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ブルーオーシャン戦略を用いた新アイデア創出の例【学生の答案から学ぶ!】

本日はブルーオーシャン戦略という概念の使い方を、実際の使い方を、学生の答案を紹介しながら、皆さんに解説していきたいと思います。

ブルーオーシャン、まあ産業界では割と普及した言葉で、「競合さんの少ない美味しい市場」というような意味でよく使います。けれども、このブルーオーシャン戦略をどう手法として実現・実践したらいいのかは、あまりご存知でないと思います。

実際これ、スッゴイ使いやすい方法なんです。なので、学生たちの答案を紹介しながら、これを学んでしまいましょう。お題は【ブルーオーシャン戦略を使って、カップラーメンのイノベーションに挑戦してみよう】。答案を紹介していきますので、なるほどこういうふうにブルーオーシャン戦略って使えばいいんだな、それを理解して下さったらなと思います。

目次

ブルーオーシャン戦略の復習

まずブルーオーシャン戦略。ざっとここで説明しておきますと、「新しい価値をお客様に提案することを通じて、通常の商品とは違う新規軸の商品を生み出す」ことです。従来の競争市場とは違う市場を切り開く。そのための鍵は、新しい価値を創造すること。

ポイントになってくるのは、価値を変える、新しい意味をそこに追加すること。ですから、ブルーオーシャン戦略がはまりやすいのは、既存商品、既存サービスが既に世の中に溢れている中で、既存商品をイノベートする場合です。レッドオーシャンがあって、ブルーオーシャンがあるわけです。まるきり新規な製品を1から作る場合は、純粋なイノベーション活動になる。ブルーオーシャンという言い方をことさらに必要とするのは、レッドオーシャンが眼前に広がっている場合です。

ここでブルーオーシャン戦略の提案者たちが考えている四つの方法が、戦略キャンバスというアプローチ。名前は覚えなくていいです。一般的すぎる名前なので…。でも手法としてはなかなか面白い。①余計な要素を取り除いてみましょう、②大胆に既存の要素を減らしてみましょう、③大胆に既存の要素を増やしてみましょう、④新しい意味合い・新しい要素を付け加えてみましょう、というやり方なわけです。

ただし、これはあくまできっかけを与えるにすぎない。それを通じて、これまでにない価値を創造すること、こちらが目的。手段と目的を間違えがちな手法であることは、気をつけましょう。

じゃあ実際この四つのやり方でどういうふうに価値を変質させるのか、学生たちが考えてくれた上手な例はこんな感じです。

●学生のアイディアその1

まず一つ目のアイディアは、新しい価値を付け加えるということですね。カップラーメンをギフトにしてみてはどうか。普通カップラーメンを贈り物になんてしないでしょうというところで、カップラーメンにギフトという新しい価値を付け加えてみる。

例えば、お湯のみ3分で作れるってことを考えたら、世界中の被災地に私達からの親愛なる感情の表出ということで、ギフトとして被災地にプレゼントをするという形にするとなってくると、一気にこのカップラーメンってものを取り巻く周りの状況が変わってきますね。

売り方はクラウドファンディングでみんなの善意を集めてお金を集めましょう。そして1人1人のこの善意の気持ちを込めて、どんなところでも食べられるものということで、カップラーメンを被災地に届けるという形で、ギフトという要素を付け加えると、カップラーメンというものが本質的に変化しうるわけです。

●学生のアイディアその2

学生が考えたアイディア2ということで紹介していきますと、今度は「減らす」を使って、カップラーメンの価値を変化させるアイディア。カップ麺から中身をガーッと減らしたらどうなるのか。カップラーメン、加薬とか麺とかいろんなものがありますけども、最大限カップ麺として必要なものだけ取り除いていったならば、スープと麺だけでいい。ひょっとしたらスープも要らないかもしれない。麺だけでいいかもしれない。

