社会人として、「もう一歩踏み出したい」と考えているなら、ビジネススクールをおすすめします。
ビジネススクールは、文字通りビジネスについて学べる学校です。
理論的かつ実践的にビジネスについて学べるので、「今よりも上の役職になりたい」「スキルを身につけたい」と考えている社会人にもおすすめ。
今回は、ビジネススクールに進むメリットや入学条件、卒業後のキャリアについて解説します。
社会人がビジネススクールに進むメリットとは?
社会人でスキルアップを検討しているなら、ビジネススクールをおすすめします。
なぜなら、ビジネススクールには、社会人のスキルアップや、視野を広げられるメリットがあるからです。
主なメリットは、以下の4つ。
- キャリアアップに必要な知識やスキルを習得できる
- グローバルビジネスの視点を身につけられる
- ネットワークを広げることができる
- リーダーシップやコミュニケーション能力の向上が期待できる
ビジネススクールで、なぜこれらのメリットを感じられるのか、以下で解説します。
キャリアアップに必要な知識やスキルを習得できる
ビジネススクールでは、経営学やマーケティング、ファイナンス、統計学、コンサルティング、リーダーシップなど、ビジネスに関連する様々な分野の知識を学べます。
また、ビジネススクールには、ビジネスにおける実践的なスキルを習得するための様々なプログラムがあるため、ビジネスに必要な要素を全て習得できるのです。
その他にも、マーケティング戦略の策定方法や財務諸表の読み方、リーダーシップやチームマネジメントなど、経営者視点のスキルも身につきます。
グローバルビジネスの視点を身につけられる
ビジネススクールでは、グローバルビジネスに必要な知識やスキルを学べます。
国際ビジネスにおける文化や法律、金融などの違いやグローバル市場でのマーケティング戦略の策定方法などまで学習できるのです。
海外留学プログラムやグローバルビジネスを専門に扱うカリキュラムなどもあるので、これまで触れた経験のないグローバル市場についても、理解を深められるでしょう。
ネットワークを広げることができる
ビジネススクールは、同じようにキャリアアップを目指す人が集まる場所です。
そのため、様々な職業や業種、地域の人々と出会えます。
ただ仲間を作れるだけではなく、将来のビジネスパートナー、顧客、同僚、上司、友人となる可能性があり、その可能性は無限大と言えるでしょう。
また、ビジネススクールには、著名なビジネスリーダーや専門家が講師として招かれるケースもあるので、通常では出会えないような人からのアドバイスや情報を得られます。
リーダーシップやコミュニケーション能力の向上が期待できる
ビジネススクールでは、グループワークやディスカッション、プレゼンテーションなどを通じて、リーダーシップやコミュニケーション能力を養えます。
リーダーシップやコミュニケーション能力は、ビジネス界で成功するための不可欠なスキルです。
社会人はこれらのスキルを磨き、自己成長を促進できるでしょう。
ビジネススクールに進むための条件とは?
ビジネススクールは、誰でも入学できる場所ではありません。
入学のためには、いくつかの条件がある上に、試験に通過しなければならないのです。
以下では、ビジネススクールに進むための条件として4つを解説します。
学歴や職歴などの基本条件
ビジネススクールに進むための基本的な条件は、大学卒業程度の学歴と社会人としての職務経験です。
ただし、ビジネススクールによっては、社会人としての経験年数や業界経験、英語力などの要件が異なる場合があるので、事前に確認しておきましょう。
多くの場合、4年制大学の卒業資格が必要です。
入学試験の種類や難易度
ビジネススクールの入学試験には以下のような種類があります。
それぞれの特徴は、以下のとおりです。
- GMAT(Graduate Management Admission Test)…ジネススクールへの入学試験として最も一般的に使われているテストの1つで、数学、英語、論理思考などの能力を問う問題が出題される
- GRE(Graduate Record Examination)…大学院プログラムの入学試験として使われているテスト。数学、英語、論理思考の他、文章力を評価する問題も多い
- EA(Executive Assessment)…社会人向けに設計された入学試験。GMATやGREと比較して問題数が少なく、出題範囲も限られている
難易度はそれぞれ異なりますが、どの試験も高いレベルの英語力と数学力が必要とされています。
また、ビジネススクールによっては出題範囲が異なる場合もありますので、事前に入学要件や試験形式を確認しておきましょう。
TOEFLやGMATなどの英語力や数学力の要件
ビジネススクールでは、英語での授業が中心となるので、英語力が必要です。
そのため、入学試験の一環としてTOEFLやIELTSなどの英語力を測るテストを行う場合もあります。
ビジネススクールによって要件は異なりますが、TOEFLのスコアは90点以上、GMATのスコアは600点以上を目安にすると良いでしょう。
推薦状やエッセイの提出が必要な場合もある
ビジネススクールによっては、推薦状やエッセイの提出が必要な場合があります。
推薦状は、学生の性格や能力、過去の実績などを客観的に評価するために必要とされるものです。
通常は、2~3名の推薦者を指定し、推薦状を書いてもらいます。
推薦者としては、直属の上司や教授などが適任です。
エッセイは、志望理由やビジネススクールへの期待、過去の経験などを自己表現するために必要とされるものです。
ビジネススクールは、学生の人柄や考え方を知るためにエッセイを重視する傾向があるので、表現力や論理的思考を養っておくと良いでしょう。
ビジネススクールの種類と特徴
ビジネススクールと一言に言っても、種類はさまざまです。
代表的なビジネススクールにはMBAがありますが、その他にもビジネススクールがあります。
以下で5つのビジネススクールの特徴について解説するので、自身に合ったビジネススクールを検討してみましょう。
MBA(Master of Business Administration)
