個人を生かす組織論(太田肇・同志社大学)
講師プロフィール
同志社大学 政策学部 教授。(同 大学院総合政策科学研究科教授)、経済学博士。 京都大学経済学博士、神戸大学経営学修士。
専門分野は個人を生かす組織・社会づくり、インフラ型組織 、分化、モチベーション、公務員の人事管理、企業不祥事、プロフェッショナル、承認欲求、ワークスタイル、成果主義、個人尊重
科目概要
これまでビジネスの場においては、主に企業の立場から組織を論じるのが普通だった。しかし工業社会からポスト工業社会へ移行するとともに、個人の主体的な活動が重要になり、いかに個人を生かし、能力と意欲を引き出すかが課題なってきた。また人々の働きがいや幸福度を高めるためにも、個人に焦点を当てた組織づくりが欠かせない。 そこで旧来の日本型組織のどこに問題があるのか、ポストコロナ時代に望ましい働き方や組織の形態はどのようなものかを論じるとともに、承認欲求に注目したモチベーション向上策について説明する。
オンデマンド講義
※今期はありません。
ライブ講義
1. 共同体型組織の見直しを(無料公開)
日本企業は終身雇用、年功序列、集団主義を軸にした共同体型組織を維持してきた。共同体型組織は少品種大量生産に象徴される工業社会で成功を収めてきた。ところがデジタル化、ソフト化が進んだポスト工業社会では、それが逆に弱点となり、生産性や競争力向上の足かせとなっている。共同体型組織のどこに、どのような問題があるのかを説明する。
2.ポストコロナの働き方―「自営型」という選択肢―(無料公開)
ポストコロナの働き方として、「メンバーシップ型からジョブ型へ」の移行が、あたかも既定路線であるかのように唱えられている。しかしジョブ型は日本企業の組織構造や社会の構造に適合しない点が多く、企業の現場では壁に直面しているケースが見られる。そもそもジョブ型はVUCAの時代に適した働き方か疑問がある。一方では近年、デジタル化を追い風にして、雇用か独立自営かを問わず半ば自営業のようにまとまった仕事をこなす働き方が国内外で広がっている。「自営型」の特徴と強みについて述べる。
3.デジタル化、グローバル化と「インフラ型組織」(緊急無料公開!)
組織論の世界ではピラミッド型の機械的組織(官僚制組織)と有機的組織が代表的な組織類型とされてきた。一見すると対照的な組織形態だが、組織が環境適応の主体であり、メンバーはあくまでも組織の一員として行動するところに共通性がある。ところがデジタル化、グローバル化の進展とともに個人が直接市場や顧客と対峙し、主体的に活動するケースが増えてきた。組織は個人の活動を支援する一種のインフラとしての役割を果たすのである。インフラ型組織の特徴と具体例について説明したい。
4. 承認欲求とモチベーション(会員限定)
近年「承認欲求」というワードが世間に流布するようになった。多くはネガティブなニュアンスを込めて使われているが、本来は人間の基本的な欲求の一つである。実際に働く人のモチベーションと深く関わり、生産性も左右することが明らかになった。しかしプラス面ばかりではなく、場合によってはむしろマイナスに作用することもある。また日本人、日本企業に特有な表れ方をする傾向もある。承認欲求を前向きなモチベーションに結びつけるにはどうすればよいかを説明する。
さらなるアウトプットをしたい方へ
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あわせて学長との面談を活用して、疑問質問など追加の質問もしてみてください!
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