「陰謀論にハマるのはどんな人か」というテーマについて、心理学の最新研究を紹介します。鹿児島大学の大園先生榊原先生たちの研究グループによるこの研究は、Applied Cognitive Psychologyという心理学の専門雑誌に掲載され、多くの注目を集めました。研究の主な焦点は、陰謀論を信じる人々の心理的特性に関するもので、特に陰謀論に傾倒しやすい人のタイプを明らかにしています。
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陰謀論の影響と研究の重要性
現代社会において、陰謀論は多くの人々の考え方や行動に影響を及ぼしています。特に、新型コロナウイルスやワクチンに関する誤情報が広まる中、陰謀論に傾倒する人々が増えていることは、社会の安定や個人のウェルビーイングにとって重要な問題です。このコンテキストの中で、心理学の研究が陰謀論を信じる人々の心理的特性を明らかにすることは、この問題を理解し対処するために不可欠です。
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鹿児島大学の研究チームとその業績
鹿児島大学の大園先生榊原先生たちによる注目すべき研究は、「Applied Cognitive Psychology」という心理学の専門雑誌に掲載され、メディアでも多くの反響を呼びました。彼らの研究は、陰謀論を信じる人々の心理的特性に関するもので、特に陰謀論に傾倒しやすい人のタイプを明らかにすることに焦点を当てています。
陰謀論を信じる人の心理的特性
研究によると、陰謀論を信じる人々は、疑り深いタイプや単純思考型の人々である可能性が高いとされています。これまで、エリート層や深く考える人々が陰謀論に傾倒しやすいとする見解もありましたが、この研究はそうした一般的な認識に対して新たな光を当てています。
陰謀論に傾倒しやすい人の特徴
具体的には、この研究は以下のような特徴を持つ人々が陰謀論に傾倒しやすいと指摘しています。
- 科学的思考が弱い:合理的思考をしないタイプの人。
- 閉鎖志向型:新しい知識に対してオープンではない。
- 社会的無力感:社会システムや政治に対して自己の無力感を強く感じる。
- 特性不安:不安になりやすい性格的傾向がある。
- 孤独感と社会的協調性の低さ:社会階層が低く、収入が少なく、他人との協調性が低い。
まとめ
この研究は、陰謀論に陥らないためには、批判的思考力を養うことが重要であると結論付けています。教育や学習を通じて、科学的な思考と疑問を持つ力を強化することで、不確かな情報や陰謀論から自身を守ることができるのです。私たちは、この研究から学び、健全な社会のために批判的思考力の重要性を再認識する必要があります。
著者・監修者
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1982年生。経営学者/やさしいビジネススクール学長/YouTuber/東京大学 経済学博士
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専門は、経営戦略論・イノベーション・マネジメント、国際経営。
「アカデミーの力を社会に」をライフワークに据え、日本のビジネス力の底上げと、学術知による社会課題の解決を目指す。
「やさしいビジネススクール」を中心に、YouTube・研修・講演・コンサル・著作等で経営知識の普及に尽力中。
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