トレードオフ
Trade-off
- 一方を立てれば他方が立たないこと。二者択一。
- 「AとBの間にはトレードオフの関係がある」「AとBはトレードオフである」というように用いる。
- AかBか、だけでなく、その中間もあり得る。
- 3つ以上のものの間でも用いる。
意思決定では、主要なトレードオフがある事項に集中する。
関連ワード
- ディシジョンツリー
- 交渉術、Win-win
- イノベーターのジレンマ
トレードオフとは
会議をするとき、交渉をするとき、製品の設計をするとき、マーケティング策を考えるとき…集中すべきは二者択一、どちらかを選ばなければいけない状況、メリットとデメリットの両方が存在する事項に対してです。別の言い方をするならトレードオフが無い物事については、検討や判断をする必要などありません。意思決定はトレードオフ事項にのみ集中すべきです。
ベストな判断は、「トレードオフを超克する第3の案を見つけること」です。トレードオフを認識したら両方の解決ができる方策を考えます。あなたが思っている以上にトレードオフを超克する手段は存在しています。
セカンド・ベストは、どちらかに振り切ることです。最も悪いのは間をとったどっちつかずの判断となることです。どっちつかずの形は両方のいい所取りではなく、どちらを求めている人にとっても中途半端な課題が残るものとなってしまうからです。
事例紹介
大谷翔平
■野球という競技では、プロになるような優れた選手には大きなトレードオフがあります。野手になるか、投手になるかです。野手になるなら打撃を磨くことが、投手になるなら投球を磨くことが求められます。プロになるタイミングで、どちらか秀でたほうを選択することが一般的ですが、プロになってから転向する選手もいます。
■打撃も超一流、投球も超一流だった花巻東の大谷翔平選手に、指名した日本ハムファイターズが提示したのはなんと、トレードオフを超克する「二刀流」のアイデア。打撃も投球も、両方でトップ選手を目指すという近代野球では誰も成し遂げていない道を提示したのです。
■努力の天才でもある大谷翔平選手は、プロに入ってからも心技体を磨き続け、現在では見事に北米メジャーリーグで二刀流選手として唯一無二の大活躍を見せています。誰もが「野手か、投手か」というトレードオフに悩む中、そのたぐいまれな才能を見抜いた日ハム、そして何より両立を可能とした大谷選手の努力が、トレードオフの超克を可能としたのです。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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