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消費者行動モデルの代表的「AISAS」とは?関連する購買モデルも解説

AISASは、インターネット普及に合わせて作られた消費者行動モデルです。

同じような購買行動モデルはいくつかありますが、なかでもAISASは代表的な考え方と言えます。

今回の記事では、AISASの概要や成功事例、AISASに関連する購買モデルまで紹介します。

ぜひ自社のサービスや商品に役立ててください。

AISAS
目次

AISASとは

AISASとは、インターネット普及に伴い時代とともに変化した消費者行動モデルのことです。 

AISASは、以下の4つから成り立ちます。

  • Attention(認知)
  • Interest(興味) 
  • Search(検索)
  • Action(行動)
  •  Share(共有) 

AISASモデルは、消費者が商品を認知してから購入するまでの購買行動モデルの一つで、消費者が能動的な検索と共有をおこなうようになったことが特徴です。

AISASモデルの使い方

AISASモデルは、マーケティングの施策を実施する際に、顧客の認知から購入までの購買行動の流れをモデル化するために用いられます。

AISASを実践するには、ターゲットを明確にすることが大事です。

また、AISASモデルの各段階において、具体的な施策を羅列し、ターゲットごとに効果的な施策を選び、実践することが重要です。

AISASモデルの進化系「Dual AISAS」とは

Dual AISASは、株式会社電通が提唱する購買モデルであり、AISASにより深い考察を加えたものです。

AISASモデルのAttention (認知・注意)→Interest (興味・関心)→Search (検索)→Action (購買)→Share (共有)におけるAttention (認知・注意)に「A+ISAS」を加えるモデルになっています。

Dual AISASは、SNSやコミュニケーションアプリに対応した購買行動モデルとして、有効な購買行動モデルです。

AISASの各ステップ

AISASは、消費者が商品を認知してから購入するまでの購買行動モデルの一つで、以下の5つのステップから構成されます。

  • Attention(認知)
  • Interest(興味)
  • Search(検索)
  • Action(行動)
  • Share(共有)

例えば、商品を購入する前に、消費者はまずその商品を認知します。

その後、興味を持ち、検索を行い、商品に関する情報を収集します。

そして、商品を購入し、その商品について共有していく流れです。

以下で、AISASの指す一つひとつのステップについて解説します。

Attention(注意)

AISASモデルの1つ目のステップである「Attention(認知)」は、消費者が商品を認知する段階です。

このステップでは、消費者が商品に対して注意を向けます。

例えば、広告やポスターなどを通じて、商品を認知していきます。

また、SNSや口コミなどを通じて、商品に対する関心を引くことも可能です。

「Attention」の目的は、消費者に商品について知ってもらうことなので、商品の特徴や魅力的な点をアピールすることが重要になります。

Interest(興味)

AISASモデルの2つ目のステップである「Interest(興味)」は、消費者が商品に対して興味を持つ段階です。

このステップでは、消費者に商品に対して関心を持ってもらわなければいけません。

例えば、商品の特徴や価格、デザインなどに興味を持つことができます。

また、商品の利用方法や効果などに興味を持つこともできるでしょう。

「Interest」の目的は、消費者に商品に対して関心を持ってもらうことなので、商品の魅力的な点をアピールすることが重要です。

Search(検索)

AISASモデルの3つ目のステップである「Search(検索)」は、消費者が商品について情報を収集する段階です。

このステップでは、消費者が商品についてより詳しく知るように設計していかなければいけません。

例えば、インターネットやカタログなどを通じて、商品に関する情報を収集することができます。

また、実際に商品を手に取って確認することもできます。

「Search」の目的は、消費者に商品についてより詳しく知ってもらうことなので、商品の詳細や特徴などをアピールすることが重要です。

Action(行動)

AISASモデルの4つ目のステップである「Action(行動)」は、消費者が商品を購入する段階です。

このステップでは、消費者に商品を購入してもらわなければいけません。

実際に店舗に行って商品を購入するだけではなく、インターネットで商品を購入してもらう方法の検討も必要になるでしょう。

「Action」の目的は、消費者に商品を購入してもらうことなので、商品の魅力的な点や価格などをアピールすることが重要です。

Share(共有)

AISASモデルの5つ目のステップである「Share(共有)」は、消費者が商品について情報を共有する段階です。

このステップでは、消費者が商品について他人に伝えるように設計しなければいけません。

例えば、SNSや口コミなどを通じて、実際に商品を使ってみた感想を他人に伝えることができます。

「Share」の目的は、消費者に商品について他人に伝えてもらうことなので、商品の良さや特徴などをアピールすることが重要です。

AISASとAIDMAの違い

AISASと似ている購買モデルがあります。

どちらも消費者の購買行動を表すモデルです。

AIDMAは、Attention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Action(行動)の4つのステップからなるモデルで、消費者が商品を購入するまでのプロセスを表します。

