国際マーケティング(唐沢 龍也・関東学院大学)

講師プロフィール
関東学院大学経営学部教授・学長補佐
1964年 大阪府生まれ
1987年 早稲田大学第一文学部卒業(日本文学専修)
卒論は近世文学「洒落本論―山東京伝の戯作を中心にしてー」
1987年 株式会社旭通信社、(現・アサツー ディ・ケイ)に入社
企画開発局にてプランナーとしてキャとリアをスタート。自動車・家電・化粧品などのクライアントの海外プロモーションを担当。
1999年 現地のクリエイティブ・エージェンシーと合弁会社ADKフランス設立し、駐在する。2004年に帰国。
2011年 早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修了、
経営管理修士(MBA)
2017年4月 関東学院大学経営学部専任講師
2018年 明治大学大学院経営学研究科博士後期課程修了。
博士(経営学)
2018年から2022年まで国立ベトナム ハノイ貿易大学でも教鞭をとる。
2020年 関東学院大学経営学部准教授
2025年 関東学院大学経営学部教授
所属学会:国際ビジネス研究学会/多国籍企業学会/日本広告学会/異文化経営学会/日本流通学会 他
出版物(著書・訳書・監修書など)
2017年『広告会社の国際知識移転と再創造』文眞堂
2025年『国際マーケティングの補助線』文眞堂
Research mapはこちらから↓
https://researchmap.jp/5151tk/
科目概要
国際マーケティング(グローバルマーケティング)の理論と事例を通じ、企業が国境を越えてビジネスを展開する際の様々な課題について解説します。
混迷する世界におけるマーケティングはどのように実行すべきか。マーケティングのグローバル展開を世界標準化と現地適合化のバランスを追求する複合化とブランドとチャネルの視点から理解します。
この科目でできるようになること
国際的・グローバルな視点で組織や社会を俯瞰的に捉え、複雑に変化するマーケティング環境への意識を持つことを狙います。
さらに、国境を越えると何が変わるのか、海外市場は均質ではなく「差異の集合体」であることを理解できるようになります。
講師からご挨拶
「やさしいビジネススクール」で学ばれている皆さんは学習回路がオープンなモチベーションの高い方々だと思います。私も広告会社(アサツー ディ・ケイ)に勤務しながら、40歳を超えて早稲田大学の夜間ビジネススクールに、その後、明治大学大学院の博士後期課程で学びました。仕事をしながら学ぶということは、日々のビジネスに対して、メタレベルで問題提起をし続ける刺激的なチャレンジです。年齢に関係なく自身の思考力をスパイラル・アップしていくことを怠ってはいけないと思います。
日頃、研究者・教育者として歴史的かつグローバルな視点で企業経営やマーケティングに関連する「変化(Change)」について「なぜ・どのように」を注意深く観察することが大切であると考えています。歴史的な視点とは、「現在→過去→未来」という時間軸で捉えることを意味します。そのような現実の問題を起点とする帰納方的なアプローチをすることで物事(問題)の本質に迫ることが可能になります。
本講座を受講していただき、少子・高齢化、人口減少が不可避な問題として顕在化する日本においていかに未来を切り拓くことが重要なのかを考えていただく契機になれば幸いです。そのキーワードは「越境:Cross-Border」にあると考えます。
ライブ講義
第1回 日本企業にとって国際マーケティングは必要か?!
