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サンクコスト

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サンクコスト

Sunk Cost

  • 何らかの事柄に対し、これまでに投じた金額や時間、労力のことを指す。サンクコスト=沈み込んだ費用とはつまり、もう取り戻せないこと。
  • 取り戻せないものであるにもかかわらず、人はその分をなんとか取り返そうという心理を働かせる。
  • サンクコストが事業の破綻にまで進んだコンコルドの事例から、コンコルド効果とも呼ばれる。

金銭的なものだけでなく、心理的なもの、時間的・労力的なサンクコストも存在する

関連ワード

サンクコストとは

人は、これまで長い期間にわたり人生やお金を投じてきたことを簡単には止めることができません。
長年続けたスポーツから別のスポーツに動くことは難しいし、ずっと応援してきたアイドルから別のアイドルに乗り換えることはできません。スマホやゲーム機の乗り換えも抵抗感を感じるでしょう。

人は、それを夢とか愛とかこだわりなどと呼びますが、それらは心理学的にはサンクコストという事象です。別のものに移行したほうが以後の自分にとって幸せであったとしても、もはや取り戻せない投資に固執してしまうのです。

組織のなかでは、この傾向はいっそう顕著になります。

長年続けてきた事業を止める判断はとても難しいものです。すでに多額の費用を投じたものが失敗だとわかっても止めづらいものです。昔から使っているシステムに習熟していると新しいシステムへの移行には拒否感がでるものが普通です。

集団となりお互いを慮ることが、いっそうサンクコストの効果を強めるのです。

事例紹介

コンコルド

■英仏で共同開発が進められた超音速旅客機です。プロジェクトの中ごろからはこのまま続けても黒字にはならないだろう、という見込みがすでに立っていました。だが、「ここまで既に多額の投資をしてしまっていたのだからここで止めても赤字が残るだけだ」と開発を継続しました。

■その後も負債が膨らみ続け、数百億円の損失を出して開発会社は倒産。航空会社による運行も赤字を垂れ流しながら2000年まで継続されました。

やればやるほど赤字であったにも関わらす作りだしたからには完成させたい、完成したからには使いたい…との思惑から傷口を広げることになった象徴的な事例です。以後、サンクコストは「コンコルド効果」とも呼ばれるようになりました。

著者・監修者

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