一方、AISASは、Attention(注意)、Interest(関心)、Search(検索)、Action(行動)、Share(共有)の5つのステップからなるモデルで、インターネットを中心に活用するモデルです。

AISASは、インターネットの普及と時代に合わせて進化した消費者購入モデルであり、AIDMAよりも消費者が能動的に検索や共有を行うことが重要視されています。

AIDMAとは

AIDMA

AIDMAとは、消費者の購買プロセスを説明するためのモデルで、実際に購入するまでを5つの段階に分け、その過程の頭文字を取ってAIDMA(アイドマ)と呼ばれています。

  • Attention(注意)…消費者に商品を知ってもらうためのステップ
  • Interest(関心)…消費者が商品に興味を持つステップ
  • Desire(欲求)…消費者が商品を購入したいと思うステップ
  • Memory(記憶)…消費者が商品を覚えているステップ
  • Action(行動)…消費者が商品を購入するステップ

上記の5つのステップからなるモデルで、消費者が商品を購入するまでのプロセスを表します。

AISASのメリット

AISASのメリットとして、主に以下の2つが挙げられます。

  • 顧客とのコミュニケーションでのポイントを把握できる
  • コスト削減につながる

なぜこれらのメリットが生じるのか、以下で解説します。

顧客とのコミュニケーションでのポイントを把握できる

AISASのメリットは、消費者が能動的に検索や共有を行うことで、企業が顧客とのコミュニケーションで気をつけるべきポイントを把握しやすくなることです。

例えば、消費者が商品に対して検索を行うことで、その商品に対する関心度合いがわかります。

また、消費者が商品を共有することで、その商品に対する評価や意見を知ることができるようになるのです。

コスト削減につながる

AISASによるコスト削減の理由は、広告費用がかからないためです。

例えば、消費者が商品に対して検索を行うことで、その商品に対する関心度合いや評価、意見を知ることができます。

これらの情報をもとに戦略を設計できるため、企業は広告費用を削減することができるのです。

AISASに必要なデータ

AISASを正確に行うには、データ収集が重要になります。

AISASに必要なデータとは、消費者が商品を認知してから購入するまでのプロセスにおいて、企業が消費者の行動を理解し、マーケティングへ活用するために必要なデータです。

以下は、それぞれのステップごとに必要な情報になります。

  • Attention段階…ターゲットの明確化・他商品との差別化
  • Interest段階…ターゲットの興味を引くキャッチコピー・ベネフィット
  • Search段階…SEO・SEM
  • Action段階…WEBサイトの構築
  • Share段階…顧客満足度の向上

以上のように、AISASに必要なデータは各段階において異なります。

AISASの成功事例

AISASの成功事例として、以下の3つがあります。

  • スターバックス
  • RIZAP
  • コストコ

以下で、それぞれの事例について解説します。

スターバックスのAISAS活用事例

スターバックスは、AISASモデルの「Share」を上手に活用しており、消費者が自発的にプロモーションを行うような仕組み作りを行っています。

スターバックスでは広告ではなくSNSに主軸を置き、集客を行いました。

公式Twitterのフォロワー数は523万人以上、Instagramにおいては318万人以上の巨大なフォロワーを抱えており、新商品の投稿をすれば瞬く間に拡散されます。

RIZAPのAISAS活用事例

RIZAPは、AISASモデルを活用して成功を収めた企業の1つです。

RIZAPは、耳に残るBGMを利用したテレビ広告を打つことで、一気に認知を拡大することに成功しました。

さらに、様々な芸能人を起用し、消費者の興味を惹きつけています。

また、RIZAPは自社HPをかなり充実させており、消費者が検索すると充実したHPやポジティブな口コミが多いこともあり、消費者はRIZAPのサービスに興味を持ちやすくなります。

ただし、RIZAPは個人向けの一番安いプランでも298.000円と高額です。

そこで、30日間まで全額返金保証の期間を設け、購入のハードルを一気に低くするという策を講じています。

AISASの成功ポイント

AISASの成功のポイントは、消費者が商品を購入するまでの購買行動プロセスをしっかりと理解し、それに合わせたマーケティング施策を考案することです。

  • Attention (認知・注意)…ターゲット層と商品とメディアの親和性を考慮し、ターゲットが普段から使っているメディアで認知してもらうような施策を考えます。
  • Interest (興味・関心)の段階…ターゲットが興味・関心を抱くようなキャッチコピーの使用や目を引く広告デザイン、ターゲットの抱える悩みを解消できることを伝えるなどが重要
  • Search (検索)…消費者が欲しい情報を提供することが重要
  • Action (行動)…購買の決め手となる要素に訴求したメッセージを伝えることが重要
  • Share (共有)…消費者が商品について共有したくなるような仕掛けを用意することが重要

