M&A
M&A
- 年間売上50億円のヒット商品を創るよりも、年間売上50億円の会社を買収するほうが容易である。企業成長のための重要策のひとつが、合併・買収。
- Merger(マージャー)が合併を意味する言葉で、Acquisition(アクイジション)が買収を意味する。現在では、ほとんど区別されずに用いられる。
買収対象が適切か、また買取価格も適正かのチェック:デューデリジェンスが勝負。
関連ワード
- アンゾフのマトリックス
- 規模の経済、範囲の経済
- 交渉学 WIN=WIN
M&Aとは
新しい事業分野に進出するとき、新しい国に進出するとき、新規な技術や組織部門が欲しいときなどに、自前で1からつくるよりも遥かに効率的なのがM&Aです。一時的に大金がかかるように見えますが、自前でも結局大きな金額がかかるし、何よりも時間がかかることから、近年ではM&Aが多用されています。
新分野進出以外にも、本業の強化や、衰退分野からの脱却、事業分野の組み換えなどにも使われます。
買収の成否はもっぱら買収先の選定で決まります。買収先のチェックのことをデューデリジェンス(Due Diligence)といいます。原語は「正しい注意」の意味。財務状況、事業の実態、法律的な問題の有無、人材や組織などを総合チェックしたうえで、適正な買収価格を見積もります。
買収後の組織統合も大切です。こちらは、PMI:ポスト・マージャー・インテグレーションと呼ばれます。
事例紹介
テキサス・インスツルメンツ 買収による事業分野の完全入れ替え
■半導体産業の黎明期から活躍するテキサス・インスツルメンツ(TI)は、時代の流れをよく読み、次の時代に求められる半導体へのシフトに先駆けることで大きな成功を収めてきました。その際に用いられる手段がM&Aです。
■1990年代から00年代半ばまでは、世界的な携帯電話の普及に合わせ、主力商品は携帯電話用DSP(デジタル信号処理半導体)でした。
■2000年から2011年頃にかけて毎年のように大小の企業買収を続けます。狙いはひとつ、競争が緩やかながら、これからのロボットや産業機器の時代に求められるアナログ半導体分野でトップに立つためです。買収総額は2兆円以上にのぼります。 ■2000年にバーブラウン社を76億ドル、2011年にナショナル・セミコンダクターを65億ドルで買収。その間、不要事業の売却も進めました。2012年時点で、アナログ半導体分野では、2位以下に数倍の差をつけた圧倒的首位の地位を固めたのです。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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