サステナビリティ経営(柳良平・早稲田大学大学院 会計研究科 客員教授)
講師プロフィール
京都大学博士(経済学)。
公職として東証上場制度整備懇談会委員、2021年G7 Impact Taskforce委員等を務める。非財務資本と企業価値を繋ぐ「柳モデル」を提唱する。
職歴としては、銀行支店長、メーカーIR・財務部長、UBS証券エグゼクティブディレクター、エーザイ専務執行役CFO(2022年6月迄)等を経て現職。早稲田大学会計研究科客員教授として10年以上大学院で教鞭を執る。2017年度早稲田大学Teaching Award総長賞受賞。2022年9月より早稲田大学会計ESG講座の共同責任者を務める。
Institutional Investor誌の2022年機関投資家投票でヘルスケアセクターのThe Best CFO第一位(5回目)に選出される。
早稲田大学大学院 会計研究科 客員教授
早稲田大学会計ESG講座 コーディネーター
アビームコンサルティング株式会社 エグゼクティブアドバイザー
M&Gインベストメンツジャパン株式会社 副社長
エーザイ株式会社 シニアアドバイザー(元CFO)
主著に、
“Corporate Governance and Value Creation in Japan”(英文単著:Springer)
「ROE経営と見えない価値」(編著:中央経済社)
「CFOポリシー第三版 財務•非財務戦略による価値創造」「ROE革命の財務戦略」「企業価値を高める管理会計の改善マニュアル」(単著:中央経済社)
「企業価値最大化の財務戦略」「日本型脱予算経営」(単著:同友館)
「ROEを超える企業価値創造」(共著:日本経済新聞出版社)等。
科目概要
サステナビリティ経営に関して、ステークホルダー、特に投資家の観点から非財務資本の可視化が求められており、それが企業価値、PBRに影響を及ぼしている。過小評価されている日本企業の潜在的なESGの価値を定量化して開示・説明することで長期的な企業価値評価が向上する蓋然性がある。その手法に完全な解は無いが、「柳モデル」と「インパクト加重会計」の先行事例を紹介することで、この「ESGジャーニー」の羅針盤を皆さんと一緒に検討する。
オンデマンド講義
なし
ライブ講義
見えない価値を示唆するPBR仮説
現代企業は、稼ぐだけでは株価は上がらない!
環境配慮や社会性が、なぜ企業価値につながるのか。
目から鱗の新仮説!
企業が秘める”見えない価値”あなたはどう評価し、活用しますか?
この講義では、最新の企業価値評価動向について深く理解し、企業の隠された潜在力を明らかにする「PBR仮説」とは何かを学びます。
見えない価値やESGの価値、5つの非財務資本(知的資本、製造資本、人的資本、社会関係資本、自然資本)は、密接に関連し近似していると捉える「PBR仮説」。
柳良平教授が提唱するPBR仮説の解説を通じて、財務諸表に現れない深層の価値を掘り下げ、私たちや投資家、市場に企業の真の姿を明らかにすると証明された理論です。
PBR仮説が示す、企業価値の新たな評価方法とその投資戦略への応用について、実践的な知識を得る絶好の機会です。ぜひご参加ください。
企業理念の証明を企図した柳モデルの概要
財務以外の、人的資本や環境配慮が、企業価値向上にどれだけ貢献しているのか。その概念を革新し、統計的に証明し、さらには実務でもエーザイを育てた「柳モデル」をばっちり身につけましょう!
企業理念と、持続可能な経営戦略は、密接に結びついています。
柳モデルを用いて、非財務資本が企業価値にどのような影響を与えるのか、そしてその影響がどのように具体的な価値へと変換されるのか。企業理念とは、ただの言葉ではありません。企業理念が如何にして企業価値に直結するのか、実例を基にして解説します。
理念を大切にし、その理念を通じて社会に良い影響を与え企業の本質的な価値を高めたいと考える経営者や投資家、従業員などが「理念と企業経営のバランスの実現」に苦労することが多いのも事実。
「柳モデル」を通して、非財務資本の管理と価値創造のプロセスを体系的に理解し、企業理念を具体的な価値に変換する手法を学びましょう。
柳モデルは日本企業全体へあてはまるか
稼ぐことと、社会的によいこと。どちらが大切なのか。柳モデルは、すべての企業に当てはまりうるか?
多くの日本企業は、欧米企業に比べて非財務資本の価値が評価されにくい傾向があります。これは、非財務資本の情報開示が進んでいないことや、非財務資本と企業価値の関係性が明確化されていないことが原因と考えられます。
柳モデルを理解して、競争力とサステナビリティの観点から非財務資本を深く掘り下げることで、日本企業が持つ真の価値をあきらかにできることを解説します。
従来、日本企業が行ってきた曖昧なESGの議論を超えて「モデル、実証、開示、対話」のトータルパッケージで企業価値を顕在化し、長期的な企業価値を表明することで、グローバルな競争環境で成功を収めるための戦略についても考察します。
インパクト加重会計によるパーパスの訴求
インパクト加重会計とは…社会的なインパクトをも、会計的に評価して、企業価値を算出する手法。その世界的な潮流を理解し、対応しないと、いつまでもJTC(日本の伝統的大企業)(ジャパニーズ・トラディショナル・カンパニー)になってしまいます。
インパクト加重会計で社会・環境へのインパクトを定量化し、柳モデルで非財務資本の価値を可視化することで、企業の社会的役割を明確に示すことができます。
企業価値をどのようにして社会的なインパクトと結びつけ、さらにそれをステークホルダーに効果的に伝えることができるのかについて、柳良平先生が事例を交えて解説します。
自社の社会的責任を数値化し、それを投資家や消費者に対してどのように訴えるかについて、具体的な戦略と方法を学ぶことができます。さらに、このアプローチは、企業のブランド価値をどのように高め、長期的な成功に寄与するかについてもつながるため、社会的価値を重視し、それをビジネスモデルに統合したい経営者や戦略立案者にとって、実践的な知識とインスピレーションの源となります。
さらなるアウトプットをしたい方へ
アドバンスドなチャレンジをしたい方向けに、特別な問題を用意しています。
学長からフィードバックいたしますので、ぜひ挑戦してみてください。
あわせて学長との面談を活用して、疑問質問など追加の質問もしてみてください!
▶アドバンスト問題はこちら
参考書籍
“Corporate Governance and Value Creation in Japan”(英文単著:Springer) 「ROE経営と見えない価値」(編著:中央経済社)
「CFOポリシー第三版 財務•非財務戦略による価値創造」「ROE革命の財務戦略」「企業価値を高める管理会計の改善マニュアル」(単著:中央経済社)
「企業価値最大化の財務戦略」「日本型脱予算経営」(単著:同友館)
「ROEを超える企業価値創造」(共著:日本経済新聞出版社)等。 講座テキスト:「CFOポリシー第三版 財務•非財務戦略による価値創造」中央経済社2023年