関係資本
Social capital
- 人が大きなことを成し遂げられるかどうかは、他者の協力を得られるかどうか。その意味で、「私は何ができるか」という人的資本との対比として「私は誰の支援を得られるか」という関係性の充実度を表す概念が関係資本である。
- 仲間を強く結束させるボンディングと、遠く離れた人々と自分をつないでくれるブリッジングに分けられる。さらに、支援を物的なものと知的なものに分けることもできる。
ボンディングばかりになると輪が閉じる。ブリッジング的な関わりを大切にする
関連ワード
関係資本とは
人が組織や社会のなかでどのくらい大きなことを為すことができるのかは、その人の能力や意志を原点としながら、どれだけ人々の助けを借りて大きくできるかにかかってきます。人材の能力を「人的資本」(Human capital)と位置付けるなら、その人材がもつ関係性の豊かさは「関係資本」(Social capital)と対置することができます。この両方を高めるべきなのです。
友達が多い、ということではありません。あなたが何かを為そうとするとき、あるいはあなたが困難な状況にあるとき、どれだけの人が、あなたを助けてくれるだろうか、という支援・協力を得られるかどうかの繋がりです。人々が支援・協力をしたいと思うのは、結局、あなたが何を思い、どういう行動をしているかであるから、この点で人的資本と関係資本は密接に関係してきます。「あなたが何者であるか」が、関係資本の起点となるのです。
事例紹介
マーク・ザッカーバーグ
■Facebookの創業者、マイク・ザッカーバーグが事業を始められたのは、仲間たちの協力(ボンディング)なくしてできませんでした。大学寮内のサベリンらの仲間たちが、ファイナンス、プログラミング、マーケティングなどを担って、Facebookの原型がつくられました。さらに、事業売却し悠々自適の生活を送っていた起業家ジェフ・ロスチャイルドがFacebookに興味を持ち入社したことで一気に有名になり、会社としての基盤を強固なものにしました。
■その先でザッカーバーグを助けてくれたのはブリッジングの力です。話題を聞いたナップスターの創業者、ショーン・パーカーがシリコンバレーにバッカザーグ呼び寄せ、VCや経営者などとつなぎます。ここでFacebookは人材と資金を得て、飛躍的に大きな企業に成長していきました。
■このように個人の成功は人と人とのつながりによるところが非常に大きく、その人自身ではできないこと、知らないことを他の人に依存しながらどれだけ成長できるかにかかっているともいえるのです。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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