企業と社会(小山 嚴也・関東学院大学学長)

開講時期:2025年9月~2025年10月
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講師プロフィール

1967年生。経営学者/関東学院大学学長/関東学院大学 経営学部教授/博士〔商学〕
専門は「企業と社会」論で、特に企業不祥事の研究および企業の社会貢献活動の研究に従事。
著書に『CSRのマネジメント-イシューマイオピアに陥る企業-』白桃書房、2011年(単著)、『問いからはじめる現代企業 新版』有斐閣、2024年(共著)など。


小山先生の詳しいプロフィール

科目概要


「企業と社会」論とは、大企業の社会に対する様々な影響について考察していく学問領域で、一般に企業の社会的責任論あるいはCSR論などといわれています。コンプライアンス、CSR、企業倫理、サステナビリティという言葉はビジネスの世界でも当たり前に使われるようになっています。こうした言葉の背景にある考え方について理解してもらいたいと思います。

ライブ講義

第1回 企業不祥事を知る

2025年9月4日(木)20:00〜21:00

まず、経営学における「企業と社会」論の位置づけを説明していきます。その上で、いくつかの企業不祥事の事例を紹介しつつ、どこに問題があったのかについて考えていきたいと思います。

第2回 企業不祥事の裏側を知る

2025年9月16日(火)20:00〜21:00

2000年に起きた「雪印乳業集団食中毒事件」について取り上げ、一般的な解釈を紹介した上で、新たな解釈を提示します。この事例分析を踏まえて、企業不祥事防止はこの講義で学んできた企業倫理の制度化だけでは十分ではないことを学びます。

オンデマンド講義

第1回 企業の社会的責任① -社会的責任論争-


産業や経済が発展するとともに、企業の行動に対する批判が高まりをみせ、企業の社会的責任が強く意識されるようになってきました。他方で、企業の果たすべき社会的責任とは何なのかについての論争も巻き起こりました。当時の社会的責任「肯定論」と「否定論」についてお話します。

第2回 企業の社会的責任② -CSRのピラミッドモデル-


前回の講義で説明した企業の社会的責任論争を経て、一応の決着を見た企業の社会的責任の意味内容について、キャロルの「CSRのピラミッドモデル」を用いて説明していきます。「CSRのピラミッドモデル」は企業のコンプライアンス研修でも紹介される有名なモデルです。また、その背後にある考え方、すなわち慈善原則と受託原則についても解説します。

第3回 企業環境とステークホルダー① -企業のマクロ環境-


企業の存続・成長には環境との相互作用が重要となってきます。環境をどのようにとらえるのかについては、マクロ環境、ミクロ環境という大きく2つのアプローチがあります。今回はマクロ環境の代表的なモデルであるセプテンバー・アプローチを取り上げ、説明していきます。それぞれの企業はマクロ環境の動向について注視する必要があります。

第4回 企業環境とステークホルダー② -ステークホルダー-


企業環境のうち、ミクロ環境について説明します。ミクロ環境の代表的なモデルにステークホルダー・アプローチがあります。ステークホルダーは利害関係者と訳されますが、その定義は狭義のものと広義のものとがあります。特に「企業と社会」論では広義の定義を前提に、ステークホルダー・マネジメントの議論が進められます。しかしながら、ステークホルダー・マネジメントはなかなか簡単なものではありません。

第5回 企業倫理とコンプライアンス


現代社会は企業を信頼することで成り立っています。企業不祥事が多発し、「多くの企業が陰で悪いこと(不正)を行っている」という不信感が生まれると、市場も社会も成立しなくなります。そこで企業倫理が問題になり、これを維持するためにコンプライアンスが意識されることになります。従業員個人の倫理行動と企業としての倫理行動を促すための企業倫理の制度化について解説します。

第6回 企業の社会貢献① -企業フィランソロピー-


企業の社会貢献活動、すなわち企業フィランソロピーの実態について紹介します。企業フィランソロピーは規模の大小を問わず、多くの企業で行われており、様々な社会課題に対して金銭的支援、物的支援、人的支援、施設開放などといった方法で行われています。

第7回 企業の社会貢献② -株式会社と企業フィランソロピー-


アメリカでは、株式会社である企業がフィランソロピーに取り組むことについては、長くその是非が議論されてきました。第1次世界大戦時に赤十字が企業に寄付を求めた際には、赤十字配当金という仕組みを作り、是非論を回避しましたが、その後、「A.P.スミス裁判」を経て、株式会社によるフィランソロピーへの取り組みは合法となりました。しかしながら、日本では、このことが正面から議論されることはありませんでした。これは日米の企業観の違いによるものだと考えられます。

第8回 企業の社会貢献③ -戦略的フィランソロピーとCSV-


企業フィランソロピーが一般化するにつれ、フィランソロピーに取り組むのであれば、単なるコストではなく利益につながるよう戦略的に行った方がいいという考え方が出てきました。これを戦略的フィランソロピーと呼びます。近年ではサステナビリティが重視されるようになり、CSVという考え方に基づき、企業が社会課題解決に関与するようになってきました。近年の企業による社会課題への関与をめぐる動きを説明します。

さらなるアウトプットをしたい方へ

アドバンストなチャレンジをしたい方向けに、特別な問題を用意しています。
学長からフィードバックいたしますので、ぜひ挑戦してみてください。
あわせて学長との面談を活用して、疑問質問など追加の質問もしてみてください!
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オフィスアワー ※有料会員限定

ワークショップに参加した方は、そこで出た疑問をさらに深掘りできる場にもなります。もちろん、オフィスアワーからの参加でも大歓迎です!

日時

9月26日(金)20:00〜21:00

こんな方におすすめ

  • 小山先生に直接質問してみたい、学びを深堀りしたい
  • アドバンスト問題の進め方や具体事例が知りたい
  • 「企業と社会」を実務に活かすためのアドバイスを受けたい

当日の想定トピック

  • 小山先生へのQ&Aとディスカッション
  • 「企業と社会」の個別・具体的な応用例
  • アドバンスト問題に取り組むポイント
  • 取り組みや今後の展望

アドバンスト問題サークル ※有料会員限定

日時

未定

こんな方におすすめ

アドバンスト問題をやろうと思うが、ひとりではなかなか進まない
課題の難しい部分や統計の考え方を一緒に学びたい
他の受講生との繋がりを持ちながら、確実に提出までたどり着きたい

サークル主宰

経営マスターゴールド 西尾陽介さん

サークル活動内容

オンラインで1時間集まり、情報交換しながら課題に取り組む。
実際に入力や演習をしながら、その場で疑問点を共有。
完成に向けてお互いサポートし合うので、モチベーションも持続。
エクセルシートで実際にワークします!
小山先生より提供いただいた課題用エクセルを使って、手を動かしながら理解を深めます。
統計や分析要素が入っているので、一緒にやればわからないところも質問しやすい!
課題の理解が深まり、スムーズな提出につながります。また、仲間と学ぶことでペースメーカーができる点も大きい魅力です!

参考書籍

小山嚴也・ 出見世信之・谷口勇仁(2024)『問いからはじめる現代企業 新版』有斐閣
小山嚴也(2011)『CSRのマネジメント』白桃書房
谷口勇仁(2012)『企業事故の発生メカニズム』白桃書房

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