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学長・中川が書評を寄稿 ダグラス・ラシュコフ著『デジタル生存競争~誰が生き残るのか~』

学長・中川がダグラス・ラシュコフ著『デジタル生存競争~誰が生き残るのか~』(ボイジャー)の書評を寄稿しました。

学長・中川の寄稿文
「デジタル全体主義への、個人的な、全力の闘争」―ダグラス・ラシュコフ『デジタル生存競争』
https://store.voyager.co.jp/special/survival


学長・中川のコメント

デジタル技術が、社会をどう変えようとしているのか。

デジタル技術は、それを享受するために、我々に「全体の一部」であることを強いる。我々はデジタルが提供する、幸せな管理社会の上に生きているのだ。自分の個体データに沿って、見るべき映像も、聞くべき音楽も、つながるべき人も、すべてがナッジされている。とてもスマートで幸福な、管理社会。
次第にそのナッジの幅が広がっていく中で、果たして私たちにどれだけの自由意思が残されているのか。(自由意思でこのナッジに抗うことは幸福なのか?幸福とは何か?)

そして、そのデジタル技術を行使する、支配をする側のものは、全体が生み出す便益と巨富を享受しつつ、自らはその仕組みの外に脱出しようとしている。それがデジタル・コングロマリットによるものなのか、デジタルレーニン主義なのかの違いはあれど、東西どちらで起こっていることも、本質的には同じである。

参考)コングロマリットとは

技術に内在する、全体主義的な傾向を指摘し、ラシュコフは、個人としての自由意思を回復する戦いを挑むのである。
デジタル技術の功利をよく理解しているからこその、私たちが見ないようにしている闇の部分を鋭く糾弾する本。
一読の価値はあると思います。

ダグラス・ラシュコフ氏は、10月に来日し、トークショーも予定しています。続報をお伝えする予定です。

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