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東京大学の「コンピュータ産業研究会」でDXについて講演してきました。

中川です。先日は、東京大学のコンピュータ産業研究会にて、DXを始めるにあたってのポイントについて講演してきました(実は私はDXのコンサルもしています)。DXの技術論・方法論ではなく、最上段からの、DXのあるべき形について。

それはすなわち。 1)まず戦略である。どう活かし、どう競争力に繋げるのかの論理を組み立てる 2)次に組織である。最大限、合理的・効率的な組織の形を作らなければ、ITシステムは機能しない。 3)最後に情報システムである。

1)まず戦略であるということ。シンプルに考えれば、企業が顧客により貢献できるようになるための方法は2つしかない。顧客にとっての価値を高めるか、同じ価値でもより効率的に届けるか、だ。どちらの目的を、どうデジタルで達成するのか、その見取り図を描くこと。

2)次に組織だということ。ITシステムは、人間などよりも圧倒的に「頭がよい」。そして「融通がきかない」。人間組織やオペレーションのデザインが悪ければ、その悪いデザイン上で、頭がよく融通のきかないシステムが、仕事を加速するだけだ。その先に待つのは、組織とオペレーションの混乱。

3)戦略と組織が整ったときが、ITシステムを導入するとき。戦略ロジックの中心を担うものとして。そして、シンプルな組織とオペレーションを司る、最大限に軽く簡潔にまとめられた設計で。費用も安く、安定しており、なにより目的合理的なシステムをそこに生み出すことができる。

そんなわけで、DXでは何よりも経営学の知恵が生きることになる。戦略と組織を整える仕事こそが、DXの主役なのです。かくして私のような経営学者が、DX分野でお役に立てる場面が増えてもいるわけです。

戦略・組織が整っていない上に乗っかったITシステムは、組織と社会に大きな打撃を与えます。みずほも然り、ウーバーイーツも然り。「アフター・デジタル」に向け、デジタル化は待ったなしです。ですが、焦ってデジタルを進める前に、今こそ組織と戦略の整備から進めてゆくべきだと考えています。

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