以上がAISAS成功のポイントです。

AISASと合わせて知っておきたい購買モデル

AISASの他にも、購買モデルにはいくつもの方法があります。

以下で、AISASと合わせて知っておきたい購買モデルを解説します。

それぞれのモデルを知って、自社の商品やサービスに活かしましょう。

AISCEAS

AISCEAS(アイシーズ)は、インターネットが普及した現代における消費者の購買行動モデルを表した概念です。

AISCEASは、Attention(注意)、Interest(興味・関心)、Search(検索)、Comparison(比較)、Examination(検討)、Action(行動)、Share(共有)の頭文字をとったもので、特にインターネットにおけるユーザーの購買心理プロセスを表しています。

具体的な施策として、各プロセスを3つの段階に分けた方法があります。

  • 認知段階:Attention・Interest
  • 比較検討段階:Search・Comparison・Examination
  • 購入段階:Action・Share

上記のように分けたときに、認知段階では、Webバナー広告やキュレーションサイトを使った施策が有効です。

消費者の接触が見込まれる媒体に広告記事を出したり、キュレーションサイトに取り上げられるようなコンテンツを作成することで、消費者の注目と興味を引き付けることができます。

比較検討段階では、オウンドメディアやランディングページによって消費者の比較検討を促すことができます。

せっかく興味をもった消費者に対して自社の商品・サービスを詳しく説明する機会を逃さないようにしましょう。

また、価格コムやまとめサイトなど、自社以外の媒体に掲載されることによって消費者は類似商品との比較検討を十分に行うことができます。

購入段階では、ECサイトの構築でスムーズな購入を促すことができます。

口コミ投稿による特典や購入者同士のコミュニティを設立することによって共有を促す施策も有効です。

SIPS

SIPSは、Sympathize(共感する)、Identify(確認する)、Participate(参加する)、Share&Spread(共有・拡散する)の頭文字を取ったもので、ソーシャルメディアに特化した消費者行動モデルです。

SIPSは、2011年に電通デジタルコミュニケーションセンターによって提唱されました。

このモデルは、従来の購買モデルのAIDMA(アイドマ)やAISAS(アイサス)に取って代わるものではなく、より現状を反映したソーシャルメディアを積極的に活用した今までにない新しい消費者行動モデルとして考えられました。

SIPSは、消費者が商品を知ってから購入、ひいては共有や拡散に至るまでのプロセスを体系化したもので、特に消費者との「コミュニケーション」に焦点を当てています。

具体的な例として、米セブンイレブンの「スラーピー」のSNS利用があります。

スラーピーと呼ばれるシャーベット状のドリンクが販売されており、その販売促進で考えられたのが髭のついたストローでした。

また、ポッキーの新商品発売のキャンペーンではTwitterが活用、他にも、AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」のミュージックビデオがあります。

VISAS

VISASモデルは、2010年にITビジネスアナリストの大元隆志氏が発表した概念で、口コミの影響によって消費者が行動する様子を表しています。

VISASは、Viral(口コミ)、Influence(影響)、Sympathy(共感)、Action(購買行動)、Share(情報共有)の頭文字をとったものです。

VISASモデルは、個人がインフルエンサーと呼ばれ影響力を持つようになる仕組みがSNS上でできたことにより、その商品がほしいと言う気持ちに加えて、推薦した人に影響を受けて購買に至る行動モデルでもあります。

口コミで商品やサービスを知り、共感を得て購入した後、また口コミを書くことによって共感を広めていくように共感が循環しつつ拡大していくのです。

具体的なVISASモデルに基づいたマーケティング施策として、以下のようなことが考えられます。

  • 自社もSNSアカウントを取り、定期的に発信する。
  • 新商品やサービスを発売する際はその業界のインフルエンサーを無料招待、もしくは試しに使ってもらうなどして感想をSNSに投稿してもらう。

上記のような方法があります。

ここでのポイントは芸能人などではなく、個人のインフルエンサーを起用することです。

芸能人も発信力や拡散力がありますが、VISASの法則では「消費者が共感する」から購入に至るので、芸能人よりも身近な存在の個人インフルエンサーの方が、発信内容に共感を得やすくなります。

DECAX

DECAXは、コンテンツマーケティングに対応した購買行動モデルです。

このモデルは、Discovery(発見)、Engage(関係構築)、Check(確認)、Action(行動)、eXperience(体験)のそれぞれの文字をとったもので、2015年に電通が提唱しました。

