組織文化
Organizational Culture
- 組織文化とは、何が重要であり何が重要でないかについて、組織メンバーに共有された価値観。
- 組織文化は様々な場面で読み取れる。最も日分かりやすいものは、制服や社旗などの物質的なシンボルである。
- さらにイベント等の特徴的行動、創業に関するエピソードなどの物語、価値観や行動規範などに表われる。
メンバーは組織文化に照らして、様々な意思決定や行動を行う。したがって、組織を変革する際には、組織文化の変革も必須である。
関連ワード
- マネジメント・コントロール
- ミッション・ヴィジョン・パーパス
- リーダーシップ
組織文化とは
組織のインフォーマル・コントロールの手段です。どれだけ上手に組織をつくり、管理の仕組みを導入したとしても、文化が悪ければ組織は一切機能しません。よき組織文化を育むことこそが、組織改革の鍵となります。
しかし、空気のようなこの組織文化こそが、最も変わりにくいものであることもまた知られています。フワっとした漂うもののイメージがあるが、人々の肌身に刻まれた「この組織ではこれをやると罰せられる」「こういう行動が評価される」「あの人はずっとあの件で後ろ指をさされている」「うちの社長、ああいうの好きだから」といった経験の積み重ねこそが組織文化だからです。
だからこそ、表出する物的なシンボルや、何を賞罰するのかが象徴的にあらわれるセレモニー、人々が紡ぐ言葉や物語に注意をすべきだということになります。それらを改め、リーダーが率先して新しい考え方を根付かせていくようにしなければ、組織文化は変わりません。
事例紹介
JAL 稲盛和夫
■JALは2008年のリーマン・ショックをきっかけに事実上倒産してしまいましたが、その再建役に抜擢されたのが京セラやKDDIの創業者である稲盛和夫でした。
■稲盛は会長に就任すると経営幹部や社員をはじめ、パイロットやCAまで一人一人に話を聞いて回り、社員たち自身が批評はすれど行動はしない、その組織文化をこそ変えようと奔走しました。そして、「お客様視点を貫く」「売上を最大に経費は最小に」など新たに全従業員が共有すべき価値観、考え方をまとめた「JALフィロソフィ」を掲げそれらを説いたと言います。
■さらに小集団で採算を管理する「アメーバ経営」の手法も取り入れ、分けられた区分ごとに利益を出させるよう意識させました。その結果、末端の人間に至るまで利益確保、経費削減の意識が浸透しスタッフ同士の連携もスムーズになっていきました。
■こうした稲盛和夫の変革が功を奏し、JALは事実上の倒産からわずか2年8ヶ月で再上場を果たしたのでした。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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