで学びたいなども立派な志望動機です。ぜひ大学院のホームページやパンフレットに紹介されている講師陣の経歴をチェックしてみましょう。著書や論文を読み、研究内容に興味が持てるかなど検討します。

講師で大学を選ぶそれ以外にも、授業内容のチェックは必須です。ケースメソッド中心の授業か学生同士のディスカッション中心かなどでも得られるスキルが違ってきます。ビジネススクールによっては詳細にカリキュラムを公表しているので、確認して決めましょう。

授業が日本語か英語かで決める

海外MBAの場合は、審査内容に英語力も含まれ、TOEFLスコアなどで英語力を証明する必要があります。国内MBAでも一橋大学では、すべての授業が英語でおこなわれます。一橋大学と神戸大学では英語の筆記試験があるので、試験対策として英語の勉強が必須です。

神戸大学の場合、TOEIC730点以上で英語試験は免除されますが、入学後にはTOEFL109点(英検1級レベル)程度の高い英語力が求められます。京都大学MBAに英語試験はありませんが、TOEICスコアの添付が必要です。700点以上のスコアが求められており、進学後の学習のためには900点を目指すくらいの英語力は身につけておきたいものです。

国内MBAでも経営と英語を同時に学びたい方は、一橋大学や神戸大学、京都大学などへの進学を検討するといいでしょう。

修士論文が必要かどうかで決める

大学院修士課程を修了するためには、修士論文かリサーチペーパー(課題研究論文)の提出が必要です。一方で、起業家養成に力を入れているビジネススクールであれば、事業計画書を代わりに提出させる大学院もあります。

修士論文の有無で、授業内容や課題への取り組み、講師との関係性に違いが出ます。ひとつのテーマに深く研究したい場合は、修士論文が必須の大学院、効率的に総合力を高めたいなら事業計画書など代わりの課題を提出する大学院など。最終目的も見据えて、修士論文の有無を判断材料にしましょう。

修了生の進路で決める

ビジネススクールの実績としてわかりやすいのが修了生の卒業後の活躍ぶりです。大学のホームページやパンフレットには卒業生の事例が掲載されていることも多いので参考になります。「コンサルタントに転身したい」「起業したい」など、自身の描くキャリアに近い卒業生がいると、安心して進学できるでしょう。また、そのためには自身が卒業時にどのようなキャリアを歩みたいのか明確にしておくのも重要です。

MBA修了生が開催するイベントなどもあるので、参加して直接卒業生に質問してみるのもおすすめです。

どこのMBA資格が取得できるかで決める

アメリカの大学院であればアメリカのMBA資格、日本の大学院なら日本のMBA資格が取得できます。なかには日本でいながらオンラインでアメリカやイギリス、オーストラリアのMBAが取得できる大学院も存在します。

どのMBAの価値が高いかは、大学院によりますが、一般的に日本のMBAよりも海外のMBAのほうが評価される傾向です。どの国のどのMBAが取得できるかは事前に確認しておきましょう。

学び続けられるかどうかで決める

働きながら学ぶ場合は、本業との兼ね合いが重要です。夜の授業を受講する場合、終業後に授業に間に合うか、通学の利便性はよいか、在業など業務との両立はできるかなどが大きく関わっています。オフラインが難しい場合は、オンラインで受講できる学校を探すなど、状況に合わせた選択が必要でしょう。

まとめ

一般的なMBAプログラムは学費が高額で、場合によっては高い英語力も必要です。全日制であれば休職や退職もしなければなりません。進学には並々ならぬ決心と資金力が必要です。

やさしいビジネススクールでは、オンライン授業で場所を選ばず、好きな時間に学べます。一流大学の講師陣を迎え、リアルタイム授業も開催。受講中に直接質問も可能です。

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