MBAは、Master of Business Administrationの略称であり、ビジネスの専門的な知識やスキルを習得し、リーダーシップ能力を養成する修士課程を指します。
一般的に、MBAプログラムは2年間の学習期間で構成されており、ビジネスにおける基礎的な知識から、戦略的なマネジメント、経営戦略、財務、会計、マーケティングなどの高度な専門知識を学べます。
MBAプログラムは世界中のビジネススクールで提供されており、アメリカのハーバードビジネススクール、スタンフォード大学ビジネススクール、ヨーロッパのINSEAD、ロンドンビジネススクールなどが世界的に有名です。
EMBA(Executive MBA)
EMBAは「Executive MBA」の略で、ビジネススクールで提供されるMBA(Master of Business Administration)の一種です。
EMBAは、ビジネスマンや経営者を対象としたプログラムであり、通常は週末や夜間の授業を中心として、仕事と両立しながら学べます。
EMBAプログラムは、通常のMBAプログラムと比較して、より実践的な経営学に特化しているのが特徴。
そのため、授業には実際のビジネスケースを取り上げたり、現役経営者やビジネスリーダーを講師として招いたりするケースがあります。
MPA(Master of Public Administration)
MPAは、Master of Public Administration(公共行政修士号)の略称で、公共部門や非営利団体などで働くことを目的としたビジネススクールのプログラムです。
MPAのカリキュラムは、政策決定、公共予算、組織運営、リーダーシップ、法律など、公共部門で必要な専門知識やスキルとなります。
MPAプログラムは、政府や非営利団体などの公共部門でのキャリアに興味のある人や、社会貢献につながる仕事をしたい人にとって、魅力的な教育プログラムです。
MIM(Master in Management)
MIMとは、Master in Managementの略で、ビジネススクールで提供される修士課程プログラムの一つです。
MIMプログラムは、ビジネスやマネジメントにおける基礎的な知識やスキルを幅広く網羅しており、ビジネスマネジメント、経済学、会計学、マーケティング、戦略など、様々な分野を学べます。
MBAプログラムと比較すると、より入門的な内容であり、ビジネススクールに進学する初めての学生にとっては、より適したプログラムと言えるでしょう。
MS/MSc(Master of Science)
MS/MScプログラムは、Master of ScienceまたはMaster of Science in Managementの略称であり、ビジネスに関連する科目の修士号プログラムです。
基本的に学べる知識としては、MBAと大きく変わりません。
ただし、MBAと比較してより専門的で、より技術的なスキルにフォーカスしている場合があります。
ビジネススクールの卒業後のキャリアアップ
社会人からビジネススクールに通えば、キャリアアップが期待できます。
ポジションのアップや年収アップ、転職にも役立つでしょう。
以下では、ビジネススクールのキャリアアップの幅や、なぜキャリアアップに有利になるのかについて、解説します。
就職先や転職先の選択肢が広がる
ビジネススクールでは、ビジネスに関する知識や経験を身につけられるため、多くの企業から注目されています。
そのため、就職先や転職先を探す際に、有利になるのです。
また、ビジネススクールで優秀な学生に対しては、優遇措置がとられるケースもあります。
年収やポジションのアップが期待できる
ビジネススクールに通い、卒業すれば、年収やポジションのアップが期待できます。
なぜならビジネススクールで学んだビジネスに関する知識やスキルが、職場での業績向上に繋がるためです。
特に、MBAプログラムを修了した人々は、一定の収入増やポジションのアップが期待できる傾向にあります。
アメリカのビジネススクールの卒業生の調査によると、MBA修了者の平均年収は、修了前の年収に比べて大幅に上昇しています。
ただし、ビジネススクールに通うことが直接的な成功をもたらすわけではなく、個人の能力や努力も必要です。
グローバルビジネスにおける活躍が可能になる
ビジネススクールでは、グローバルな視点や異文化間コミュニケーション能力など、グローバルビジネスに必要なスキルや知識を習得できるため、グローバルな活躍も期待できます。
また、ビジネススクールの多くは国際的な学生が多数在籍しており、グローバルネットワークを広げることもできるでしょう。
ただし、ビジネススクールに通っただけではなく、学んだスキルや知識を活かし、実務経験や留学などの経験を積むことも大事です。
エグゼクティブ層への転身が可能になる
ビジネススクールに通うことで、エグゼクティブ層への転身が可能になる可能性はあります。
ビジネススクールでは経営に必要な知識やスキルを学び、リーダーシップやマネジメント能力を高められるからです。
学んだスキルや知識を活かせば、企業の経営層や幹部候補者としてのキャリアアップが期待できます。
まとめ
社会人で今後のキャリアやスキルを高めたいと考えているのであれば、ビジネススクールは最適な環境です。
通常の業務では学べないビジネスの知識やスキル、実践まで行えるので、必ずビジネスの役に立つでしょう。
ただし、社会人の場合は、働きながら習得することになるため、ビジネススクールの種類を慎重に選んでください。
とくに社会人に適しているのは、EMBA(Executive MBA)です。
EMBAであれば、週末や夜間の授業を中心としているので、社会人でも通いやすいでしょう。
求めているスキルや知識によってもビジネススクールを選ぶ必要があるので、今回の記事を参考に、自身に合ったビジネススクールを見つけてください。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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