バリュー・プロポジション・キャンバス
Value Proposition Canva
- 顧客のニーズに一致するように製品をデザインするための手法。
- まず右側に顧客の情報を書く。顧客の抱える課題を解決するために、どういうGain:嬉しいことを提供し、どういうPain:嫌なことを取り除くべきかを調べる。
- それに応じて、左側では、商品・サービスがGain・Painに対応すべくどういう機能・仕様を備えるべきかを書く。
特に顧客のPainを深掘りし、それを取り除くうえで力を発揮する
関連ワード
バリュー・プロポジション・キャンバスとは
イノベーションの起点は新製品・新サービスの創造です。そのための基本ステップは、顧客ニーズをよくよく分析し、それに合致するように製品の機能・仕様を定めていくことです。
これを実践するための最新の手法がバリュー・プロポジション・キャンバスです。この手法の魅力は、顧客の課題を解決するために必要なことを、付与すべきGainと取り除くべきPainとに分解することにあります。特に従来では、製品が備えるべき機能を考慮するうえで、Gainの側面ばかりに注目が集まっていた中で、Painを取り除くことの重要性を伝えているのがこの手法の鍵です。
近年普及しているサービス、たとえばGAFAのサービスやツイッターなどは、徹底的にPainを取り除くことに集中しています。使う上での不満点がないことが、競合に秀でているポイントとなっています。
事例紹介
YouTube
■もしも今動画配信サービスがない状態で新たにエンターテインメント動画配信事業を立ち上げるとしたら、自ずとYouTubeのような形になっていくのではないでしょうか。
■バリュー・プロポジション・キャンパスから動画を見る視聴者の立場を考えると、Gainは「楽しい番組を見たい」「時間や場所にとらわれず自由に見たい」といったことになるでしょう。一方Painは、TVを元に考えてみると「家にいないといけない(場所)」「決まった時間に見ないといけない(時間)」「TVがないといけない(機器)」といったものになります。
■理想的な動画配信サービスはGainを付け足し、Painを消したもの、すなわち「好きな時間、場所、状況で手軽に楽しい番組を見られる」サービスになり、それが正しくYou Tubeなのです。現代人の生活スタイルにとってはテレビなどよりもむしろこうしサービスの方が自然な形であり、その新しい当たり前を作ったのがYouTubeなのです。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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