DECAXの特徴は、消費者視点と、消費者と企業の関係構築を購買行動に入れ込んだ点です。

従来の企業視点の購買行動モデルとは異なり、消費者の「発見」から始まる、消費者視点が新しいプル型の購買行動フレームワークになります。

DECAXモデルに基づいたマーケティング施策の例として、ライオン株式会社のコンテンツマーケティングがあります。

ライオン株式会社は、オウンドメディア「Lidea」を活用して、「掃除」「洗濯」「健康」などくらし全般に役立つコンテンツを発信しました。

例えば、普段から腹痛に悩まされている消費者がいたとします。

すると、まずは検索等を通じて腹痛に関する情報を「発見」。

消費者は腹痛に関するいくつかの記事を読むことで、徐々にライオン株式会社との「関係」を深めていくのです。

そして、消費者は関係が深まってきたところでライオン株式会社の商品を「確認」。

この例で言うと、ストッパ下痢止めEXなどが商品にあたります。

消費者は「確認」した商品が自分にとって必要であると判断すれば「行動」、つまり、ストッパ下痢止めEXなどの商品を購入するのです。

さらに、消費者は読んだ記事や届いた商品など「体験」したものをSNSを通じて「共有」します。

「共有」をきっかけにまた新しい人が情報を「発見」し、DECAXのサイクルが循環していくのです。

AIDA

AIDAモデルは、消費者が商品やサービスを購入するまでの心理的プロセスを表した概念です。

AIDAは、Attention(注意)、Interest(興味)、Desire(欲求)、Action(行動)の頭文字をとったもので、消費者が商品やサービスを購入するまでの4つの段階を表しています。

  • Attention(注意):消費者が商品やサービスに注意を向ける段階です。広告などを通じて、消費者が商品やサービスの存在を認知するようにします。
  • Interest(興味):消費者が商品やサービスに興味を持つ段階です。広告などを通じて、商品やサービスの魅力やメリットを伝え、消費者が興味を持つようにします。
  • Desire(欲求):消費者が商品やサービスを欲しいと思う段階です。消費者が商品やサービスに対して購入意欲が高まるようにします。
  • Action(行動):消費者が実際に商品やサービスを購入する段階です。

このモデルは、1920年代にアメリカの広告研究家セント・エルモ・ルイスによって提唱され、後にE・K・ストロングがセールスにおける顧客心理段階をAIDAモデルを使って説明することで注目されました。

AIDAモデルに基づいたマーケティング施策の例として、広告キャンペーンがあります。

広告キャンペーンは、消費者が商品やサービスに注意を向ける(Attention)、興味を持つ(Interest)、欲しいと思う(Desire)ように設計されます。

例えば、テレビCMや新聞広告、屋外広告などを通じて、消費者が商品やサービスの存在を認知し、興味を持ち、購入意欲が高まるようにします。

最終的には、消費者が実際に商品やサービスを購入する(Action)ように促していきます。

また、セールや限定キャンペーンなどもAIDAモデルに基づいたマーケティング施策の一つです。

消費者が商品やサービスを欲しいと思ったときに、セールや限定キャンペーンを実施することで、消費者が実際に商品やサービスを購入する(Action)ように促します。

AIDEES

AIDEESモデルは、消費者が商品やサービスを購入するまでの心理的プロセスを表した概念です。

AIDEESは、Attention(注意)、Interest(興味)、Desire(欲求)、Experience(体験)、Enthusiasm(熱中)、Sharing(共有)の頭文字をとったもので、消費者が商品やサービスを購入するまでの6つの段階を表しています。

  • Attention(注意):消費者が商品やサービスに注意を向ける段階です。広告などを通じて、消費者が商品やサービスの存在を認知するようにします。
  • Interest(興味):消費者が商品やサービスに興味を持つ段階です。広告などを通じて、商品やサービスの魅力やメリットを伝え、消費者が興味を持つようにします。
  • Desire(欲求):消費者が商品やサービスを欲しいと思う段階です。消費者が商品やサービスに対して購入意欲が高まるようにします。
  • Experience(体験):消費者が実際に商品やサービスを購入し、体験する段階です。
  • Enthusiasm(熱中):消費者が商品やサービスに熱中する段階です。消費者が商品やサービスのファンになるようにします。
  • Sharing(共有):消費者が商品やサービスの体験を他人と共有する段階です。

AIDEESモデルは、顧客体験やファン心理に着目した消費者行動モデルで、提唱者は元東京大学大学院経済学研究科教授である片平秀貴氏です。

SNS時代にはAISASへの理解が必須

インターネットが普及し、ユーザーの購買行動が変化した昨今では、AISASへの理解は必須です。

従来よりも、ユーザーの行動が複雑化しているため、購買行動を理解しなければ、商品やサービスは売れません。

その他にも、今回紹介した購買モデルを活用して、自社の商品やサービスの売上アップを目指してください。

著者・監修者

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