日本の企業システム(清水 剛・東京大学大学院総合文化研究科 国際社会科学専攻 教授)
講師プロフィール
東京大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。東京大学講師、准教授を経て現職。専門は経営学、経営史学、法と経済学で、とりわけ企業システムおよび企業経営と法制度の相互作用に関する研究を行う。『感染症と経営―戦前日本企業は「死の影」といかに向き合ったか』(中央経済社, 2021年)他多くの著書・論文がある。
科目概要
現在、例えば長期雇用のような日本企業の仕組みはしばしば批判を受けるが、その批判の中には日本企業の仕組みに対する十分な理解に基づいているように見えないものも多い。この講義では、これまでの日本企業が持っていた様々な仕組みの全体を企業のシステムとして捉え、かつてどのような仕組みになっていたか、それがどのように変化してきたのか、それぞれの仕組みにどのような短所・長所があるのかを考え、そこから将来の方向性についても考える。
オンデマンド講義
イントロダクション
日本の経営システムの固有性、あなたは理解していますか?
雇用システム(1):雇用期間・昇進
終身雇用は、真実か嘘か?
雇用システム(2):賃金・労働組合・男女間格差
日本に独特な賃金体系、そして女性の労働環境
金融システム
日本の金融は、世界とどう違うのか
ガバナンスシステム(1):会社形態・会社制度
日本において、会社は誰のために存在しているか
ガバナンスシステム(2):財閥と株式持合い
日本固有の企業グループの功罪
政府―企業間関係
政府との関係は、健全なのか⁉
サプライヤー・システム
系列取引は過去のものか
※動画には受講生限定のメンバーエリアからアクセスできます。
ライブ講義
日本企業の仕組みと実態
皆さんは、日本の企業が、どれくらい特殊なのか、知っていますか。終身雇用や年功序列という言葉がよく聞かれますが、それがどれだけ真実であり、そして現代ではどうなっているか、知っていますか。私たちはひょっとしたら、自分たち自身のことが一番よく分かっていないのかもしれない。正しく日本企業の像が見えていないのに、ただしい経営も、ただしい政策も、できないとは思いませんか?まず自分たちのことを知る。東大・清水剛先生の新講座開幕!
日本型企業システムの歴史的発展
日本に固有の企業システムは、どのように生まれてきたのか?文化の問題だけじゃない。歴史を知れば、なぜ今こうなっているのかが見えてくる。博学な、東大・清水先生の本調子が発揮されるのは、歴史科目。今日は、何を聞かせてもらえるのか、お楽しみに!
「失われた10年」以降の変化
失われた10年で、何が起こったのか。その変化の方向性は、正しかったのか。私たちは大局観をもたず、目の前の問題に対処してここまで経済を営んできましたが、その結果たどり着いた現在の日本の企業システムは、私たちにとって、使いやすく、効率的で、機能的にデザインされているでしょうか。東大・清水先生による、日本の企業システムの現状総括です。現状を、虚心坦懐に見直してみましょう!
日本型企業システムの未来
世界でもまれな、特殊形態での発展を遂げた日本の企業システム。歴史のなかで、それはだいぶ薄らいできましたが、この先にあるのは西欧型の資本主義・企業社会なのでしょうか。それは、私たちにとって生きやすいものなのでしょうか。東大・清水先生の講義も最終回!清水先生と一緒に、これからの日本の企業経営のあり方を展望してみましょう!
さらなるアウトプットをしたい方へ
アドバンスドなチャレンジをしたい方向けに、特別な問題を用意しています。
学長からフィードバックいたしますので、ぜひ挑戦してみてください。
あわせて学長との面談を活用して、疑問質問など追加の質問もしてみてください!
▶アドバンスト問題はこちら
その他の連絡事項
公式サイト等 | https://researchmap.jp/takashipandashimizu |
清水先生から一言 | 日本企業の方向性を考えるためには、まず一度日本の企業の強みと弱みについて立ち止まって考えてみる必要があります。この講義ではそのための機会を提供したいと思います。 |