顧客の声:経営者が語る! 「社会学」がビジネスの羅針盤になる4つの真実

「経営上意思決定と社会学〜実体験紹介〜」を開催しました。
やさしいビジネススクール(以下やさビ)、事務局の中村です。(左から、三宅、山下、前田様、齊藤様)
先月、会員の前田様によるイベント「経営上意思決定と社会学〜実体験紹介〜」を開催しました。
社会学が、起業や経営にどう役立つのか?
一見、無関係に思えるかもしれない学問ですが、社会の構造や人間の行動原理を探求する社会学こそ、ビジネスの強力なツールになります。
このイベントでは、大学では法学部(専門は犯罪学)で学ばれた前田様が、その視点使って事業を立ち上げ、成功を納め、最終的に売却するまでの10年間で発見した、ビジネスと社会をつぶさに視るうえでヒントになる4つの視点をご紹介します。
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視点①:犯罪は「バグ」ではなく、秩序を生み出す「機能」である
前田様の講義は、衝撃的な内容から始まります。
しかしこれを丁寧に紐解いていくと、新たな考えに行きつくのです。
まず、フランスの社会学者エミール・デュルケムは、「犯罪は社会にとって正常な状態である」と提唱しました。
さらに、ランドル・コリンズの「連帯性生産マシーン」という概念が、衝撃を与えます。
コリンズは、犯罪をめぐる司法手続きが、「自分はまともな社会の一員だ」という市民の道徳的な感情(社会秩序)を「生産」していると喝破しました。
つまり…
- “犯罪というサプライチェーン”の構造は…
- 素材(仕入れ): 犯罪者、そして被害者
- 生産(加工): 警察の捜査、裁判などの司法手続き
- 製品(価値): 「自分は正しい」という市民の感覚や社会秩序
ということ。
この視点は、被害者もまた社会秩序維持のための「素材」として消費され、システムに循環させられているという、逆説的な真実に基づき、後の起業の原点となりました。

視点②:ビジネスの価値は「二重構造」で考えよ
前田様は大学を卒業後、犯罪の被害者支援サービスを立ち上げられます。
その際の事業の核を社会学者マックス・ウェーバーが論じた「選択的親和性」を応用した、価値の「二重構造」として設計しました。

- 上部構造(表面的な価値): 警察への同行など、具体的な被害回復サポート。
- 下部構造(本質的な価値): 「私たちは社会の素材にされた」という被害者同士の連帯意識や尊厳を取り戻す感情を醸成すること。
競合他社もこの事業を展開していきましたが、表面的なサービス(上部構造)を真似るだけでした。
一方、自身のサービスは、この本質的な価値(下部構造)を提供したことで、高単価でも顧客から強く支持され続けたとのことです。
顧客が本当に求めている隠れた価値を見抜くことが成功の鍵です。
視点③:成功の果てには「鉄の檻」が待っている
事業が軌道に乗り、合理化を進める中で、マックス・ウェーバーが提唱した「鉄の檻」の状態に陥っていることを自覚します。
事業の成功のために、経営者という社会的役割(me)に過剰適応し、いつしか本来の自分(i)が侵食され、自分が作り上げたはずのビジネスに支配されてしまう「疎外」の状態です。
この「鉄の檻」から自らを解放するため、前田様は10年間育てた事業を売却するという大きな決断を下しました。
合理性の論理は、時に冷徹に人を「機械の一部」に変えてしまう危険性をはらんでいるのです。

視点④:「ネット炎上」もまた、社会の秩序を守る装置である
現代社会の「ネット炎上」も、社会学で説明できます。
ある研究では、炎上に加担するのは、社会的ルールを遵守する真面目な人たちが多いことが判明しました。

彼らは、他人の規範からの逸脱を攻撃することで、「自分は正しい社会の一員だ」というアイデンティティを再確認し、道徳的な満足感を得ています。
つまり、ネット炎上は、社会の「規範」の境界線を人々に再認識させ、社会全体の倫理観を維持する「連帯性生産マシーン」として機能しているのです。
まとめ
いかがでしたか?
社会学は、ビジネスや社会の複雑な現象を深く理解するための、強力な「解像度を上げるレンズ」です。
この記事で紹介した4つの視点を知ることで、日常の風景を一変させる知的な興奮や、実生活に役立つ行動ができるはずです。
あなたの周りでは、どんな「見えない社会のルール」が動いているでしょうか?
やさビより、イベント報告でした。
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