そしたら後の要素は全部カスタマイズして入れて好きに楽しんでくださいね、というアイディアが生まれる。スープの味も自由に選べます。他の具材も好きに選んでいいです。実はですね、大阪の池田の方のカップラーメン博物館では実際にそういう体験ができるんですけれども、このような形にすれば、自由にあなたの好きなカップ麺の味が楽しめる。カップ麺の味が好きって人結構多いと思うんです。自分の好きな具材、自分の好きな味でカスタマイズができるってことになったら、新しい価値がそこに生まれるんじゃないかというようなのがこの学生たちが考えてくれた二つ目のアイディアとして紹介したことです。

●学生のアイディアその3

逆にですね、めちゃくちゃ大胆に、ある種の具材を増やしてみればいいんじゃないか、こういう考え方もできますね。

カップ麺で満足いかないもの、ひょっとしたら具材の一つがチャーシューかもしれないですね。どうしても肉厚なチャーシューってのを入れたら原価割れしてしまうと、安くは作れないということで、チャーシューだけはなかなか本物のラーメンには敵わない。でも逆にチャーシューをめちゃくちゃしっかりチャーシューをドカドカ突っ込んでみたら、全然別のものとしてカップラーメンを生まれ変わらせることができるかもしれない。

そういう発想から考えてくれたのがこのチャーシューを大量に増やしてチャーシューを味わうものとして、生まれ変わらせるというアイディア、めちゃくちゃ増やすことでカップラーメンの価値を変換していくわけです。

●学生のアイディアその4

学生たちが考えてくれたアイディア、四つ目のものとしてはこんなものを紹介したいと思います。

今度は「取り除く」のアイディアなんですけども、カップラーメンから余計な物を取り除いてみよう。余計なものって何かというと、丸くてかさばる容器じゃないかと。ということで容器を取り除いたらどうなるかと考えたら、容器を取り除いたらちっちゃいカバンなんかにも入るようになるでしょうということで、容器を取り除けばどんなふうにも持ち運びやすい形が自由になったら、学生さんなるべく荷物を持ちたくないような学生さんがすっと持ち運びができるようになるかもしれないので、これはとても便利かもしれないっすね。やっぱりそこに持ち運びやすいという新しいバリューが加わっているわけです。

●学生のアイディアその5

最後にもう一つ紹介するのはもう一つ、「取り除く」のアイディアです。お湯を入れるという作業を取り除く、沸かす・入れるという作業を取り除いたら、ガスや電気を使わないとこでも食べられますよね。水さえあれば、食料になるなんてのはとっても素敵じゃないですかと。

また、元々の温かいカップラーメンとは違う味わいで、今までにリーチできなかったお客さんがこういう食べ物美味しいかもしれないと思って食べてもらえるようなかもしれない。味わいという意味でも新しい価値が作れるかもしれないわけです。

最後に

そんなわけで、もう皆さんお気づきですね。このブルーオーシャン戦略っていうのは、既存商品があるような状況で、その商品を変革させる上では結構使い勝手がいいんです。既存のものをベースにしながら、そこからつけ加えたり取り除いたり、増やしたり減らしたりしながら、価値の変換をどうやったらできるかなと考えていくと、結構いろんなアイディアが出てくる。

そんなわけで、アイディアを出していくための手段としてはかなり使いやすい方法として、皆さんにぜひですね、提案したいなと私が思ってる方法なんです。

ここでもう1回正しいポイントを押さえておくと、単に付け加えたりして、めちゃくちゃ量多ければたくさん食えるでしょうとか、減らせば安くなるでしょう。

これでは価値が変化してない。価値が変化していなければ、既存の競争軸と同じだから、ブルーオーシャンにはならないわけです。レッドオーシャンの中のまま。なのでポイントになってくるのは、価値を転換する、価値を生み出すというところまでいくこと。

この新しい価値を見出すと、とりわけ既存商品の新しい価値を見出すというときには、戦略キャンパス、ブルーオーシャンのこの手法というのは、とってもパワフルな手法なので、ぜひ皆さんには使いこなしてもらいたいと思います。

著者・監修者

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