リーダーシップ
Leadership
- リーダーシップとは、他人に働きかける力のこと。目的達成のために職務に向かわせることと、組織が心の側面で維持できるように、人々の関係をつくっていくことの大きな2軸からなる。
- 変革のヴィジョンを提示して強力に仲間を引っ張る変革型リーダーシップ、裏方に徹することで仲間の力を引き出すサーバント・リーダーシップ、高い倫理観や目的に向かう誠実さで動かすオーセンティック・リーダーシップなどがある。
リーダーシップの方法は人それぞれ。自分なりの方法を見つける
関連ワード
- ミッション・ ヴィジョン・パーパス
- 動機付け
- ダイアログ(対話)
リーダーシップとは
リーダーシップは有史以前からみられる人類の特徴です。人間社会は、人々の上に立って導くひとと、誰かを掲げ、その人を支えて進んでいく人とによって成り立っています。決して、誰かの上に立つこと、誰かに従うことはおかしなことではありません。人の精神に古来宿る心理であり、社会構築の方法なのです。
リーダーの社会的役割は大きく2つと言われます。人々に目的を達成させるために行動させること(Performance)、人々にここにいたい、ついていきたいという思いを持たせること(Maintenance)です。この頭文字をとってPM理論と呼ばれます。
それを達成するための方法は人それぞれです。金井壽宏教授は「リーダーシップの持論アプローチ」を唱えます。自分のために、自分に合ったリーダー論をこそ構築すべきだ、というものです。強く引っ張る人もいれば、後ろから支える人もいるでしょう。雄弁に語る人もいれば、行動で示す人もいるでしょう。自分のかたちをこそ、見つけるのです。
事例紹介
稲盛和夫
■京セラ、第二電電(KDD)、JALと3つもの会社を成功させた日本を代表する企業家、稲盛和夫は、特に何かの経営能力に秀でているわけではありません。経営のテクニックやマーケティング手法などはまったく語ったことはありません。彼の強みは、一緒に働く人々をうまく乗せられることです。
■JALの再建にあたっては就任するとすぐに現場の一人一人にあいさつし、声をかけたといいます。そしてその中で丁寧に話を聞き、また自身の考え方を話したのです。それにより社員たちは稲盛和夫に惹きつけられ、この人と一緒に会社のために働きたいと思うようになったのです。
■稲盛和夫はリーダーはたどりつくための道よりもたどりつくための到達地点を描くべきだとし、さらに仲間たちを安心させ、挑戦できるようにするため笑顔で楽観的でいなさいとも説きました。これをまさに自分が実践してきたことそのものであり、こうした態度が正しいというのを自らのキャリアによって証明しているのです。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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