2026年3月5日(木曜日) 20:00~21:00
『国際マーケティングの補助線』(文眞堂)を執筆した背景には2020年からの新型コロナの全世界的なパンデミック、2022年からロシア・ウクライナ戦争、イスラエルとパレスチナの紛争、アメリカの第2次トランプ政権発足後の関税による世界貿易の混乱など時代が激変したことがあります。
1980年代以降、多くの企業の共通認識としてのグローバル化が逆回転を始めたように感じています。グローバル化の基礎にある新自由経済主義から国家資本主義の台頭は国境を超えてマーケティングを展開する企業にとってサプライチェーンの再構築をはじめ難しい舵取りをしなくてはならなくなりました。
また国内では人手不足、インフレ、海外では地政学リスクからの「強い日本」というスローガンに端を発する中国との摩擦など問題山積です。このような状況はしばらく続くと考えるべきでしょう。但し、ピンチは最大のチャンスであると捉え、日本企業の「強み」をもう一度見直し、以下の事例のようなインバウンドも含めた海外市場に活路を見出すことが必要であると思います。
事例:日本のコンビニエンスストア、星野リゾート、コクヨ、ドン・キホーテなど
今後も、日本企業にとって越境するマーケティングは必要なのですが、問題はいかに「勝ち筋」を見つけるかではないかと考えます。
オンデマンド講義
第1回 混迷する世界における国際マーケティング
いまだに終結しないウクライナ戦争、米中の対立、中東の不安定化など1980年代から本格化した第2次グローバル経済は「分断の時代」に入っています。そのような時代あって越境するマーケティングはどうあるべきかを考えます。
-VUCA時代のマーケティング
-気候変動とマーケティング
-富裕層と貧困層の格差拡大
第2回 国境を超えるマーケティングにおける日本企業の課題
日本の価値観とは共同体外の他人を信用しない「安心・安全」の村社会であるとされます。国境を超えてマーケティングをする際には、この村社会の価値観を捨てるマインドセットへの転換が求められます。国境を超えたマーケティングで日本企業が強みを活かし、結果的に国境を超えても魅力的な価値を創造するアプローチとは何かについて考えます。
第3回 国際マーケティングとグローバルマーケティング
「国境(Border)」とは、まさに「ある世界とある世界の境目」であり、企業が「国境(Border)」を超えて企業活動を展開する場合に直面するさまざまな課題について考えます。
-国内から国際・グローバルマーケティングへの発展
-セミ・グローバリゼーション(Semi-Globalization)という概念
– ゲマワット(Pankaj Ghemawat)のCAGE(鳥籠)フレームワーク
第4回 グローバルマーケティングにおける複合化戦略
国内と国際マーケティングの違いを説明します。そして、越境する場合「なぜ国内マーケティングの延長では不十分なのか」について考えます。世界標準化(効率)と現地適合化(柔軟性)のジレンマを解消するためのハイブリッド戦略である複合化を取り上げます。
-複合化・チャネル(流通)・ブランドの3要素間の相互関係
-チャネル(流通)の先行性、販促性、模倣困難性
第5回 グローバル・マーケティングコミュニケーション
2000年以降、デジタル化が急速に進み、個人が情報を発信することが様々な形で可能になりました。最も重視されるのは、ソーシャルメディアの影響力であると言えます。マーケティングにおいて広告はよりパブリックな存在としての「公告」へと役割が変化します。公共広告(Public Service Advertising) の意義もこれまで以上に重要となっています。
第6回 マーケティングにおけるジェネレーション(世代)とマーケティング
マーケティングにおいてミレニアル世代やZ世代の価値観を無視することはできません。同じ世代であっても各国の生活環境によってその価値観に違いが見られます。マーケティングにおいては、世界的共通性と経済や商習慣、文化等の違いによる異質性の両方を意識する必要があります。
第7回 国際マーケティングにおける多様性(ダイバーシティ)
国境を越える企業のマーケティング活動においてジェンダー(性差)をはじめとする多様性(ダイバーシティ)について配慮することが必要になっています。企業の組織内部のみならず、ステークホルダーとの関係の問題でもあります。ソーシャルメディアの発達により広告表現に対してハラスメントの問題が取り上げられることも少なくありません。
第8回 国際マーケティングの課題:持続可能性のある社会をどう実現するか。
2015年9月に国連サミットにおいて採択されたSDGs(持続可能な開発目標)が制定されてから10年が経過しました。2000年以降、起業されるベンチャー企業には、設立目的自体が何らかの社会課題の解決 を目指したものが少なくありません。具体的な事例と国際認証Bコープについて解説します。
さらなるアウトプットをしたい方へ
アドバンスドなチャレンジをしたい方向けに、会員限定でアドバンスト問題を用意しています。
やさしいビジネススクールからフィードバックいたしますので、ぜひ挑戦してみてください。
オフィスアワー
日時
2026年3月26日(木曜日) 20:00~21:00
参考図書
⑴唐沢龍也(2025) 『国際マーケティングの補助線』文眞堂。
⑵川邊信雄(2023) 『日系コンビニエンス・ストアの国際展開:流通近代化を超えて』文眞堂。
⑶井上真里編著(2020) 『グラフィック グローバル・ビジネス』新世社。
⑷大石芳裕(2017) 『実践的グローバル・マーケティング (シリーズ・ケースで読み解く経営学)』ミネルヴァ書房。
その他の連絡事項
リサーチマップ
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関東学院大学経営学部 唐沢龍也ゼミナール
https://www.kanto-gakuin-karasawa.com/
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https://yasabi.co.jp/value/